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小説を書く人のためのChatGPT〜創作に使えそうな方法 【暫定まとめ】

小説を書くためにAI技術をどう使うか模索するシリーズ。

今回は「創作に使えそうな方法」です。

前回はこちら。↓

ひとまず暫定的なメモ

いろいろ勉強していますが、命令の出し方は次の機会にするとして、創作に使えそうな方法をひとまずメモしておこうと思います。

どんどん新しい方法が発見されるので、とりあえず備忘録的なまとめです。


まず、本を出版する際のプロセスで、作者が関われるところをざっくり示しておきましょう。

こんな感じだと思います。

  1. 既存作の分析など下準備

  2. アイデア出し

  3. 企画書づくり

  4. 詳細プロット

  5. 執筆

  6. 推敲・改稿

  7. 校正

  8. 原稿完成

  9. タイトル、あらすじ、キャッチコピー決定

  10. 告知・発売


それぞれのプロセスでAI技術を使えるのですが、今回は

  • 既存作の分析

  • アイデアのチェック

あたりで使えそうな方法をご紹介します。

ヒット作のあらすじを分析したり、アイデアを出したときのチェックとして使える方法ですね。


分析対象には本当の作品を使った方がいいですが、そういうわけにもいかないので、とりあえず、なろうっぽいファンタジーのあらすじをChatGPTに作らせました。

最強のギルドで活躍していた主人公は、ある日、自分のスキルがギルドの方針と合わないことから追放されてしまう。憤慨しつつも、彼はある町に落ち着き、新たな出会いを通じて自分自身を取り戻すことができる。

一方、彼が所属していたギルドは、彼の力がなくなったことで徐々に没落していく。元メンバーたちは自分たちでどうにかなると思い、主人公を軽んじていた。

ある日、ダンジョンから魔物があふれ、街を襲う事件が発生する。主人公は街の人々を守るため、自分のスキルを駆使して戦うことになる。

主人公の活躍により事件は解決するが、その原因が元メンバーたちだったことが明らかになる。街の人々からは主人公に感謝の言葉が贈られ、彼は新たな仲間たちとともに旅立つことになる。

ChatGPT作

ご自分で試す場合はアマゾンなどであらすじを取ってきてください。
(あるいは自作のあらすじを使う)

それでは見ていきましょう。


1.あらすじの縮約

まず簡単なのは、あらすじを縮約してみることでしょう。
1行にしてみます。

あらすじの縮約

「→」を使ってきましたね。
面白い話は1行にしても、そこそこ面白そうに見えるものです。


2.特徴ワードの抽出

あらすじから特徴的なワードを抽出してみます。
キーワードを見るだけで、だいたいの傾向が掴めます。

特徴ワードの抽出

造語がないので、わりと普通のワードになりました。


3.5W1H分析

あらすじを5W1Hで分析します。
出力はちょっと変ですが、ひとまず5W1Hで分けると作品の見通しがよくなります。

5W1H分析

多分これも、上手く指示すればきれいに整理できると思います。


4.時間軸分析

あらすじを、主人公の過去、現在、未来で整理する方法も全体像をつかみやすいです。

時間軸分析



5.ネガ・ポジ分析

頻出ワードから受ける感情をネガティブとポジティブに分け、集計してみましょう。

ネガ・ポジ分析

全体的にはポジティブなあらすじだとわかります。
標準偏差はばらつき具合ですが、この感じで分析した場合はあまり意味のない指標だったかもしれません。


6.問題・解決分析

基本的に、ストーリーは「問題」と「解決」で成り立っています。
この2つに分けてみると、話の根幹を把握できます。

問題と解決

こうすると、物語というのは、『『メインの問題』を『解決策』で解決するプロセス」だとわかりますね。


7.問題の修正と新しい解決策

これは分析ではなく、どちらかというとアイデア出しに使える方法です。

「問題」を変えると解決策も変わります。
すると、新しい作品にできます。

「問題」は

  • who:誰が

  • where:どこで

  • when:いつ

に分解できるので、どこかの要素を変更することで新しい問題を作らせてみましょう。

問題の変更

いいですね。
では解決策を考えさせましょう。

解決策の提案

こうすると、良いか悪いか別にして、違う話になるのがわかると思います。
アイデア出しの際にヒントとして使えるでしょう。

同じように解決策の方を変更し、新しい問題を作らせることもできます。
ちなみに解決策はwhatとhow(何を・どうやって)に分解できます。


8.読者・編集者からの印象

あらすじを読んだ印象を、読者と編集者に分けて見てみましょう。
それぞれの役割を指定するのがポイントです。

では読者から。

読者からの印象

けっこうちゃんと指摘してくれています。

普通の編集者にしてもあまり変わらなかったので、質問を変えてみました。

編集者からの提案

なるほど。なかなか良い提案です。
さすがは凄腕編集者ですね。


9.感情分析

今度はあらすじから受ける印象を数値で示してもらいましょう。

感情分析

そこそこ好印象でした。
ざっくりとあらすじを作ったときに感情分析をしてみると、足りないところがわかります。


10.欲求分析

読者は、ある欲求を満たすために小説を読みます。
それらの欲求がどのくらい満たされそうか、数値で示してもらいます。

欲求分析

これを見ると承認欲求があまり満たされないようなので、ここはもっと強める必要がありますね。


11.あらすじの改善を頼む

分析ではありませんが、ChatGPTになろう作家になってもらって、あらすじを改善してもらうこともできます。

改善案

修正案をさらに改善してもらいましょう。

さらに改善

アイデアを入れたというより、話の整合性を取ってきた感じですね。


12.話し合ってもらう

架空の人格同士で話し合ってもらうこともできます。
今回は3人の編集者にしました。

話し合ってもらう

これは人格をもっと練り込まないと、同じことしか言わない印象です。
途中で会話に混ざって別のアイデアなどを投入すると、それについても議論し始めるのが面白いところです。

とはいえ、実用的かというとどうかなという感じです。


おまけ:短編のあらすじを作る

短編というかショートショートというか、ちょっとした短い話のあらすじを作る方法です。

短編のあらすじを作る

良いあらすじではないですが、たたき台くらいにはなりそうです。
最初のワードでだいたい決まってしまうので、ワードは自分で選んだ方がいいかもしれませんね。

この短編のつくり方は以下の記事で紹介したものです。↓



……というところで、今回はここまでです。


おわりに

小説を書く人のためのChatGPT「創作に使えそうな方法 」でした。

他の利用法としては、

  • 担当編集者のメールなどを学習させ、担当さんとして振る舞ってもらう

  • アマゾンや読書メーターのコメント、ツイートなどを学習させ、仮想の読者としてコメントしてもらう

  • 売れた作品のあらすじを学習させ、定番パターンを抽出する

などがありそうです。

また、アイデア出しの際に、ちょうどいい新しさのワードや、新しいワードの組み合わせなどを提案してもらえると重宝しそうです。
(突拍子のないワードではなく、かといってド定番のワードでもなく、ちょうど中間のワードが出力できると良い)

できることはかなりあるので、さらに模索していこうと思います。

なにか良い使い方があれば、ぜひ教えてください。

続きはこちらです。↓

それではまたくまー。


(2023.6.27追記)

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