「波打ちぎわの物を探しに」を読んで

西荻窪で雑貨屋を営む三品輝起氏による「物を買うこと」「物を売ること」「物の価値」といったことを考えていくエッセイ集。本書には、著者の実感からじんわりと考えさせる現代の世の中での生活といったものが、描かれています。私たちの生活における物の立ち位置といった、生活をしているとはっきりと考えることは少ないことを、著者のエッセイを通して、考えさせられます。インターネット、スマートフォンといったもので便利になっていく世界と、そういった物のない不便な世界の対比。私たちが物を買うときの場。そういったものが、著者の語りを通して、読者の目の前にやってきます。この現代の消費文化を、どのように考えるのか、どのように生きていくのか。そのことを本書を読みながら、考えさせられます。私たちを取り巻く、不合理なものと合理的なもの。なぜ、物を買うのか、売るのか、といった私たちの生活を支えるものを、どのようにしていくのか。そのことが、今の社会において、大切になっているのだと、感じました。

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