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実戦・日本IBMの新聞記事に注目して、ES・面接対策を作成する①

こんにちは、就活モチスキゼミコーチの山内康義(やまうち やすよし)です。1月21日(土)には、自己の信念(志・価値観・使命感)を固めていくには、「気になる企業、志望企業の経営理念・指針からひも解いて、その企業に関わる新聞記事や本、TVドキュメントなどから学び、取入れることです。
自分独自の信念を編み出そうとあわてず、「守破離」の「守=一流を真似る」から始めてみるといいですよ。」と申し上げました。
就活モチスキゼミでは、多数のIT優良企業から内定獲得しています。
どのように進めればよいか、実戦形式でおこなってみましょう。

就活モチスキゼミでは、多数のIT優良企業から内定獲得しています。
どのように進めればよいか、実戦形式でおこなってみましょう。

【実戦・日本IBMの新聞記事に注目して、ES・面接対策を作成する】

それでは、日本のITをけん引してきた日本IBMを事例にします。
まず、「経営理念」を深堀思考するため、新聞情報等で、代表者である山口明夫社長の発言から読み取りましょう。

山口社長の発言を整理していくと
1.経営理念と自己の信念を重ね合わせてみる
2.企業の求める人材像と自己の強み、力を注いだことを重ねてみる
3.就活の軸
4.IT業界を志望する理由
5.日本IBMを志望するES作成
5.IBMに入社して何がしたいのか
について、明らかにすることができます。

実際に山口明夫社長のインタビュー記事をクリッピングしてみました。
整理してみてください。

【IBMの経営理念(2003年制定)】

世界中のIBM社員が共有する3つの価値観を押さえましょう。
IBMers Value
·   お客様の成功に全力を尽くす
Dedication to every client's success.
·   私たち、そして世界に価値あるイノベーション
Innovation that matters for our company and the world.
·  あらゆる関係における信頼と一人ひとりの責任
Trust and personal responsibility in all relationships.

【日経新聞で調べよう!日本IBM山口明夫社長のインタビュー記事】

「人口減や環境問題、新型コロナウイルスの感染拡大など世の中がめまぐるしく変化している。日本企業の問題点を挙げるならば、事業環境が大きく変化しているにもかかわらず、従来と同じやり方でビジネスを進めがちなことではないか。前例踏襲で仕事するのではなく、必要に応じて過去を否定しながら企業のかたちを変えていかなければならない。(中略)

重要になるのがダイバーシティー(多様性)だ。市場が変わるなかで企業が生き残るには柔軟に体制を変えなければならない。様々な意見を持った人材が必要だ。一人ひとりの個性を尊重し、互いに尊敬し合うことが究極のダイバーシティーだと考える。多様な意見を共有し続けることで成長できる。
もう一つ重要なのが、新たな技能を身につける「リスキル」だ。変化する市場に対応するためには従来とは異なるスキルが必要になる。もちろん守るべきスキルもあるが、時代の要請に合わせたスキルを獲得しなければならない。
私自身、社長になってからも学習を続けている。当社では1週間に1回、人工知能(AI)が学習した方がよい項目を推薦する。社内のeラーニングを使い、量子コンピューターなど技術的な内容からエネルギー問題などの世界情勢、リーダーシップスキルなどを学んでいる。」

(「多様性とリスキル、成長源 日本IBM社長 山口明夫氏」2022/12/14付日本経済新聞 朝刊より引用)

「日本経済は長期停滞が指摘されて久しい。その理由について「従来は市場環境が大きく変わらなかったので、これまでの延長線上で成長できた」と述べた。日本企業に特徴的な「同調意識」や「前例踏襲」もそうした背景があったとする。」

(「学び直し・多様性で克服 日本IBM社長 山口明夫氏」2022/11/9付日本経済新聞 朝刊より引用)

「日本IBMの山口明夫社長は7日、世界デジタルサミット(日本経済新聞社・総務省主催)で講演し、「信頼はすべてのイノベーションの土台になるものだ」と語った。「テクノロジーが進化して生活が向上する過程では、倫理が組み込まれた取り組みでなければ本当の目的は達成できない」とデジタル化が進む社会での倫理観の重要性を強調した。」

(「日本IBM山口社長「信頼・倫理はイノベーションの土台」デジタルサミット」2022/6/7 16:16日本経済新聞 電子版より引用)

――分社化のほかにはどんな改革を進めましたか。
「営業体制の強化だ。顧客に最適な提案を出してDXを支援するために営業担当者を再教育している。人工知能(AI)やセキュリティー、利用者目線でサービスや製品を設計するデザイン思考などの専門知識を学ばせている」
「これまでは顧客ごとの担当営業が要件を聞き、後日、関係する技術や製品の専門家を連れて行き、説明させていた。DXではそのやり方では通用しない。顧客の企業自身が何をすればよいのかの答えを持っていないからだ。営業担当者が企業と一緒に考え、どんな技術を使えば要望を満たせるのか導かなければならない。そのためには最新の技術動向を幅広く知っている必要がある」
――22年は改革をさらに進めますか。
「引き続き改革を進める。営業体制の強化に加えて、DX支援に向く事業の進め方を確立したい。開発作業などを委託する協力会社と新しい関係を築いていく」
「これまでは多段階の請負構造が一般的だった。顧客が当社に発注し、当社が開発作業などを協力会社に発注する。この形式が適したプロジェクトは今後も残るが、DXには不向きだ。何をすればよいか分からず、初期段階で要件を確定しにくいからだ」

――具体的にはどのように変えますか。
「短い周期で機能の変更や改修を繰り返すアジャイル開発を取り入れる。多段階の請負構造ではなく、最初から協力会社と一緒に活動する。顧客と当社、協力会社が1つのチームになり役割分担をしながらシステムを作る。私はこの形式を『共創パートナーシップモデル』と呼んでいる」

■トップの思い伝える
「リモートワークが普及し、この形式で開発がしやすくなった。従来のアジャイル開発は顧客を含めて同じ場所で作業するのが当然だったが、今はITツールが整ったのでその必要はない。加えて、DXという言葉が広く浸透した。顧客のIT部門だけではなく事業部門の協力を得やすくなったのも大きい」
――改革が続いていますが社員はついてきていますか。
「改革を進めるときはトップの思いを伝えることが重要だ。改革の目的と理由を繰り返し説明している。最近、どんな質問にも私が答える『アスク・ミー・エニシング』というオンラインイベントを始めた。改革について社員から賛成も反対も意見が出るが、対話をしながら前進していきたい」

■既存の事業モデルから脱却
米IBMは歴史的にIT業界のビジネスモデルを開拓してきた。日本では日本IBMがその役割を担っていた。1970年代、それまでハードウエアの付属物で実質無料だったソフトウエアを商品として切り離したのはIBMだった。
その後、ハードからソフト・サービス事業に軸足を移し、コンサルティング部門を拡大した。「戦略的アウトソーシング」という名称で企業のシステム運用を長期的に請け負うビジネスも始めた。日本IBMが新たなビジネスモデルをつくるたび、国内のIT企業は後を追いかけた。

日本IBMの山口明夫社長は「過去のビジネスモデルを批判されることもあるが、時代の要請に応じて変えてきた」と説明する。
山口社長が今、新たなビジネスモデルとして確立しようとしているのが「共創パートナーシップモデル」だ。顧客や協力会社とともに1つのチームを作り、一緒に考えながらシステムを構築する。日本のIT業界の商習慣である多段階の請負モデルとは大きく異なる。

このやり方は、短い周期で機能の変更や改修を繰り返すアジャイル開発を前提としており、DXと親和性が高いのは確かだ。日本IBMは10年以上前からアジャイル開発を手がけ、ノウハウはある。
ただ、顧客の積極的な関与が必要になることなどからアジャイル開発は日本では普及していない。状況を覆し、かつてのように新たなトレンドをつくることができるか。DXの成功例を一つずつ積み上げていくことが重要だ。」

(「日本IBM社長「DX導入支援へ社内体制を改革」」2022/1/6 2:00日本経済新聞 電子版より引用)

「「多様性があるからこそイノベーションが起こせる」と語った。そうした企業は「顧客や社員の満足度も高い」とも述べた。日本IBMは女性の採用比率の引き上げや、育児する社員を支援する制度や体制づくりを進め、多様な人材が働きやすい環境を整えてきた。

山口氏は産休・育休で現場を離れると技術の変化についていけないといった懸念を持つ女性社員がいることに触れ「継続して働きやすい環境づくりが重要だ」と話した。また「多様性を担保している企業では、顧客や社員の満足度が高い」と指摘した。」

(「日本IBM社長「多様性ある企業、顧客満足度も高く」 第23回日経フォーラム世界経営者会議 山口明夫氏」 2021/11/9 15:31 日本経済新聞 電子版より引用)

日本IBMは2021年度に前年度比2倍の1000人以上を中途採用する。デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む顧客企業が増え、対応人材を拡充する。(中略)

日本IBMが中途採用するのは、顧客企業のDXを推進できる人材だ。情報システムやクラウド、人工知能(AI)などの知識を持ち、事業変革や新サービスを顧客企業と共同で考案していく。(中略)

「DX案件では、顧客企業の課題と事業変革に対する要望を丹念に聞き出す必要があるが、そういった高度人材は全く足りていない」と日本IBMの山口明夫社長は話す。

(「日本IBM、国内最大級の中途採用1000人 DX人材拡充【イブニングスクープ】」2021/3/19 18:00日本経済新聞 電子版より引用)

「山口社長は18日から21日にかけて、同社が都内で開くイベント「Think Summit」の基調講演に登壇した。企業のデジタル変革について、従来は非中核システムでの実証実験が中心だったが、ここにきて中核システムを対象にAIなどを本格展開する時期に入ったとした。

デジタル変革を支えるIT(情報技術)インフラについては、「2021年に9割の企業が複数のクラウドサービスを併用してビジネスを推進する」という調査結果に触れて、「プラットフォームに縛られない環境を提供する必要がある。米レッドハットを買収する狙いもそこにある」と力を込めた。」

(「日本IBM山口社長「デジタル変革で攻めに転じる時」 2019/6/19 12:40日本経済新聞 電子版より引用)

「デジタル時代の最先端である人工知能(AI)やクラウドに力を注ぐ日本IBM。しかし米アマゾン・ドット・コムなど新興勢力が攻勢を強めるなか、売上高は9000億円前後で推移する。2019年5月、社長に就任した山口明夫氏は自社の強みを「多様性にある」と考える。米国本社での勤務経験から「決して色眼鏡をかけて人を見てはいけないと学んだ」と話す。

――7年ぶりの日本人生え抜き社長となりました。
「就任時、2つの気持ちが入り交じりました。まずエンジニアとして現場でやってきた私が、果たして社長として受け入れられるのかという不安。もうひとつは社長になれば、顧客のための米国本社との交渉がやりやすくなるのではないかという期待です」
「不安の方が大きかったですね。日本IBMには伝統があります。経済同友会の代表幹事を務めた元会長の北城恪太郎さんをはじめとする立派な先輩の後を私が継げるのか。自分は、何ができるのかと不安でした」

――どのようなリーダーをめざしていますか。
「これまでと違うことを打ち出したいとは思っていません。今、自分としてやりたいこと、やらなければいけないことをしっかりと自分で考えていきたいです。周囲の意見は尊重しつつ、自分として『何が正しいのか』を考えながら判断していきたいです」

――「正しい」とはどういうことですか。
「半年後あるいは1年後に『なぜあのような判断をしたのか』と尋ねられたときに、顧客や社員、本社などに対しても、正々堂々と理由を語れるということです。全員がハッピーになるような判断はありません。だからこそ、公平を保つことが大切だと思うのです」
「判断の誤りに気づいたら素直に謝って修正したいですね。『ごめんなさい。間違った。考え方をこう変えたい』と言えるようにしたいです。自分を柔軟に変えるには、相手をリスペクト(尊重)することが必要です。自分の信条で大切なことは3つ。リーダーはフェアでなければいけない、2つ目は互いを尊敬する、3つ目はトランスペアレンシー(可視化)です」

――IBMは多様性豊かな企業ですね。
「ビジネス上の判断をするときには世界中の仲間に参加してもらいます。日本人だけを評価することは絶対できない仕組みですし、色眼鏡をかけて人を見なくなる。『彼は米国入社だ』とか『日本での中途採用組だ』といったバイアス(偏った見方)を全部捨てなくてはいけない」」

(「色眼鏡捨て多様性強みに 日本IBM 山口明夫社長(上)」 2020/2/6付ニュースソース 日本経済新聞 夕刊より引用)

「2019年、日本人の生え抜きとして7年ぶりに日本IBM社長に就任した山口明夫氏はエンジニア出身。システム運営・保守の現場で「顧客に教わり、育ててもらった」との意識を強く持つ。社長となった今も現場重視の姿勢を貫く背景には、リーダーとして「一人一人としっかり向き合い、信頼関係を築く」大切さへの思いがある。(中略)

――信頼関係の大切さを思い知らされたのですね。
「人間関係の軸は信頼だと思います。新人だろうが先輩であろうが、関係ありません。どこの事業部だとか、担当分野の売上高の大小だとか、国籍とか、そんなことで人の価値が決まるわけではありません。リーダーは一人一人をしっかり見ることが必要なのです」
「私が外資系企業で働き海外で働いた経験も影響しています。米国本社の勤務では英語が上手でない私にイタリアやブラジル出身の同僚が優しく接してくれました。一人の人間として受け入れてくれたといううれしさを感じました」(中略)

――入社して実際にはどうでしたか。
「同期入社は1700人ほど。新人研修でみんなが格好良くプレゼンテーションするのを見て『やっていけない』と思いました。コールセンターを経て保守部門で大手金融機関を担当しました。お客さまも仕事には厳しかったのですが、私個人にはきちんと接してくれました。システム上の問題が起きたら厳しく怒られますが、個人は絶対責めないのです。泊まり込みで働いたときには、朝起きたら牛乳やおにぎりが置かれていたこともありました。『仕事って、こういう関係のなかでしていくものなんだな』と学びました」

――尊敬するリーダーはいますか。
「経営者では当社元会長の北城恪太郎さんです。社長就任のお祝いの席を設けていただいた際、手ずからのペーパーをいただきました。日本IBM社長、IBMアジア・パシフィック代表、経済同友会代表幹事の経験から学んだこと、会社が抱える課題などをまとめてくれたものでした。『ここまでやってくださるのか』と驚きました」
「もう1人は当社の役員だった人です。私が米国から戻り、金融システム関連のプロジェクト担当になったときのことです。難しいプロジェクトで社内に反対する人も多い案件でした。経営も厳しく、私は大きいプロジェクトをやった経験もなかったことから『山口は会社を辞めるんじゃないか』という噂が立ちました」
「実際のところ、辞めたいくらいつらかった。そんなときに、私を米国に送り込んでくれた役員から『たまには飯に行こう』と誘われました。ある駅で待ち合わせたら、そのまま家に連れて行かれました。お酒を勧められても、仕事の話は全くなし。風呂にも入れてもらい『今晩は泊まっていけ』となりました」
「翌日、2人で出社して本社ロビーでの別れ際のことです。『お前なあ、大変なのはわかるけど、いつまでも続くわけじゃないんだから。絶対に音を上げるなよ。見ている人は見てくれているから』といわれて、胸に染みました。その人も私にとって尊敬すべきリーダーです」(聞き手は笠原昌人)」

(「私のリーダー論仕事に厳しく人に優しく 日本IBM 山口明夫社長(下) 」2020/2/13付ニュースソース日本経済新聞 夕刊より引用)

「日本IBMは17日、5月1日付で山口明夫取締役専務執行役員(54)が社長に昇格する人事を発表した。エリー・キーナン社長は代表権のない取締役会長に就く。日本人の生え抜きが社長に就任するのは7年ぶり。

(「日本IBM、新社長に山口取締役 7年ぶりに生え抜き」2019/4/17 15:15日本経済新聞 電子版)
山口氏はIT(情報技術)コンサルティングやシステム構築を含むグローバル・ビジネス・サービス事業を統括。ソフトウエア技術部門の出身で、国内でのシステム構築やプロジェクト管理で豊富な経験を持つ。」

【その他WEBサイトから探す】

●日経Biz Gate 「私の道しるべ」―一人ひとりの存在意義を認め合う会社に
https://ps.nikkei.com/myroad/keyperson/yamaguchi_akio/
●「枠を超えろ」を合言葉に 3万人の社員とITの世界を牽引
https://www.josho.ac.jp/flow/graduate_voice/oit/graduate_yamaguchi.html
●日テレNews【DXの現状】日本は遅れている?日本IBM・山口明夫社長に聞く
https://www.youtube.com/watch?v=iWS-LB8zRRI
●「じつは私も管理職昇進は迷った」IBM山口社長が女性社員を"説得しない"理由
https://president.jp/articles/-/55142?page=1
●日々是前進山口明夫(日本IBM社長)
https://www.chichi.co.jp/info/chichi/pickup_series/2022/09_yamaguchi/
●日本IBMが本当の意味で攻める年に――、山口明夫社長に聞く2021年の戦略
https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/column/keyman/1308079.html

【就活モ1面チスキゼミコーチが選んだおすすめ記事】

1.社員の声、聞こえてますか 物言えぬ組織は成長止める
カイシャの未来「目覚めるシャインたち」①

<リード文>
【この記事のポイント】

・社員一人ひとりの創造力が、会社の未来を左右する
・工場労働に適した「上意下達型の組織」は転機に
・「個」の知恵と責任感を束ねて力にできるかが問われる
あなたの職場は熱気に満ちているだろうか。それとも閉塞感に覆われているだろうか。事業環境が激変する今、硬直した上意下達の組織は成長できない。やりがいを持って課題に挑む、社員一人ひとりの「個の力」がかつてなく重要になっている。社員の目覚めを促し、知恵を束ね、社会に資する価値を共に生み出す。その道の先にカイシャの未来がある。

2023/1/23 2:00日本経済新聞 電子版より引用

<引用>
「いい職場」「悪い職場」の違いは何か。就職・転職者向けサイトを運営し、約1400万件の社員口コミなどを集めるオープンワークの協力を得て分析した。約3400社の上場企業のうち、投稿者がつけた評点で上位5%と下位5%を抽出。19〜21年の口コミから頻出ワードを可視化した。

2023/1/23 2:00日本経済新聞 電子版より引用 
2023/1/23 2:00日本経済新聞 電子版より引用 

上位5%で最も多いのは「共感」だ。「フラット」「自由闊達」と共に壁のない職場を想起させる。下位5%は「ワンマン」「イエスマン」など閉塞感が漂う。成長力の差は鮮明だ。上位と下位、それぞれの21年度の純利益合計額を3期前と比べると、前者は7.7%増え、後者はマイナス2.4%に沈む。
産業革命以来、会社は工場労働に適した上意下達型が主流だった。経営学者フレデリック・テイラー氏の「科学的管理法」のように、生産性向上のため労働者を機械のごとく扱うこともあった。ただ、先の見通せない時代には企業価値の源泉が人の創造力に移る。

2023/1/23 2:00日本経済新聞 電子版より引用

2.2面[社説]企業の活性化へ固い組織を柔らかく

<リード文>
日本経済復活のために欠かせないのが企業の活性化だ。それには上意下達やセクショナリズムが幅を利かせる硬直した体質を改め、各人が自律して生き生きと働ける柔軟な組織をつくる必要がある。カルチャーの変革は多くの企業にとって待ったなしの課題である。

成功例としてソニーグループを取り上げてみよう。電機から映画や音楽まで幅広い事業を展開する同社は、以前は部門ごとの部分最適が優先され、全体最適が二の次になった。その結果、組織の求心力は衰え、21世紀の最初の10年は業績悪化の厳しい時代が続いた。

低迷から抜け出して復活を果たせた背景には、組織の壁を低くして「知のめぐり」を向上させた取り組みがある。一例をあげれば、コンテンツ制作など10の戦略技術について、各部門からメンバーを集めた「戦略コミッティ」を立ち上げ、共同でプロジェクトに取り組む場をつくったことだ。
違うバックグラウンドを持つ人が一堂に会すれば、情報や知が融合し、イノベーションが生まれる。同社がホンダと組んでモビリティ事業に挑むのも異質な技術が交じり合うことで、予想以上の成果が期待できるからだ。
働く人が人事部の言いなりではなく、自分のキャリアを自分で決められる仕組みも有効だ。

「手挙げ文化」を掲げる丸井グループでは、社員自ら「次はどこに異動したい」と志願する制度が定着した。自分で選んだ職場なら仕事に一生懸命取り組むのは当然。その結果、多くの人が自分は成長したと実感し、それが一段と仕事への関与(エンゲージメント)を高める好循環が回り始めた。
社員の自律性を重視する企業は多い。リクルートグループでは何かにつけ「あなたはどうしたいの」と上司や同僚から問いかけられ、指示待ちではなく自己決定する習慣が自然に身につくという。

起業支援のガイアックスは社員にも独立を推奨し、これまで4つの上場企業を誕生させた。先輩に続けと後輩が頑張ることで、「会社はつねに活気に満ちている」と上田祐司社長はいう。
硬直的な組織はコミュニケーションが目詰まりを起こしがちで、イノベーションが生まれない。意思疎通の滞りは不祥事の温床ともなる。貴重な人的資本の潜在力を最大限引き出すために、経営者はもう一度、自社の企業文化や組織風土を点検するときだ。

2023/1/22 19:05日本経済新聞 電子版

3.2面 [社説]世界の難路映すダボス会議

世界経済フォーラム(WEF)の年次総会が、スイス東部のダボスで20日まで開かれた。50カ国以上の首脳と経営者、専門家など約2700人が集まった会議は、ウクライナ危機やインフレ、気候変動などの課題の解決に向けた難路を浮き彫りにした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は昨年5月の総会に続きオンライン演説した。前回満員だった会場には空席が目立ち、聴衆が総立ちで拍手する場面もなかった。
各国代表らはウクライナ支援での結束を強調したが、総じて関心が薄れる兆しもある。今後の支援の行方に不安も残す。
むしろ注目を集めたのは中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相の演説だ。ゼロコロナ政策の修正で、2023年の成長率は正常な水準に戻ると述べた。米欧でインフレが一服したのと合わせ、世界経済の見通しは「一時ほど悪くない」と国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は述べた。
ただ中国経済が回復すれば資源価格の上昇でインフレが再加速しかねない。油断は禁物だ。

会議では、世界経済の分断回避も大きなテーマだった。中国に警戒感を強める米国は生産や調達を友好国などに移す「フレンドショアリング」を提唱するが、やり過ぎは分断に拍車をかけると世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長はクギを刺す。
対立のエスカレーションを懸念する国際社会の声に、米中はしっかりと耳を傾けるべきだ。
演説を終えた劉鶴副首相はチューリヒでイエレン米財務長官と会談した。米中の関係悪化に歯止めをかける動きだが、国内事情も絡み先行きは予断を許さない。
環境分野ではルメール仏経済・財務相が「気候ファースト」を訴えて喝采を浴びるなど各国のアピール合戦が目立つ。急増する自然災害を前に、対策は待ったなしとの切迫感もあるのだろうが、言葉と行動の落差への批判もある。
各国・企業には難題に正面から挑む地に足が着いた策がほしい。

2023/1/22 19:00日本経済新聞 電子版より引用

4.3面総合・経済月曜経済観測環境問題と投資家 脱炭素「移行」圧力強く 蘭ロベコCEO カリン・ファン・バードヴェイク氏

<リード文>
世界経済フォーラム(WEF)は2023年版「グローバルリスク報告書」で、気候変動や生物多様性の喪失など環境問題を主な長期リスクとして挙げた。経済や市場はどんな影響を受けるか。オランダの有力資産運用会社ロベコのカリン・ファン・バードヴェイク最高経営責任者(CEO)に聞いた。

2023/1/23付日本経済新聞 朝刊より引用
運用点検の年 カリン・ファン・バードヴェイク最高経営責任者(CEO)

<引用>
――22年のようなグローバル金融市場の激変は今年も続くでしょうか。
「ふり返れば今年の1~3月が金利急上昇やインフレ進行などのピークだったという可能性はある。しかし現段階では注意深く見ている。金融市場は今年終わりにかけて徐々に落ち着きを取り戻すのではないか」

――そうなると資産運用会社にとっては難しい局面が続きますね。
「今年は長期投資家にとって株式や債券など運用資産の中身を点検し、しっかりしたリターンを出せるよう調整する年になるだろう。市場は落ち着かない展開が続くだろうが、だからこそサステナビリティー(持続可能性)の考え方がかつてなく重要だ」

――世界の投資の流れにはどんな要因が影響を与えるでしょうか。
「ロシア・ウクライナ戦争が終われば経済や市場に良い影響を与えるのは言うまでもない。現実的には脱炭素の動きが本格化し、クリーンエネルギーへの『移行』が大きなテーマになる」

――ウクライナ危機を契機に、温暖化ガスを排出する石油やガスの重要性が指摘されました。
「だからこそ企業に移行を促すことがなおさら必要になる。企業が温暖化ガスを排出しなくなるよう、市場から企業への働きかけも強まるだろう」

――全世界で35兆ドル(約4500兆円)に達するESG(環境・社会・企業統治)投資は、企業に環境配慮を促す力でした。この流れは続きますか。
「資産運用会社が企業に具体的な行動を促し、社会に良いインパクトを与えようとする流れが強まるのではないか。排出量なども、より精緻で客観的なデータが使われるようになる」
(聞き手は編集委員 小平龍四郎)
Karin van Baardwijk コンサルを経て06年にロベコ入り。22年1月から現職。

2023/1/23付日本経済新聞 朝刊より引用

5.8面オピニオン核心断てるか「停滞の30年」賃上げ持続は官民両輪で論説主幹 原田亮介

<リード文>
大幅賃上げのニュースが相次いでいる。今春闘では1997年以来最大の3%近い賃上げが予想されている。日本経済の「停滞の30年」を断つ構造変化は起きるのか。企業は持続的な賃上げで人材獲得競争を勝ち抜く経営力が問われている。

2023/1/23付日本経済新聞 朝刊

<引用>
2000年代から日本経済の生産性低下に警鐘を鳴らしてきた深尾京司日本貿易振興機構アジア経済研究所長は「世界でいま投資するなら日本国内。人材も確保しないと経営者は後悔する」と話す。海外経済が低迷する一方、国内需要は比較的堅調で人手不足も深刻化しているからだ。
政府が賃上げを要請するのは物価高による国民生活への打撃を吸収してほしいからだが、グローバル企業にとって海外に比べて安すぎる国内賃金の底上げが必要になっている。せきを切ったような賃上げ表明の1つ目の要因だ。
ファーストリテイリングは新卒の初任給を25万5千円から30万円に引き上げるなど人件費を15%増やす。内外の賃金差を縮めて人材獲得競争に勝ち抜くことは、グローバル企業にとって必然と言える。

2023/1/23付日本経済新聞 朝刊

6.特集 会社と社員、変革の歴史
産業革命と能率主義 世界の平均賃金倍増

<リード文>
人は何のために働くのだろうか。会社と社員の関係は資本主義の発展とともに、そのあり方を変えてきた。約500年前に工場で働く賃金労働者が生まれて以降、産業革命による機械化を経て労働者を数値で管理する手法が大企業で広まった。近年はデジタル化に伴いそれに対応する人材が求められる中、労働者間の格差も拡大。多様な人材をいかに生かすかが問われている。歴史を振り返りながら、会社と社員の関係の将来像を探る。(1面参照)

<引用>
人間は古くから自給自足のため、狩猟や耕作などの労働に従事してきた。古代ギリシャでは土地を持つ市民と奴隷が明確に区別され、労働は奴隷の仕事だった。中世になるとキリスト教が普及し、労働の価値が認められた。6世紀にイタリアで生まれたモンテカッシーノ修道院では「神に祈り、生きるために働く」ことが推奨された。
賃金を得て働く労働者が本格的に登場したのは1500年ごろ。英国で農民に土地を貸していた地主が羊毛業に進出するため、農地を囲い込む運動が盛んになった。農地を失った農民は毛織物の工場に雇用され労働者となることで「工場制手工業」が始まった。
 
1700年代半ば、紡績機の発明などを機に産業革命が起きた。英国の各地で綿工場が設立された。当時の組織の特徴は「内部請負制」だ。工場を運営する企業は出来高に応じて熟練工に賃金を支払う一方、熟練工は労働者を雇って作業を指揮するなどの裁量を持っていた。企業は労働者を直接管理していたわけではなかった。産業革命は生産性を飛躍的に高め、世界の平均賃金(年間推計値)は1500年の約4500ドルから1900年に約9000ドルと倍増した。
1800年代後半には巨大な組織を持つ大企業が米国で登場した。代表例が米ペンシルベニア鉄道。鉄道運営を担う現業部門と会社全般の管理を担う本社部門を分離する「ラインスタッフ制」の先駆けとなった。

鉄鋼や自動車などの重工業では機械化が進み熟練工への依存度が低下。労働者の作業能率に応じて賃金を支払う「科学的管理法」が流行した。米フォードは自動車の組み立てラインにこれを導入し、1914年に労働者に1日8時間で5ドルの日給を支払う制度も設けた。一方、細分化した単純作業に苦痛を覚える労働者が増え、経営側との摩擦も生じやすくなっていった。

2023/1/23付日本経済新聞 朝刊

7.高度成長と終身雇用 「日本型」世界が注目

第2次世界大戦後、日本が高度成長期を迎えると、終身雇用を前提に企業内部で様々な仕事を経験する職場内訓練(OJT)を通じて技能を高めながら、昇給していく日本型雇用システムが世界の注目を集めた。当時、雇用の流動性が高い米国では労働組合が産業別に組織されたのに対し、日本では企業別に労働組合が組織され、企業ごとの労働者の事情に応じて労働条件や労働者の権利保護が議論されていった。労使関係は比較的良好で、自動車や鉄鋼など製造業の成長を支えた。

2023/1/23付日本経済新聞 朝刊より引用

しかし1973年の第1次石油危機を契機に企業業績が悪化。会社はパートや派遣社員などの非正規雇用を増やすことで人員を調整するようになった。1986年には男女雇用機会均等法が施行され、医療・福祉や小売りなどサービス産業を中心に女性の労働参加が進んだ。1984年に15%だった非正規雇用者の割合は2003年に30%を突破した。

2023/1/23付日本経済新聞 朝刊より引用

しかし1973年の第1次石油危機を契機に企業業績が悪化。会社はパートや派遣社員などの非正規雇用を増やすことで人員を調整するようになった。1986年には男女雇用機会均等法が施行され、医療・福祉や小売りなどサービス産業を中心に女性の労働参加が進んだ。1984年に15%だった非正規雇用者の割合は2003年に30%を突破した。

2023/1/23付日本経済新聞 朝刊より引用

8.20面18歳プラス読むヒント「大衆社会」を考える
強まる他人との同質化 歴史を動かす要因にも 玉利伸吾

<リード文>
「大衆化」の視点が重みを増している。世界でポピュリズム(大衆迎合主義)の政治が勢いづき、民主主義を脅かす。背景に何があるのか。「大衆社会」の歴史を通して考える。

<一部引用>
今月8日、ブラジルの連邦議会や大統領府などを前大統領の支持者ら約4千人が襲撃した。2年前、米国で起きた連邦議会占拠とも重なる民主主義への脅威だ。政治に踊らされ付和雷同する有権者の姿、騒乱などは近現代史にしばしば現れる。理解のカギは「大衆」にある。高校で必修科目となった「歴史総合」でも、近代化、グローバル化とともに「大衆化」を歴史を動かす大きな要因に挙げる。
大衆は、群衆や群集、民衆、公衆などとほぼ同様に、同質で一様な多数の人々を指す。19世紀の後半から20世紀初頭にかけ、産業、教育、マスメディアなどの発達で、政治、経済、文化など社会のあらゆる領域で重要な役割を果たし始めた。
普通選挙など民主主義の仕組みが整い、都市を中心に大量生産、大量消費の生活が広がる。その結果、画一化が進み、他人と同じことで安心する同調性も強まったとされる。

2023/1/23付日本経済新聞 朝刊

9.池上彰の大岡山通信 若者たちへ(319)大学の多様性 米司法が揺らす「学ぶ権利」

<リード文>
東京工業大学は2024年度入学生から女子枠を設定する方針を発表しました。24年度と25年度の2年かけて計143人の女子枠を設けるというものです。これまでは女子学生の比率が極めて低いため、多様性を高めるための取り組みです。
大学にとって多様性がいかに大切かということなのですが、米国では、そもそも多様性とは何かが裁判で問題になっています。
米国の大学では入学者選抜において「アファーマティブ・アクション」を採用している大学が多くあります。これは「積極的差別是正措置」と訳されます。入学試験において黒人や少数民族を優遇する方針のことです。
米国では奴隷制度が表向きにはなくなったとはいえ、現実には貧困や差別から十分な教育を受けられない若者が大勢います。これらの学生を救済するため、この制度ができました。

2023/1/23付日本経済新聞 朝刊

以上
ご精読、どうもありがとうございます。
毎日コツコツ進めていきましょう!
就活モチスキゼミコーチ 山内康義

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