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【読書レビュー①①】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

本日も続きを書いていきます。前回は倒れてしまった桃花のために何ができるか鬼頭に聞いたところで終わりました。満身創痍の美苗は今後どうなっていくのか。

鬼頭と別れ、家に戻ってきた美苗はもらってきたぬいぐるみをあの部屋に入れます。

「桃花、戻っておいで」

と部屋に声をかけるも返事はなく、美苗は部屋を閉じます。
美苗は鬼頭にあの部屋に入っていたであろう、首の取れた人形のことを聞いていました。なぜあの部屋には、鬼頭のぬいぐるみよりも前から人形が入っていたのか。
鬼頭は「人形をあの部屋に入れた人は勘が良く、あの部屋が人を欲しがっているのを知っている人だ」と言っていました。あの部屋に触れるのは綾子以外にいません。美苗は一度綾子に話を聞くべきかもしれないと考えていたところで、別の部屋から歌声が聞こえてきます。

歌声は祖母のものでした。椅子に座った状態で古い動揺のような歌を歌っており、今日の祖母はかなりはっきりしているようでした。美苗が離婚したという話も理解し、スムーズにコミュニケーションがとれます。
桃花の話題を出すと「この家にはちっちゃい子どもがいるわねぇ」と話します。しかし祖母は桃花の事を知らず、代わりに話すのは「しいちゃん」という女の子のこと。そして「綾子が家をどう思っているのか」を祖母に聞くと、「綾子さんがさい楽しそうで良かった」と言っていました。

綾子は祖母を小さい子のように扱うときがあり、それはまるで綾子が祖母を相手に、自分に子供がいたときの追経験をしているようでした。極め付けで恐ろしいのは下の文。

「でも綾子さん、こっちの家に来たら楽しそう。やっぱりほんとの子どもがいる家だからなのね」


桃花以外に存在するほんとの子ども?

祖母の言うことは支離滅裂なときがあっても冗談を言っている様子はありません。祖母には美苗に見えていない別の子どもも見えているのでしょうわ
そして祖母はいままでに何度も桃花のことを「しいちゃん」と呼んでいますが、この「しいちゃん」とは誰なのでしょう。
名前だけはずっと出てきていますが、足音のみであり姿を見せていません。子どものようですが、間違いなく生きているものでもない。少しずつ「しいちゃん」がわかってきていました。

本日はここまで。
祖母の意識ががはっきりしたのは久々でした。
しいちゃんの正体に近づいていきます。

お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
さびしい、寂しい。

おやすみなさい🌙


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