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小説を書く人のためのChatGPT〜使うときの心構え

小説を書くためにAI技術をどう使うか模索するシリーズ。

今回は「使うときの心構え」です。

前回はこちら。↓


使うときの心構え

前回はとりあえず使ってみましたが、動画などで勉強したところ、こういったAI技術を使う際の心構えがあるとわかりました。

使う前に、まずは心構えを知っておいた方が良さそうです。

ざっくり勉強したところでは、こんな感じかなと思います。↓

  1. 質問するのではなく、命令する

  2. 良質の出力を得るために、良質な入力をする


それぞれ簡単に見ていきましょう。


1.質問するのではなく命令する

ChatGPTに知能はありません。
(知能とは何かについては保留にして一般的に言うと)

ある入力に対して、確率の高い情報を出力しているだけです。

自分の代わりに考えてくれるサービスではありません。

あくまでも考えるのは利用者であり、ChatGPTは補佐として使えるだけです。


ですから、上手く利用するには、自分から情報を取りにいくという積極的な姿勢が必要です。

質問して回答を待つのではなく、命令して自分に有益な情報を引き出すと考えた方がいいでしょう。

受身的な態度でいると、たぶん、おもちゃとして使って「ぜんぜん役に立たね〜」と言って使わなくなると思います。


2.良質の出力を得るために良質な入力をする

上で書いたとおり、ChatGPTは考えているのではなく、入力に対して確率の高い出力をしているだけです。

ですから、入力の質が低ければ、質の低い出力が出てきます。

当然ですが、ゴミを入れれば、ゴミが出てくるのですね。


ふわっとした入力をしても、ふわっとした出力しか返ってきません。

これではあまり役に立ちません。

ですので、自分に有益な情報を引き出すためには、質の高い情報を与える必要があるのです。


いいえ、正確に言うと、これは逆です。

  • 自分が得たい情報が出力されるように、入力情報を制御する

というのが正しいと思います。


膨大な情報の海から、自分が欲しい情報を得るために適切な網を投げる
、と表現してもいいでしょう。


ChatGPTを利用するとはどういうことか

さて、上の心構えを踏まえた上で、ChatGPTを利用するとはどういうことなのか考えてみましょう。

図にするとわかりやすくなります。↓

ChatGPTを利用するとはどういうことか


ChatGPTが持っている広大な情報空間があります。

これに対して、ゆるゆるの網(ごく普通の質問)を投げても、ゆるゆるの情報(ごく普通の回答)しか得られません。

ですから、欲しい情報をすくい取れるところまで網を狭めていく、というのが基本的な使い方です。


ちょっとわかりにくいと思うので、例を出して説明していきましょう。

たとえば、前回出したあらすじに対する感想を聞いてみます。

あらすじはこうです。↓

ある女性に一目惚れした主人公。断られてもめげずに告白を続け、ついにつきあうことになった。
ある日、彼女から「実はずっと前からストーカー被害に合っている」と涙ながらに相談される。
主人公は彼女を守るため、彼女の周囲を見張ることにした。
数日後、彼は警察に捕まってしまった。
実は彼女はしつこい彼を排除するため、彼をストーカーとして通報したのだ。
彼女につきまとっていたストーカーとは主人公本人だったのである。

ChatGPTからの答えはこうでした。↓

このストーリーは、一見して主人公が勇敢で忠実な恋人として描かれていますが、実際にはストーカーであることが明らかになります。彼の行動は、彼女に対する執着心から来ているように見えますが、彼女が実際に被害者であることを知った後も、彼の行動は許容できるものではありません。

このように、ゆるい質問をすると、ゆるい回答が返ってきます。

「まあ、そうだよね」といった答えしか得られません。


では、もっと実践的なアドバイスが欲しい場合はどうすればいいでしょうか?

上で書いたとおり、「網」を狭めていけばいいのですね。

つまり、条件を指定して、自分が欲しい出力に修正していく、ということです。

いくつか具体例で見てみましょう。


条件を指定する

網を狭める(=条件を指定していく)ことで、欲しい出力へと修正していきます。

たとえば、こんな感じです。↓

条件を指定していく


ChatGPTに「プロの編集者」という役割を与えることで振る舞いを定め、さらに「企画を通すために」と条件を絞りました。

すると出力が変わってきます。

さらに深堀りしてみましょう。

改善点を深堀りしていく


なるほど。

では、ここで条件を変えてみます。

わざわざ会話風にしなくてもいいですが、こんな風に入力を変えました。↓

条件を変える


すると、このように具体的な修正点が出てくるわけです。


情報空間を削ることで、欲しい情報を得る

以上のように、ふわっとしたところから、どんどん条件を指定して網を狭め、自分が欲しい出力を得ることが、取りも直さず「ChatGPTを使う」ということです。

言ってみれば、ChatGPTでの答えの探し方は、以下のようなイメージになるでしょう。↓

検索とChatGPTの探し方の違い


検索は答えそのものを見つけますが、ChatGPTは膨大な情報から、不要な情報を削って答えを見つけるようなものです。

検索とは探し方が逆なのですね。

地と図の関係と言ってもいいでしょう。

これをわかっておくと、ChatGPTに限らず、今後出てくるAIサービスも、上手く扱えるのではないかと思います。


何度も言いますが、ChatGPTは考えていません。

ある入力に対して、高い確率の情報を出力しているだけです。

利用者にできることは、求めている出力を得るために、情報空間を上手く削っていくことです。

そのための条件指定の方法が、利用者の間で続々と発見されているようです。


……というところで、今回はここまでです。

次回は、典型的な条件指定についてご紹介する予定です。


今回のまとめ

小説を書く人のためのChatGPT「使うときの心構え」でした。

  1. ChatGPTを使うときの心構えがある
    ・質問ではなく、命令する
    ・欲しい出力を得るために、入力を制御する

  2. ChatGPTを利用する = 情報空間に網を投げ、狭めていく

  3. 網を狭める = 条件を指定する

  4. ChatGPTは答えの探し方が違う
    ・検索は答えそのものを見つける
    ・ChatGPTは情報空間を削って答えを浮き彫りにする

  5. 条件指定の方法が利用者によって見いだされつつある

対話しながら次々と条件を絞ったり、深堀りしていけるのが、ChatGPTの便利なところですね。

続きはこちらです。

それではまたくまー。


(2023.3.20追記)
わーい!

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