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騙される人は騙される能力がある

騙される人は騙される能力がある


能力には、役に立つものと、役に立たないものがある。
能力がやたらあれば良いというわけではない。
夏になると、水難事故が頻繁する。
人が溺れているのを見て、救助に向かったばかりに溺死する人がいる。
自分には溺れている人を助ける能力がない、そう思う人は自分から水に入らない。
能力がないと分かっていても、海や川に入ってしまう人もいる。
そして、結果的に、救助に向かった人が溺死してしまう。
助けたいという自己能力が高かったばかりに、命を落とすのである。
世の中には、こうした事故が多い。
正義感が強いばかりに、迷惑行為をしている人を注意をして殺される人もいる。

殺す人間と殺される人間は相性が良い

武田泰淳という作家がいた。
女性暗殺者の「秋瑾」を主人公にした「秋風秋雨人を愁殺す」という作品がある。
その作品の中で、武田泰淳は「殺す人間と殺される人間は相性が良い」と断言した。
相性が良くなければ、殺人は起こらないと言うことらしいが、非常に仏教的な発言だ。
縁があると同じことらしい。
これも、一種の能力である。
殺す能力のある人間と、殺される能力のある人間が出会った時に、運命が動く。

溺れるものは溺れる

夏のニュースは、溺死者のことばかりだ。
ここで興味深いことがある。
必死に溺れれば溺れるほど、溺死するということだ。
反対に、何も抵抗しないで気絶したり意識を失ったりすると溺れない。
人間は本来生きていると浮くらしい。
それはプールに入って、静かに横になればすぐ分かる。
じっとしていれば体は浮くのだ。
溺れるのも、溺れる能力があるということだ。

自殺者も自殺をする能力がある

自殺をしたいと思う人は、自殺ができる。
自殺は簡単なようで、本当はかなり難しいのではないか。
例えば、高いところから飛び降りるとして、高所に立っても、簡単に飛び降りることは出来ない。
電車に飛び込むのも、勇気があってもできない。
できない人からみると、自殺をする人は能力があるようにしか見えない。

老人になる能力のある人と老人になれない人もいる

誰もが年齢を重ねることはできるけれど、だからといって老人になれるわけではない。
子供だって、子供らしい子供と、おませで大人びた子供がいるように、
老人だって、不完全で幼稚な老人もいる。
ようするに歪な老人だ。
ちょっと前、歩道を歩いていたら、スーパーに入る車があった。
私の前を若者が歩いていたので、スーパーに入ろうとした車が停車した。
そして、停車した車から70歳代の男性が降りてきて、
「おれが、駐車場に入ろうとしたのに、なぜ止まらないのだ!」
、そう言って、歩道を歩いていた若者を怒鳴った。
歩道を横切る時、車は一時停止をするのは、交通法で決まっている。
同年代のわたくしは、車から降りてきて若者を怒鳴っている老人に唖然とした。
この老人は、まったく老人になる資格がない。
老人らしさを感じさせない、殺伐とした若造のように思えた。
能力は、学ぶものだ。
学んで身につけたぶんだけ、人は成長する。
老人は、そうそう簡単になれるものではない。
自覚が必要なのだ。

騙される人は騙される能力がある

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騙されなかったら、立派な老人になることだ。
老人としての節度や冷静さ思慮深さを身につけることが必要だ。
簡単に騙される老人には、足りないものがあるからだ。
情報に耳を傾け、騙されないように注意を怠らない。

身近なところで人は騙されている

パチンコや競馬競輪などの賭け事は、儲かるはずがない。
主催している会社が儲かる仕組みなのだ。
それを分かっていても、射幸心が煽られるとやってしまうのが賭け事。
こういう騙されに行くことが平気な人がいる。
いやいや、騙されたいと思っている人もいるのかもしれない。
競馬や競輪でお金をすっても、気分がすっきりする人もいるのかもしれない。
TVの番組も子供だましの宣伝が多い。
最近流行りの田舎暮しの番組も、良いことよりも悪い事の方が多いのだ。
それでも、人はテレビ番組でやっていることを信じる。
日本政府も嘘の塊なのは誰でも知っている。
それでもみんな騙されても仕方がないと思っている。

身近な生活圏で、騙されない生活を過ごす

テレビを視る老人は多いようだが、ニュースを視る老人は少ないようだ。
ニュースを毎日視て、詐欺などの手口を知ったほうが良い。
困ったら、身近な人にまずは相談。
パソコンでウイルスにやられても、まずは警察に相談。
(この手のウイルスは、エロ動画サイトだから、相談が出来ない、ここが犯人の思うつぼだ)
やたらに店のポイントカードを作らない。
電話番号のだだ漏れの疑い大である。
情報漏えいしないためには、住所や電話番号等は家族以外に教えない。
知ったかぶりをするのが一番危ない、分からないことは必ず聞くようにしたい。
これは年寄りに限らず、若い人にも言えることかも知れない。
「人を見たら泥棒と思え」
これは至言である。

一番自分自身を騙すのは誰だ

ロシアのことわざに、「自分を一番騙すのは自分だ」とある。
騙されるのではなく、騙されていることを知っていて、なお自分を騙すのである。
詐欺で、コンビニへ振り込みに行った老人が、コンビニも店員に騙されていると指摘されても、
絶対納得しないそうだ。
他人から見たら、詐欺にしか見えないことも当事者には正当なものに思えるらしい。
これなども、普段から、自分を騙していたつけが回ってきたような気がする。
自分を疑うことが出来ない人は、必ず騙される。
そういう意味からして、普段から人の話に耳を傾けるようにしたいものだ。
老人は、意固地で頑固だ。
わざとそうしているようなところがある。
どこか、強がっているふうに見える。
昔の老人と違うのは、昔より長生きをして、かなり中身が老化していることだ。
昔は60歳台で立派な老人だったが、今では70歳台でも老人のひよっこだ。
それだけ高齢化していれば、昔のように矍鑠としていられるわけがない。
肉体も精神もかなり弱体化しているはずだ。
騙されないようにしたくても、体も脳も働かない。
そのことを自覚するだけで、人から騙されることが減る。
身近な人に相談をする、聞いてみる。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言うのは、言えている。

旗じいの話を最後まで聞いてくれてありがとう。
昔から、騙される人は多い、それは他人を騙して生きている人が多いから。
騙されないようにするのは、生きていく上の力だ。
若い頃から、騙されないように生きていくことが必要なのだ。

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