仕事の悩みは、いつの間にか消えていた。
「辞めたい」と上司に申し出たのは昨年6月の終わりだった。
その頃、私はベテラン女性の対応のあまりのきつさにすっかり萎縮してしまっていて何をするにも自分の判断に自信が持てず、おどおどと質問に行ってはそっけなく冷たい返答にいちいち傷ついていた。
そのときも、いつものお客様とのいつもの電話応対だったにも関わらず、私は自分の対応が正しかったのか不安になり、ベテラン女性に判断を求めに行ってしまった。
するとベテラン女性は声を一段大きくして、
「それ、いまさらする質問?そんな状態じゃあ