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赤い糸をたどって、こんがらかって、6378.137km。

Miki's Picture of Today: Miki* Ikeda "Sweet Memory" (2023)



◇東京とニューヨークの距離は、6378.137km◇ 


東京とニューヨークの距離は、6378.137km。

自分の過去と決別し、再び大学生としてニューヨークへ戻ってきたのは、30代後半。東京での仕事も辞めた。全てをリセットしての再スタート。

前のパートナーとうまくいかなかったのは、自分のエゴと彼のエゴの押し合いで、妥協を許せないエゴ世代コンフリクト
別れる、別れない、と双方の言い合いに疲れ、愛が憎しみへと変わった

そんな愛憎劇から脱出して、好きな音楽好きなアートがあるニューヨークでの生活が始まった。
そう、自分には昼ドラのようなドロドロとした生活は似合わない。

朝起きて、電車に乗って、ベーグルコーヒーを歩道で歩きながら食べて、授業を受講して、図書館で勉強して、そして、バイト。
すでに社会人をやっているので、親には頼らず、大学の費用も自分で捻出しなければならない。全てがギリギリの生活

そんなギリギリの生活でも、『自分を理解してくれて、自分と共に美味しく朝ごはんを食べて、共通の趣味の話ができる』彼氏ができないかな、と、欲が出てきて、理想な彼氏を模索し始める。
日本人同士でもコンフリクトがあるのだから、別にどの国の人でもいい。
一番大事なのは、私を理解してくれて、私と苦楽を共にしてくれる人。

◇よき理解者&苦楽を共にしてくれる人を求む◇


紆余曲折して、今のパートナー(アメリカ人)と出会ったのは2009年の1月。私はニューヨークの大学を卒業して、社会人としてマンハッタンで働いていた。でも、残念ながら、私の当時のルーティーンは大学時代とあまり変わっていなかった。

朝起きて、電車に乗って、ベーグルとコーヒーを歩道で歩きながら食べて、仕事して、疲れて電車に乗って、そして、ご飯食べて寝る。

初めてのデートは、ユニオンスクエアとブロードウェイのスターバックス。(この店舗は、残念ながら、もう存在しない)
そこで、オンラインデートから対面デートへ切り替わった。彼はちょっと変わった人だな、と思ったけど、まあ、趣味が合うし、話も面白いので、次回も会いたいと思った。第一印象クリア!

そこで、彼が写真が好きだと言っていたので、「ICP Museumエドワード・スタイケン(Edward Steichen)の展覧会に行こうよ。」と誘った。
私のニューヨークの大学の副専攻は写真。そして、エドワード・スタイケンは、私の好きな写真家の一人。私の写真オタクの話についていければ「合格」かな、と思った。幸いなことに、彼は、私の彼氏候補1次試験に合格した。(苦笑)

そして、彼との本格的な交際がはじまり、少し経って半同棲(2次試験)をするようになった。でも、私の仕事は不規則なので、夜遅くに仕事が終わることもあった。当時、仕事帰りに彼の家に行くと、晩御飯ができているという素晴らしい日々だった。そう、恋愛ラブラブモードのピークで、「なんて薔薇色な人生なの!」と恋愛を謳歌モード。

とはいうものの、彼が料理を作るのではなく、彼の家の近所にあるお気に入りのタイレストランからのデリバリー。でも、その優しさが、私のお腹と心を満たしてくれたことにかわりはない。同じ美味しいものを食べることでも、大好きな人と食べると、恋のスパイスが効いて、より美味しさ幸せを感じるのだから。

朝、仕事へ行く前に飲むコーヒーも、彼がひきたての豆で作ったカプチーノを作ってくれた。そんな生活をしていると、自分も仕事の効率も上がってきた。お互いにテクノエレクトロニカ系の音楽が好きなので一緒にライブに行ったり、好きな映画展覧会を一緒に見に行ったりしていた。

ここまで書くと、全てが映画のように順調に行ったように思われるかも知れない。残念ながら、そうは問屋が卸さない。アメリカ人は主張主義の民族だから、

「ボクの権利はこうなので、それは許さない」

みたいな主張をする。
そこで、エゴな私は、アメリカ人に負けるものかと言わんばかりに

「そんな道理は許しません!!」

と、自分のセオリーを主張する。
ここで、大学で学んだディベートテクニックの出番。そう、アメリカでは言い負かされたものは負け(loser)なのだ。

でも、その反面、自分もアラフォーで、恋愛関係上の『エゴのコントロール』と『駆け引きのタイミング』を学んだ。
そう、「しょうがないなぁ。(子供っぽいけど、可愛いから許そうか。)」と母性愛で誤魔化すしかないのだ。
そうしないと、ただの『怒るだけしか能のないアバズレ女』になってしまうので。
オバさんになって気づきはじめた。
これって、年の功なのかも知れないね。

お互いに自己主張していると、せっかく築きあげた関係を破壊する危機が出てくる。家族なら、血縁の腐れ縁で諦めて腹をくくるのだろうけど、赤の他人にそこまではしない。

でも、ここはアメリカなので、映画「Mr.&Mrs. スミス (Mr. & Mrs. Smith)」のブラッド・ピッドとアンジェリーナ・ジョリーみたいな爆発的な大喧嘩を、映画さながらに実演してしまう。
(私の住んでいたブルックリンのアパートの上の階で、夫婦喧嘩がしょっちゅうあり、NYPDの警察官が来ていたりした。銃社会なので、もしかしたら、ガチの事件になる可能性もあるからね。)
とりあえず、日本人という理性と平和を求める人種の一人でもあるアタシは、せっかく築きあげた関係を破壊する危機救済のために頑張らないといけない。そう、アタシという人類の恒久平和のために。

◇赤い糸をたどって、こんがらかって、6378.137km◇


そんなこんなで、
赤い糸をたどって、こんがらかって、6378.137km。

2010年に我々は結婚。
そして、今年で2023年。
結婚13年目を迎えた。

相変わらず、エゴな私ディベート好きなアメリカ人のダーリンとの口喧嘩は、よくある。しかも、英語で、スラング入り混じりで、ピーという自粛音が鳴り止まらない会話。きっと、傍目から見ていたら、ラップバトルのようかもね。しかも、ピッチの低い声で言うからね。(でも、”Yoh-Yoh!”とは、会話はスタートしませんが。苦笑。)

いいことに、我々は年をとった
その分、体力もウルトラマン同様の時間制限があるので、自分の主張を言い終わると、「ごめんね」「うん、こっちもごめんね」と言える関係になった。
そう、共に年をとることで得た産物

「この怒りっぽいところも含めて、パッケージで結婚した」(苦笑)

miki*ikedaのダーリン

そして、年をとることで、お互いに体のガタもきた。
私も東京で長期入院したり、彼もなんやかんやと病院通い。
お互いに支え合って、今がある。

とりあえず、
今がある。
そして、隣にいつもパートナーがいる。

一緒に美味しいものを食べて、
一緒に旅に出て、
一緒に写真を撮って、
一緒に映画や展覧会をみて、
一緒に海を潜って、
一緒に山に登って、
一緒に家族を作って、
一緒にコーヒー飲んで、
一緒に口喧嘩して、
一緒に大泣きし、
一緒に大笑いして、
そして、
一緒にぐっすりと寝る。


そんな日々の些細な幸せを、パートナーと育める嬉しさ

今日も、ダーリンにもっと感謝しなきゃいけないんだけど、言えないな。
きっと。ちょっと相変わらずのエゴな性格なので。(苦笑)
でも、ここで書いときます。
I love you, sweetie! xoxo

他人と他人が出会って、共に歩み寄り、人生を共に歩み育む。
それが、パートナーシップの醍醐味。

miki*ikeda














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