【サプライチェーンマネジメントとは?】基礎知識とSCMを取り巻く環境について

サプライチェーンマネジメント(SCM)の基礎知識と、取り巻く状況について説明します。

1. サプライチェーンマネジメントとは何か?

サプライチェーンマネジメントの定義

サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management)は一言で言うと、「モノの一生」です。「原材料の調達から最終目的地での製品の配送まで、製品やサービスに関連する商品、情報、財務の流れを『管理』すること」と定義されています。
『管理』を細かくより砕くと、
・生産や在庫管理、物流のムリ・ムダ・ムラを省く
・どんな時でも安定供給できる仕組みづくり
・廃棄物の再利用の工夫(サーキュラーエコノミー)
などが挙げられます。

サプライチェーンマネジメントでは、
「コストを削減する」などマイナスからゼロへだけでなく
「循環的」「価値を上げる」などゼロからプラスの取り組みが求められていることが重要なポイントだと思っています。

部分最適と全体最適

よく「物流」や「ロジスティクス」と混同されることがありますが、両者は対象範囲が異なります。ロジスティクスは基本的に企業単体でのマネジメントを対象にしている一方、SCMは企業単体ではなく、原材料メーカーや小売店、あるいはEコマースなどのすべてのプレーヤーを含めたサプライチェーンを対象範囲としています。

多くの企業が、仕事の効率化・高度化を目指すため、機能別組織の構造を有しています。機能別組織は自部門の目標に向かって、自部門の職務文掌の範囲内で仕事をする傾向があり、部分最適に陥ることがあります。これでは全体プロセスにムダやムラが生じてしまいます。SCMとは視座を上げて俯瞰する、全体最適のアプローチが必要です。自社内の各業務の連鎖にとどまらず、関連するサプライチェーン・プレイヤー(利害関係者)との連携を高め、一気通貫の仕組みを構築するものです。

2. SCMを取り巻く環境

VUCAの時代

災害やパンデミックの発生、ニーズの多様化、IT高度化、国家間の争いなどに影響され、市場の変化が絶えません。これをVUCA(Volatility=変動性・Uncertainty=不確実性・Complexity=複雑性・Ambiguity=曖昧性)の時代と言います。
変化の時代を生き抜くリーダーには、長期的な視座を持った上で、日々の経営が課題の認識を改めながら、先手を打っていくことが重要になります。サプライチェーンマネジメントも同様です。

2024年問題(物流分野)

さらに物流分野に焦点を当てると、緊急的な対応が求められています。
「2024年問題」をご存知でしょうか。深刻なトラックドライバーの長時間労働を是正するために年間時間外労働の上限を制限する、「働き方改革関連法」の施行に伴って起こるとされている問題です。今まで当たり前に運んでいたものが、運べない状況が生まれることになります。
予測不可能な時代の中でも、必要な分だけを生産し運ぶ、ムリムダムラのないマネジメントを行うことが必要不可欠です。

この状況下、
・どんなことを意識してサプライチェーンマネジメントに取り組むべきか
・どのような取り組みが求められているのか
を、今後SCM関連の本を読みながらアウトプットしていきたいと思っています。

3. 【番外編】 私がSCMに興味を持ったきっかけ

私は学校でマーケティングを勉強する学部に所属しています。
企業から課題をいただき、それに対するマーケティング施策をマーケティングミックス(4P)を活用してプレゼンする必修の授業がありました。商品の価格を決定する際、「この商品ができるまでの背景がわからないと価格を決定できない」と腑に落ちない感覚を味わいました。

その後のゼミ選択をしていた際に「サプライチェーンマネジメント」に出会い、わからないところが明確になっていく感覚が大変面白く、気づいたらハマってしまっていました(笑)

サプライチェーンマネジメントの知識を深めながら、一緒に勉強する仲間とも繋がることができれば嬉しいです。

4. 参考資料

・渡邉一重, SCMのレジリエンス, 現代書林, 2022
・フローリアン・クライン, リアル・タイム・ストラテジー, ビジネス教育出版社, 2022


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