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頭の中を整理するため、家もまた整理する

頭の中を整理するため、家もまた整理する


住居は、自分の一部である

住居は、自分の一部である。
カタツムリやヤドカリ、そして亀は、自分の住居を身にまとっている。
人間も同じだ。
住んでいる家は、自分そのもの。
すみかは、住んでいる人と一心同体。
人は出かける時、不便だから家を持ち運んだりしない。
しかし、住居は常に自分の帰るべきすみかなのだ。
すみかがなければ、人は不安定な暮らしを送るしか無い。

家が先か、人が先か

理想の家に住みたいと、人は考える。
マイホームの夢だ。
反対に、人を迎える家も、こういう人に住んで欲しいと願っている。
家と住んでいる人には、相互関係があって、互いに影響を与えている。
快適な家とは、家と住んでいる人が共鳴している家。
家には、風や太陽が必要だ。
窓から風を取り入れて、部屋部屋の湿気を取る。
太陽の日差しを取り込んで、湿った空気を排出させる。
家は呼吸をする、その呼吸を助けるのは住んでいる人だ。
家があるから人がある、人があるから家がある。

人の頭の中を整理するように、住居の整理も必要だ

毎日の食事が、人々に影響を与えるように、住居も人に影響を与える。
勉強の前に、急に片付けをしたくなるときはないだろうか。
そういう片付けをしたくなる気持ちになった時、人は自分の心の片付けを願っているのだ。
もやもやした気分を、部屋の片付けという見える行動を通して払拭しようとしているのだ。
そう思ったら、勉強より片付けだ。
身の回りの片付けは、ごやちゃごちゃとした心を落ち着かせる。
整理された環境が、人の心を落ち着かせるのだ。
寺社に参詣すると、整理された空間が心地よい。
それは、自分の住んでいる家の中でも同じ。
では、住居の整理をやってみよう。

風の通り道は整理への一歩

玄関を入って、家の中を歩いてみよう。
自分が風になって歩くことが大切だ。
その時、風がスムーズに流れているだろうか。
風の流れが滞っているところには、不要なものがあるはず。
まずは、整理するより、滞っているところにあるものを捨てよう。
片付けるより、捨てることが一番大切だ。
捨てなければ、ものを移動しパズルのピースを交換しているだけになる。
整理をするためには、捨てるしか無い。
捨てることができなければ、風は動かない。
そして、頭の中も動かない。

風が通るようになれば、風の通り道が見えてくる

家の中を流れる風は、新しい空気を運んでくる。
それは、新鮮な空気だ。
その空気のおかげで、人の心は動き出す。
心は常に動くことによって、新しい世界へ向かっていく。
空気の停滞は、心の停滞だ。
心が停滞すると、何もかも動かなくなる。
整理され無駄な空間がなくなった時、人は自由に動き始める。

捨てることによって次の世界が見えてくる

人は、我執に囚われている。
今の自分を捨てて、新しい自分に出会うことを恐れている。
ぬくぬくとした淀んだ世界で怠惰な時間を過ごすことに慣れている。
昆虫のように命をかけて脱皮して行く勇気が必要だ。
昆虫の脱皮のように、人は無駄なものをまずは捨てることが大切だ。
それは、新しい世界へ向かうための第一歩なのだ。
退職をしたら、今までの生活の殻を脱ぎ捨てよう。
新しい老後の年金生活の出発のために。

今の世界の問題は整理されない家にある

連日の事件や事故、忌まわしい家庭環境、その問題の根底に共通点があるという。
家庭の崩壊した家は、ゴミだらけらしい。
老化して痴呆症になった家の中も、同じようにゴミだらけ。
心を病んだ人の家も同じだという。
ここで大切なのは、家庭の崩壊や痴呆症や心の病が原因で、整理整頓ができなくなるのか、
それとも、整理整頓ができなくなるから、結果として家庭が崩壊したり精神をやんだりするのか、
その判断が難しい。
日本人の精神性は、形から入ることを重要視している。
中身が良ければ、外見はどうでも良いという考えがあるが、
日本人は形を大切にしてきた。
整理整頓された家は、まずは形からという日本人の気持ちを現している。
整理整頓された家の住人は、この家と同じように心が整理されていますよ言っているようだ。
訪れて気持ちの良い家は、整理整頓された家であり、そういう整理された状態を維持している住人の心である。

飛ぶ鳥跡を濁さず

老人は、死期が近く、常にそのことを意識しなくてはならない。
そしてやるべきことは、身の回りをきれいにしてこの世を去る準備をすること。
あの世には、何も持っていけないと自覚すべき。
この世の所有物は、この世で処分することが老人の課題だ。
まだまだ大丈夫と思っていると、いつのまにか何も出来ないで終わってしまう。
虎は死んで皮を残す、人はゴミを残すだけとは哀れだ。
退職金で何を買おうとする前に、退職したらまずは、
一回死んだと思って身辺整理。
老後を快適に気持ちよく生きていくには、整理整頓がまず第一の課題だ。

旗じいの話を聞いてくれてありがとう。
整理整頓のことは、60代で必ずやったほうが良い。
若いうちから、整理整頓をする術を覚えよう。
新しいものを購入することより、身近なものを整理するほうが賢明な道。

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