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フィンランドに恋をして(前編)・・・楽員名鑑

新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーを、趣味やライフスタイルを通して紹介するnote。今回はヴィオラ奏者の間瀬容子が登場です!
フィンランドが大好きな間瀬。手作りのシナモンロールを頂きながら、森や湖、フィンランド人の人柄や、自身の大好きな画家について話します。聞き手は打楽器奏者・腰野真那です。

フィンランドとの出会いは小学生

近年、日本でも北欧ブームと言えるほど、北欧のライフスタイルやおしゃれな雑貨に注目が集まり、いたる所で目にすることが増えました。そんなブームよりずっと前にフィンランドに出会った間瀬。まずはその出会いのお話から。

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間瀬:そもそも北欧好きになったのは小学校低学年頃なの。
親が買い集めてたクラシックの名曲全集のレコードが家にあって、それを端からずっと聴いてたんだよね。

腰野:それはまたすごい小学生ですね・・・!

間瀬:武蔵野音大の附属音楽教室に通ってたっていうのもあると思うんだけど、好きで聴いてたみたい。その時、一番のお気に入りだったのがシベリウスが作曲した「フィンランディア」だったのね。今もずっと好きなんだけど、曲のまん中あたりに出てくるきれいなメロディがめちゃくちゃ好きでね。

▲新日本フィルが演奏する「フィンランディア」。間瀬が特に好きなのは5′00あたりから。

「フィンランディア」
フィンランドの作曲家ジャン・シベリウスの代表作。ロシアの支配下で圧政に苦しんでいたフィンランドで1899年に作曲され、民族意識の象徴となる。上記の動画で5'00あたりからのメロディは、のちに歌詞をつけて歌われるようになり、フィンランドが独立国となった今でも第2の国歌として親しまれている。

間瀬:曲も好きだったんだけど、そのレコードのフィンランドを紹介してるジャケットもまたすごく綺麗でね。森と湖の写真で、子供ながらにその綺麗さに、「これはなんだ!?」と思ったのをよく覚えてる。

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間瀬:当時はレコード文化だったから、ヴァイオリンの発表会の演奏も一人一人レコードに焼いてくれたりね。

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フィンランド人画家 ケンパイネンとの出会い

間瀬:いつかフィンランドに行ってみたいってその時からずっと思ってたんだけど、その後なかなか行けるチャンスが無くて。
そんな時に、以前新日本フィルにいた方の奥様から、「近くのデパートですごく素敵な絵が今売ってるから見に行ってみたら」と言われて行ってみたの。実際行ってみたら、すっごく可愛くて一枚買っちゃったのね。
そしたらその絵を描いた画家さん、ヴィーヴィ・ケンパイネンさんていうんだけど、フィンランドの方だったの。

※先ほどの写真の背景にある赤い絵がケンパイネン作品。

腰野:それは、なんだかフィンランドとの縁を感じてしまいますね!

間瀬:北欧の白夜って、太陽が沈みそうで沈まずに夕焼けが続くような感じで、そのまままた朝になって日が昇るから、夜はすごく”赤い”世界なのね。それとその逆の極夜は、一日中太陽が昇らず薄暗くて、”青い”。ケンパイネンさんの作品は、その赤と青がとても素敵に描かれていて大好きなの。

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腰野:白夜と書くから勝手に”白”を想像してましたけど、本当はすごく深くて濃い”赤”なんですね。これは実際の風景を見てみたいな。
絵もとっても素敵!

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間瀬:そこから日本で彼女の展示会があるたびに行くようになって、実際フィンランドに行った時も、彼女のお店を訪ねたの。

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初めてのフィンランド


間瀬:仕事柄、何日も休んで海外旅行に行くことが難しかったんだけど、2011年にたまたま長期で休めることになって、「よし、フィンランド行こう!」と思って、ついに初めてフィンランドに行ってきたの。
シベリウスが結婚して暮らしていたアイノラという町で、住んでいた家やお墓を見たり、ヘルシンキでマリメッコやイッタラのお店めぐったり、めちゃくちゃ楽しかった!

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間瀬:フィンランドの人って、本当にみんながマリメッコ着て、みんなイッタラやアラビアの食器使ってるの。びっくりするくらい自分たちの文化とか製品を愛して生活に取り入れているんだよね。

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間瀬:楽しかったんだけど、1回目の旅ではが足りなかった!って思ってね。次に行った時は自然を目的に、英語もフィンランド語もほぼ話せなかったけど、一人で行ってきた。

腰野:行動力がすごい・・・!

間瀬:その時は、「フィンランディア」のインスピレーションの源になったという、北カレリア地方にあるコリ国立公園に行って来たんだけど、そこがすっごく良かったな。
シベリウスがここであのメロディを作ったんだなぁと思って、小学生だった頃の自分を思い出したりもして。

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間瀬:その旅では、たくさんの自然に触れたのと、あととにかくシナモンロールを食べまくったの(笑)。

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実はこのお話はシナモンロールの生地を寝かせている間に聞いているのですが、とにかく良い香りがしていて、たまりません! 早く食べたい!
後編に続きます!
 

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間瀬容子(ませようこ/ヴィオラ奏者)
4歳よりヴァイオリンを始める。
桐朋学園大学音楽学部ヴァイオリン科卒業、及び同研究科修了、卒業後ヴィオラ転向、白尾偕子氏に師事。
仙台フィルハーモニー管弦楽団契約団員を経て1989年新日本フィルハーモニー交響楽団入団 。オーケストラ奏者として活動しながら、経験を活かし指導にも力を注いでいる。


間瀬は演奏活動の傍ら、チェロ奏者の旦那さんと共に音楽教室も開いています。初心者大歓迎だそうですので、ご興味のある方は是非!


また、新日本フィルでは6月25・26日のコンサートで、北欧の作曲家グリーグとシベリウスの作品を取り上げます。

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詳しくはこちら
https://www.njp.or.jp/concerts/14315

なかなか海外旅行に行けない日々が続きますが、音楽を通して北欧を感じてみるのはいかがでしょうか。

(写真提供・間瀬容子)
(ヘッダー画像、絵、文・腰野真那)

腰野真那 (こしのまな/打楽器奏者)
群馬県出身。武蔵野音楽大学卒業。桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程修了。2016年新日本フィルハーモニー交響楽団に打楽器奏者として入団。これまで打楽器を久保昌一、関谷直子、坂本雄希、故・塚田吉幸、堀川正彦、松倉利之、宮崎泰二郎の各氏に師事。室内楽を中谷孝哉、吉原すみれの各氏に師事。現在オーケストラでの演奏を中心に、吹奏楽や室内楽、ソロでの演奏や後進の指導、司会者やライターとしても活動している。
好きな食べ物はチーズとラーメンとフィナンシェ。趣味はNHKの連続テレビ小説鑑賞。
Twitter:@ManaKoshino

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