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自分に「頑張ったね」って言えなかった

自分自身に頑張ったねって言えなかった。
周りからいくら、
「頑張りすぎだよ。無理しないで。休憩しなよ。」
って言われても、
「ううん。全然出来てないからまだ頑張らなきゃ。まだ頑張れるよ。」
こんなことばっかり言ってた。
頑張れば頑張る分だけ焦りがあった。
頑張れば頑張る分だけ期待をされた。
その期待はプレッシャーとなって苦しい思いもした。
だけど、それと同時に嬉しかった。
期待されてるうちは、自分のことを求められてて、認められてて、自分に価値を見出せてた。
自分が自分に頑張ったねって言ったら、その時点で満足してしまって次に進めないような気がしてた。
そうなったら、誰も期待してくれなくなる。
自分の存在意義がわからなくなってしまう。
頑張り続けなければ誰からも求められなくなってしまうんだ。
そんなことばかり頭をよぎって、怖くなった。
ますます自分自身に頑張ってるって言えなくなった。

だんだん自分が壊れていってるのもわかっていた。
もう限界が近いことも、今の時間を心から楽しめてないことも。
愛想笑いばかり上手になって、お世辞の使い方を習得して、世渡り上手になるテクニックばかり身についていった。
苦しくなって悩んでもがいて涙を流す青春とはほど遠くて、心がどろどろになって思ってない事を言ってしまう自分に腹を立てるような思春期もなかった気がする。
ただ、都合が良く、常に心穏やかに親の言うことを聞いて、叶う見込みのない恋は恋と呼ばず、まるで自分の意思がどこにもないかのような生活を送っていた。

同じような事で苦しんで悩んでいる人はきっといるだろう。私だけじゃないはず。
どうしたらいいのか。何が正解なのか。今の自分は本当の自分なのか。
何もわからない。
だけど、今のまま大人になるのは嫌だ。
きっと心がもたないだろう。
だから私は、決めた。

私は、私に「よく頑張ったね」って心から言えるようになりたい。

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