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【書く習慣】宝物

どこかにあるのだと思って
色んな所へ行って探し回っていた。
とても長い間。

それはきっと宝石のように煌びやかに違いない。

それはきっと一生のうちにお目にかかれるか分からない
希少な物に違いない。

それはきっと誰もが羨むような素晴らしい物に違いない。

あの人が持っているから。
みんなが良いと言っているから。
そんな噂を聞きつけては手に入れてみるものの
本当にこれだろうかと不安になる。

そんな事を繰り返したある日。
それはふわっと浮かび上がった。

あぁ、ここにあったのか。
宝石でもなく、希少な物でもなかった。
他人が見れば何でもないだろう。

それは心の中にしまい込まれていた本当の私。
好きを好きと言えなくなっていた私。
誰かの価値観に取り込まれて見失っていた私。
私は私を取り戻した。

恐れる事など何もない。
私はふぅっと息を吐き、前に一歩踏み出した。


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