書いている途中で迷ったら
「どちらの展開にしたらいいんだろう?」
「このアイデアの方が良い気がするけど……」
詳細なプロットを作っていても、途中で別のアイデアが浮かんで迷ってしまうことがあると思います。
今回は迷ったときの判断基準の話です。
簡単な判断基準
プロットは地図のようなものなので、詳細なプロットを決めてその通り進めば、それほど苦労せずにゴールまでたどり着けます。
ですが、途中で新しいアイデアを思いついてしまい、どうしようか迷ってしまうことがありますよね。
実際のところ、そういった迷いが起こらないよう、プロット段階でできるだけ詰めておくというのが理想だと思います。
とはいえ、いくら詰めても、プロット通りにいかないことはよくあることです。
展開に迷ったとき、どうすればいいでしょうか?
今回は、簡単な判断基準を2つほどご紹介します。
キャラクター
キャラが自然に動く方向に進むストーリー
より波風が立つ方向に進む
それぞれ見ていきましょう。
1.キャラが自然に動く方向に進む
1つ目はキャラクターに関する基準です。
迷ったら、キャラが自然に動く方向に進むといいです。
キャラの性格や動機が強ければ強いほど、そのキャラは強い方向性を持つことになります。
キャラの方向性と、ストーリーの方向性が違う場面に出くわしたら、迷わずキャラの方向性を優先しましょう。
「このキャラの性格上、ここはこう動くに違いない」と思えるなら、プロットから外れても、そちらの方向に進むべきです。
たとえば主人公を「困っている人を絶対に見捨てない」という性格に設定したとしましょう。
そうした場合、困っているキャラがいたら、今後のストーリーでどんな問題が起ころうとも、主人公にそのキャラを助けさせなければなりません。
作者の都合でそういった行動を起こさせない場合、そのキャラの印象は支離滅裂なものになり、読者には違和感が残ります。
私はこの失敗をデビュー作でやってしまいました。
ストーリーを進めることを優先して、そのキャラなら絶対にそうするだろうという行動を取らせなかったのですね。
たぶん、完成させるだけで精一杯だったのだと思います(言い訳ですが)。
後日、デビュー作を読んでくれた知り合いから、「あの状況なら主人公は助けにいくと思いました」と指摘されてしまいました。
確かに、その主人公の性格なら、そうしたはずです。
ですが、その場面で主人公が行動を取ると、展開が変わるとともに、後始末が必要で、私はそれが面倒でスルーしてしまったのです。
「あれは失敗だった」と反省したことを覚えています。
このように、作者の都合でキャラの行動をねじ曲げてはいけません。
キャラが自然に動く方向が常に正しい方向です。
ですから、ストーリーにどんな不都合が起きるとしても、キャラの自然な方向性を優先しましょう。
ストーリーのためにキャラの行動を妨げるのではなく、キャラの行動に合わせてストーリーを考え直すべきなのです。
2.より波風が立つ方向に進む
2つ目はストーリーに関する基準です。
展開で迷ったら、より波風が立つ方向に進むといいです。
途中で新しい展開を思いついたとしても、「その方向に修正すると、ストーリーで大問題が起こってぐちゃぐちゃになりそう……」と尻込みすることがあると思います。
ですが、そんなときこそ、よりダイナミックな方向に、より波乱が起こりそうな方向に勇気を出して踏み出すべきです。
プロット段階でかなり詰めていれば別ですが、簡単なプロットを作っただけで書き始めると、なんとなく無難な方向に書き進めてしまうものです。
誰でも予想できる展開に始終してしまうのですね。
それでは面白い話にはなりません。
いままでのストーリーがひっくり返るような新しい展開を選ぶと、作者は必ず苦労します。
予想可能な普通の話を書くより、自分でもどうなるか分からない波乱含みの話を書く方が、より大きなエネルギーが必要になるからです。
ですが、お分かりのとおり、そもそも面白い話を書くには相応のエネルギーが必要なのです。
労力を掛けることを厭わないでください。
すべての労力が報われるわけではありませんが、大量のエネルギーを費やさなければ書けない物語があります。
特に新人賞やネット小説で書籍化を狙っているなら、執筆に掛かるエネルギーを節約している場合ではありません。
もっと無駄にエネルギーを使ってください。
よりダイナミックな展開、より波乱含みの展開を思いついたら、迷わずそちらに舵を切りましょう。
その荒波を乗り越えることができれば、きっと新しい場所にたどり着くことができます。
今回のまとめ
「書いている途中で迷ったら」でした。
途中で迷ったときの簡単な判断基準
キャラ
キャラが自然に動く方向に進むストーリー
より波風が立つ方向に進む
キャラが自然に動く方向が常に正しい方向
キャラの方向性がストーリーの方向性と違ったら、キャラを優先する
作者の都合でキャラの行動を妨げない
キャラの行動に従って、ストーリーの方を修正する
より波乱の起こる展開を尻込みせずに選ぶ
無難な話は労力が少ないが、面白くはならない
労力を掛けることを厭わない
もっと無駄にエネルギーを使おう
波乱の方を選ぶというのは、自分に無茶振りすることでもあります。
自分でもストーリーがどうなるか予想できなければ、読者にも予想できません。
読者はそういった予想できない話が読みたいのです。
それではまたべあー。
(2023.7.27追記)
出 雲太(いず うんた)さんにご紹介いただきました!
ありがとうございます!!
(2023.7.25追記)
おー!
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