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発売〜出版までの行程を見てみよう(8)

崖っぷち作家のニジマルカです。

「出版までの行程を見る」8回目です。

7回目はこちら。↓


出版までの行程

1.アイデア出し
2.企画書づくり
3.企画会議
4.執筆
5.推敲・改稿
6.校正
7.イラスト・デザイン
8.印刷
9.告知・宣伝
10.発売

今回は、10.発売です。


ついに発売

発売日を過ぎたら、その作品に関してすることはあまりありません。

発売の告知はすればいいですが、発売日を過ぎてから告知し続けても、それほど効果はない印象です。

一般小説ならジワ売れ(長い期間に渡ってじわじわ売れる)があるので、たまに告知してもいいかもしれません。

一般寄りではないエンタメ小説では、ジワ売れはほぼないです。

2週間くらいで勝負が決まる感じでしょう。

シリーズもので、次巻の出版が約束されている場合は、発売時に次巻の初稿が出来ているくらいのスケジュール感だと思います。


結果を確認する

発売されたら、結果を確認しましょう。

オリコンでは20位くらいまでのデータを、月額千円ほどで販売しています。

過去のデータも一定期間は見ることができます。


一般の人が販売部数を知るには、オリコンのデータを買うしかないです。

作家でも、自分の作品以外の部数は教えてもらえません(たぶん)。

ですから、市場研究のため、オリコンのデータを買っている作家さんは多いと思います。

オリコンは週間データですから、1週経たないと結果がわかりません。

ジャンルによって違いますが、自分がいるエンタメジャンルでは、オリコン20位以内に入っていなければ、まあ失敗でしょうね。

そろそろ、次の企画を考え始めた方がいいかもしれません。


結果速報

速報として使えるものにはツタヤランキングがあります。

デイリーランキングがあるので、発売日の翌日に結果がわかります。

これもジャンルによって事情は異なりますが、自分がいるエンタメジャンルでは、翌日のデイリー20位に入っていないならもう無理です。

おそらく2000部いかないくらいの結果になると思います。
(大爆死です)

挽回することはないので、すぐに次の企画を考え始めましょう。


売れた場合

初動がかなり良いと、担当さんから連絡があると思います。

結果によっては、重版することになるでしょう。

重版とは再印刷することです。


志を高く持てば、「重版しなければ失敗」と考えていいです。

私がいるエンタメジャンルでは、ざっくり考えて、1週目で5000部売れれば、だいたい重版すると思います。
(初版部数のおよそ4割くらいでしょうか)

重版したら告知して、結果を示しましょう。


ただ、読者は新シリーズが好きなので、1巻は売れやすいと知っておいた方がいいです。

シリーズものの場合、作品の真価は2巻の売上でわかります。

1巻はアイデアで売れますが、2巻目からは内容で売れます。

ですから、1巻、2巻とちゃんと売れた時点で、アイデア、内容ともに良かったことがわかるのです。


評判、コメント

発売すると、読書メーターやアマゾンなどにコメントが書かれます。

見たければ見ればいいですが、コメントを見ても、ほぼ意味はないと思います。

なぜかというと、単純に数が足りないからです。


作品が1万部売れたとして、意味のある分析ができるコメント数は、だいたい100コメントくらいだと思います。
(1万の√くらいは必要)

ですが、1万部くらいでは100コメントはつきません。

ですので、コメントから何か分析しようとしても、そもそも無理があります。


また、評価はすでに販売部数でわかっているので、コメントに右往左往する必要はありません。

ネガティブなコメントを見て落ち込むくらいなら、見ない方がマシです。

「良いコメントだけ見る」という人もいますが、それもバイアスが掛かるだけでしょう。

そういうわけで、良いコメントも悪いコメントも、気にしないで大丈夫です。

販売部数という数字だけを信じましょう。


今回のまとめ

出版までの行程を見る8回目「発売」でした。

1.発売日を過ぎたら告知してもあまり効果はなさそう
2.オリコンで20位に入らなかったらまあ失敗
3.ツタヤランキングでデイリー20位に入らなかったら絶望的
4.「重版しなければ失敗」と志を高く持つ
5.コメントは見なくていい

次回は「まとめ前編」です。↓

それではまたくまー。

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