キャラクターの成長を書くには〜小説のちょっとしたコツ
小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。
今回は「キャラクターの成長を書くには」です。
成長を書く
書き始めたころはストーリーを進めるだけで精一杯ですが、主人公の変化まで描けるようになると、途端に物語に深みが生まれます。
少し書けるようになったら、物語に、主人公の変化や成長を組み込んでみましょう。
どういった成長を描くにせよ、やり方はだいたい同じです。
以下から見ていきます。
成長とはどういうプロセスか
成長のプロセスは簡単です。
以下の3段階で成長すると考えればいいです。
それぞれはこんな感じです。
原因
主人公が元々持っている原因がある
たとえば、弱み、思い込み、勘違い、トラウマなど困難
その原因から困難なことが起こる
原因の克服を迫るような「一番嫌なこと」が起こる解決
困難をなんとか解決する
解決すると原因が消え、主人公は成長する
図にするとわかりやすくなります。
たとえば、主人公があるトラウマを抱えているとしましょう。
何らかの出来事によってトラウマを負ったわけですが、そのトラウマは、もう一度同じような体験をしないように主人公を守っていると捉えることができます。
ある行動を起こそうと思っても、主人公はトラウマがうずいて出来ません。
つまり、トラウマが行動を制限して、主人公を守っているわけですね。
続いて、困難が起こります。
困難とは、トラウマを引き起こした事件に似た出来事を、もう一度体験することです。
そのとき、トラウマをどうにかして克服しなければならなくなります。
そこで起こるのが、痛みをともなう引き剥がしです。
困難を乗り越えるには、自分と癒着し、守ってくれていたトラウマ(原因)を引き剥がす必要があります。
それが成功すると、主人公はむき身になります。
心はヒリヒリと痛みますが、主人公は、ようやく主人公そのものに戻れたのです。
このように、成長とは、
原因 → 困難(原因の引き剥がし)→ 解決(むき身になる)
と進み、主人公が自分自身を取り戻すプロセスだと言えるでしょう。
たとえばでいうと?
では、例で見てみましょう。
たとえば、こういうのが簡単です。
あるいはこういった例も考えられるでしょう。
具体的に物語に組み込む場合は、以下のどちらかのアプローチで考えるのが簡単です。
主人公の設定 → 起こす出来事 の順
主人公が持っている原因(弱みやトラウマ)を先に決め、その原因を克服しなければ解決できない出来事をクライマックスに起こす起こす出来事 → 主人公の設定 の順
クライマックスの出来事を先に決め、その出来事をもっとも困難にする主人公の性質を決める
どのような物語を書くかをだいたい決めてから、あとでトラウマを付け足したり、出来事を変えたりするだけで、主人公の成長を組み込むことができます。
お得なので、物語の整合性が崩れないなら、試してみるといいでしょう。
今回のまとめ
小説のちょっとしたコツ「キャラクターの成長を書くには」でした。
主人公の成長を描けると、物語は深みを増す
成長とは、原因→困難→解決のプロセス
原因:主人公は元々原因を持っている
困難:原因の引き剥がしを体験する
解決:むき身になる
主人公が自分自身を取り戻すプロセスを成長と言ってもいい
キャラに原因を追加するか、出来事を変えるかすると成長を描ける
とは言え、主人公が成長(変化)しない方が良い物語もあるので、無理やり成長を組み込まなくてもいいです。
それではまたくまー。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?