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春の逆さま桜見

桜の枝から逆さまに吊るんで
桜の枝を望むのに、逆さまに体が吊るされたでは
知る蒼い空の反対にいる幽玄のあの大地を
土華見でもしようかな
偲べれば桜の姿は所詮大地の華の散った華弁で出来た
既に散ってしまた遺骸で出来た咲く環に過ぎない
燃える落ちた命は土染めの黒きロータスの大空より堕ち
宙の蒼き煉獄の業火へ
裁きされしべきに生え増える
根の国と頭上の足下は同義語になるまで
逆さまに咲くや
灰汁を吸う
涅染め桜


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