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書く習慣アプリ

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書く習慣アプリでの作文をまとめています。 タイトル画像、ギャラリーからお借りしてます。 クリエイターの皆様、美しい写真をいつもありがとうございます。
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記事一覧

【書く習慣】仲間

【書く習慣】仲間

同じ方向を見て
たくさんの時間を共に過ごす。

時には違うやり方で
時には離れてしまう事もある。

それでも。

どれだけ遠くにいても。
顔も見えない、
声も聞こえない、

それでも。

あなたがどこかにいると知っている
ただそれだけで
私は強くなれる。

あなたならこう言うだろうと
想像できるだけで
私は優しくなれる。

苦しんでいるまだ見ぬあなたへ
私が居る事を知っていてほしい。

あなたは独

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【書く習慣】距離

【書く習慣】距離

冬の道を歩く。

一歩一歩、前に進む。
時には立ち止まって
時にはしゃがみこんで。

どうしてこの道を歩いていたんだっけ?
もう足が前に出ないかもしれない。
何でこんなに辛いのに
歩き続けているんだろう?

本当にこの道で合ってるのかな?
どこに向かっているのかな?

もう歩くの止めちゃおうかな。
そう思って何気なく後ろをふり返る。

スタートがあんなに小さく見える。
もうこんなに歩いてきてたんだ

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【書く習慣】冬のはじまり

【書く習慣】冬のはじまり

外に出た瞬間の空気。
風の早さ。

自転車をビュンと漕いで
顔にかかる前髪を耳に掛ける。

出したばかりのストールにくるまって、
新しい朝の空気の中を
軽快に走ってく。

太陽はまだ登り始めたところで、
陽の光は淡い。

それでも背中に感じる仄かな暖かさに
励まされているようでほっとする。

【書く習慣】夫婦

【書く習慣】夫婦

比翼の鳥。

連理の枝。

鳳凰。

つまり、2つで1つだ。

私が苦手な事はあなたがやってくれる。
あなたに足りない物は私が埋めてあげる。

ふたりとも得意ならどんどん前に進めるね。
ふたりで失敗したらまた一緒にやり直そう。

5個入りドーナツの最後の1個を
はんぶんこして食べるような
そんな居心地の良さ。

【書く習慣】どうすればいいの?

【書く習慣】どうすればいいの?

なんとなく外を歩きたくなって
上着を羽織って家から出た。

午後9時。

近所をぶらっと散歩する。
自販機でコーヒーを買って河川敷まで来た。

僕はこの河川敷から見る月が好きだ。
今日も月を少し眺めたら帰ろうと
いつもの階段を登る。

登った先で目に入ったのは月ではなく、
月を見上げた女性の後ろ姿だった。

人が居ると思わなかったので
つい、「あっ」と声が出てしまった。
彼女もその声に驚いてこちら

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【書く習慣】宝物

【書く習慣】宝物

どこかにあるのだと思って
色んな所へ行って探し回っていた。
とても長い間。

それはきっと宝石のように煌びやかに違いない。

それはきっと一生のうちにお目にかかれるか分からない
希少な物に違いない。

それはきっと誰もが羨むような素晴らしい物に違いない。

あの人が持っているから。
みんなが良いと言っているから。
そんな噂を聞きつけては手に入れてみるものの
本当にこれだろうかと不安になる。

そん

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【書く習慣】キャンドル

【書く習慣】キャンドル

ゆらゆら揺れる炎。

今日も一日お疲れ様、なんて。

ぼんやりと炎を見つめていると
気のせいかな?
中に何かが見える。

疲れた目をこすってもう一度よく見ると
そこには私がいた。

違う場所。
違う仕事。
違う生き方。

そうか。
あの時選ばなかった選択肢の私だ。

なんだか充実してそう。
楽しそうだな。

でもね。

今の選択を後悔はしてないよ。
壁にぶつかって上手くいかない時もあるけど。
それ

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【書く習慣】たくさんの想い出

【書く習慣】たくさんの想い出

参ったな、こりゃ。
何から手を付ければいいのか。

断捨離、断捨離と呟いてみるけれど
あまりにも多すぎるし
重すぎるのだ、僕には。

もし、綺麗に全部片付いたら
僕はどうなってしまうのだろう。

今更ながら驚いている。
僕の心の中の君が占める割合の大きさに。

僕は空っぽになってしまうかもしれないな。

君は少しでも持って行ってくれたのかな。
それとも全部置いて行ったのかな。

そんな事を思う内は

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【書く習慣】はなればなれ

【書く習慣】はなればなれ

夕方。

空気がそのままオレンジ色になったみたい。

広い田んぼの真ん中の道。
学校からの帰り道。

何がそんなに面白かったのか
今はもう思い出せないけど
お腹が痛くなるくらい
二人でよく笑ったね。

クラスが違っても
部活が違っても
委員会で遅くなっても
一緒に帰るのが当たり前だった。

あれからもうずいぶんと時が経ち、
今はお互いどこで何をしているかも知らない。

でもね、分かる気がする。

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【書く習慣】子猫

【書く習慣】子猫

今日は満月か。
外に出て気が付いた。

仕事で煮詰まった時は散歩に限る。
コンビニでコーヒーでも買って、近所の公園で一服しよう。

昼間は子供たちやお年寄りで賑やかな公園も
夜は誰も来なくて静かだ。
そこだけ切り取られたみたいにしんとしている。

だが、珍しく先客がいた。

少年だろうか?
透き通るような白い肌に銀色の髪。
アニメに疎い俺でも、二次元から飛び出したとはこの事かと思うほどに美しい。

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【書く習慣】秋風

【書く習慣】秋風

17時になる少し前。

夕方が早まって
同じ一日でも短いような
寂しい気持ちになる。

長く伸びる影と
一緒に歩きながら
冬を思う。
また1年が終わろうとしている。
予定がいっぱいあるわけでもないのに
なんとなくそわそわしてしまう。

肌寒さを感じて空を見上げる。
帰ったらコーヒーでも入れて一息つこう。
そろそろ始まる冬支度に
わくわくしながら。

【書く習慣】また会いましょう

【書く習慣】また会いましょう

青白い月がこちらを見ている。

いつも通りに眠りに就いたのに
なぜか目覚めてしまった午前3時。

なんとかもう一度眠ろうと目を閉じるけれど、
休息は訪れる様子もない。

諦めて起き上がる。
カーテンを開けると月の光が眩しい。

ねぇ、月は寂しくないの?
暗い夜にたったひとり。

そうでもないよ。
あなたのように眠れない夜を過ごす人が居るからね。
そんな人たちをそっと照らして
時にはこうやって話をし

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【書く習慣】スリル

【書く習慣】スリル

生か死か。
私たちはそういう運命だったのだ。

生まれや生き方など何も知らずに
共に過ごしたあの幼き日々から。

最初から敵として出会えていたら
どんなに良かっただろう?
友として出会わなければ
どんなに楽だっただろう?

今向かい合って差し出すものが
刃ではなくお互いの手であれば
私はお前の手を握り
しっかりと抱きしめるだろう。

次に動けば全てが決まる。
静寂。
滲む汗。

互いの思いを殺し、

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【書く習慣】飛べない翼

【書く習慣】飛べない翼

雲ひとつない青空。
冬のピンと張りつめた空気の中を歩くのが好きだ。

朝の冷たくて新しい空気を吸い込むと
身体の中がきれいに生まれ変わるみたい。

新しくなった身体で毎朝願う。

今日こそは前に 進めますように。
思い出から離れられますように。
あなたを忘れられますように。

そうやってまた
同じ朝を繰り返している。