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本を読んで思う事

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本を読んだ感想や、感じたことを書き連ねる。
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記事一覧

「カモメの日の読書」を読んで

俳人の小津夜景氏による漢詩と日常を綴ったエッセイ集。漢詩らしい話題から、漢詩とは距離のあ…

はまだ
1か月前
3

「波打ちぎわの物を探しに」を読んで

西荻窪で雑貨屋を営む三品輝起氏による「物を買うこと」「物を売ること」「物の価値」といった…

はまだ
1か月前
1

「台所に敗戦はなかった」を読んで

食文化研究家の魚柄仁之助氏による戦前、戦中、戦後に作られてきた家庭料理を通して、当時のリ…

はまだ
1か月前
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「心と実存 唯識」を読んで

東京大学の高橋晃一氏による唯識思想を事物と分別に関する思想から辿っていく一冊。本書では、…

はまだ
1か月前
3

「ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論」を読んで

作家の近藤康太郎さんによる人生講座としての仕事に関する一冊です。一人の人間の表現として、…

はまだ
3か月前
1

「あなたに語る日本文学史」を読んで

詩人、評論家の大岡信氏による詩歌を中心とした日本文学の歴史を万葉集から近代俳句までを講義…

はまだ
5か月前
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「土偶を読むを読む」を読んで

縄文ZINE編集長の望月明秀氏による「土偶を読む」に対する反論書です。望月氏による「土偶を読む」の検証と、各研究者によるこれまでの縄文研究、土偶研究の紹介など、読み応えのある一冊です。本書での検証部分は、これまでの研究の積み重ねとして、どういったものがあり、そこから何が分かるのか、という点から検証が進んでいきます。検証部分以降の論説やインタビューといった内容から、現在までに分かっている縄文時代、土偶のこと、これまでの研究で分かっていることが、思っているよりも多いことが分かりま

「パリと本屋さん」を読んで

パリ郊外に住むパリュスあや子さんによるパリでの生活とパリの本屋にまつわるエッセイ。2019年…

はまだ
7か月前
2

「自己啓発の教科書」を読んで

ケント大学のアナ・カタリーナ・シャフナーによる自己啓発の核となる考え方を10パターンに整理…

はまだ
7か月前
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「ことばへの気づき」を読んで

言語社会学者の松原好次氏による「ことば」にまつわるエッセイをまとめた一冊。サブタイトルに…

はまだ
7か月前

「ブッダという男」を読んで

仏教学者の清水俊史氏によるブッダの偉大さ、先駆性に迫る一冊です。本書では、世間で言われて…

はまだ
7か月前
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「絵本とは何か」を読んで

月刊物語絵本「こどものとも」を創刊した児童文学者の松井直氏による「絵本」についての論考を…

はまだ
8か月前
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「ふつうの相談」を読んで

臨床心理学者の東畑開人氏によるケアという行為を俯瞰的に捉える一冊。本書では、心理療法とい…

はまだ
8か月前
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「生きることの近世史」を読んで

歴史学者の塚本学による日本の近世から近代に至るまでの日本に住んで人々の生きる環境や知恵を見ていく一冊。本書で描出される人々は、歴史に名を残した偉人や何か名の残る事件に関わった人ではなく、普通の日常を送った人々です。そのような人たちの日常を詳細に検討することで、いわゆる国家の歴史として描かれた歴史ではなく、人々の生きた歴史を辿ることで、普遍性のある歴史を描こうとします。それぞれの時代で、生きるための努力をどのように凝らしてきたのか、そのことを考えることで、各時代ごとの時代差が見