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「巣」

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【読書レビュー①③】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー①③】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。
本日も「巣」の続きを書いていこうと思います。
前作はこちらです。

祖母の訃報が飛び込んできた朝。

亡くなった祖母の表情は穏やかで最近体調が良くなかったこともあり、「大往生」だったと判断されました。
祖母の葬式での参列者は親戚が少ないこともあり、入院や寿命で参列者はほとんど居らず寂しい葬式でした。帰る頃には皆がぐったりと疲れ切っていて、なぜ疲れているのにこんな家に帰

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【読書レビュー①②】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー①②】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

今回は「巣」の続き。前回は家に住まう「しいちゃん」という存在に言及していきました。「しいちゃん」とは何者なのでしょうね。

美苗が祖母と話していると、綾子がちょうど部屋に入ってきます。良いタイミングとばかりに美苗は綾子に「なぜあの部屋に人形を入れたのか」という質問を投げかけます。
綾子の解答は「なんとなくそれが良いと思ったから」。部屋に入れた人形は「友引人形」といい

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【読書レビュー①①】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー①①】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

本日も続きを書いていきます。前回は倒れてしまった桃花のために何ができるか鬼頭に聞いたところで終わりました。満身創痍の美苗は今後どうなっていくのか。

鬼頭と別れ、家に戻ってきた美苗はもらってきたぬいぐるみをあの部屋に入れます。

「桃花、戻っておいで」

と部屋に声をかけるも返事はなく、美苗は部屋を閉じます。
美苗は鬼頭にあの部屋に入っていたであろう、首の取れた人形

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【読書レビュー⑩】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー⑩】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

少し間が空いてしまいましたね。本日も「巣」の続きから書いていこうと思います。

前回では桃花があの部屋の中で倒れ、目を覚まさなくなってしまいました。桃花は今後どうなっていくんでしょうか。

そのまま桃花と一緒に病院に駆け込んだ美苗。
入院しても桃花の容体は良くなりません。
何も出来ることがなくなった美苗はなす術なく家へと帰宅します。桃花のぬいぐるみなどの持ち物は皆一

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【読書レビュー⑨】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー⑨】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは、PisMaです。
本日も前回の続きから始めていきますよ。
前作はこちらからどうぞどうぞ。

美苗の父があの部屋に人形を投げ込んでから数日。換気しに部屋を開けた綾子に笑われたものの、人形の効果はてきめんで、あの部屋は静かになっていました。
母も離婚をいったん考え直そうとしたり、桃花の体調も少しずつ良くなってきます。こんな日々が続けばいいのに、と思った美苗。静かになって半月ほど経ったある日

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【読書レビュー⑧幕間】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー⑧幕間】尾八原ジュージ「巣」

こんにちは。PisMaです。
今日も「巣」の続きから…と行きたいのですが、描写が抜けていたので幕間を補足してから続きに参ります。前作はこちらから。

「井戸の家」からところ変わって
「サンパルト境町1004号室」。

黒木省吾(くろきしょうご)は、仕事の一巻としてこの1004号室に通っています。雇い主である志朗貞明(しろうさだあき)の自宅兼事務所がここで、知人に紹介され黒木はボディガードと雑用係を

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【読書レビュー⑦】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー⑦】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

本日も「巣」の続きを書いていきます。
前作はこちらから読めますよ。

前回は父と謎の女性が門扉のところで話しているのを見かけたところで終わりましたね。二人はなんの話をしているでしょうか。

門扉のところまで向かう美苗。父が女性に絡まれているのかと思いきやそうではないらしく。
父は女性に家の中へ入るのを勧めているようでした。状況を確認したい美苗は、父に彼女は誰なのか尋

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【読書レビュー⑥】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー⑥】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

本日も「巣」の続きから。
前作はこちらから見れます。

前回のレビューでは、夜中に歩き回る足音を発端に、家族がばらばらになりそうな雰囲気のあるところで終わりました。今後はどうなっていくのでしょう。

「絶対内緒にしてよ」と、強く念を押す母。
よく会話し近況も伝え合っている母と綾子さんの仲が悪いようには見えず、美苗は母が強く警戒している状況がどうにも飲み込めないようで

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【読書レビュー⑤】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー⑤】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。
今晩もざっくりレビューをしていきます。
前作はこちら↓

前回は美苗の兄嫁•綾子が子どもが出来ない体質なことが判明したりしました。今回はどうなっていくでしょうか。

夜中に歩き回る足音はするものの、少しずつ慣れてきてしまったある日の昼。
美苗が桃花と庭で遊んでいると門扉の外に女性がいることに気づきます。小柄で黒髪の化粧っけの無い女性。
近所の人ではないと思いつつ美苗が

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【読書レビュー④】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー④】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

本日も「巣」の続きを。
前作はこちら。

謎の人形が落ちているのを発見してしまった美苗。この日を境に桃花は一人をすごく怖がるようになり、電気も消さずに寝るようになったため少しずつ睡眠不足の日が増えていきます。

母も「足音が聞こえる」と美苗に相談してきますが、美苗は母の不安を突っぱねます。少しずつ精神が擦り減って来ているうえ、この家に居られなくなったら桃花を育てられ

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【読書レビュー③】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー③】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

本日は「巣」の続きを。②はこちらです。

前回までは美苗の娘•桃花が夜中に行方不明になったところ。さて、どうなっていくでしょうか。

飛び起きた美苗は桃花を捜索しに部屋の外へ飛び出します。
怖がりな桃花が勝手に歩いて行くわけがない。
確信めいた不安に駆られながら、美苗は「例の部屋」へと向かいます。

「例の部屋」の前に、空中に片手を浮かした不自然な姿勢で桃花を発見。

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【読書レビュー②】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー②】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

本日も「巣」の続きを書いていこうと思います。
①はこちら。↓

両親や兄夫婦の住む大きなお屋敷に一緒に住むことになった美苗と桃花。

家事を取り仕切っている穏やかな兄嫁•綾子に家を案内されつつ、引っ越してきてから初めての夜を迎えます。
夜中に目を覚ますと、音がする。

誰かが歩き回るような足音でした。

おばあちゃんが徘徊しているのかもしれないと廊下に出て声をかけた

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【読書レビュー①】尾八原ジュージ「巣」

【読書レビュー①】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

今回は尾八原ジュージ様の「巣」を読みます。
どれくらいのシリーズになるかまだ未定ですが、お付き合いいただければ幸いです。

「ひとつだけ注意すれば大丈夫だからって、不動産屋さんが言うから」
(本文より抜粋)

物語は、主人公でありシングルマザーの内藤美苗が娘の桃花と一緒に実家のお屋敷に住むことになるところから始まります。

新しく引っ越したと言われた家は、「井戸の家

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