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臓器も骨髄も角膜も血液も~25歳② 転職人生のスタート・CM制作会社~

■25歳② 今から25年前
ミラクルでファンタジーでミステリーな体験からこの会社に来て、そろそろ1年がたち、新入社員も3人入ってきた。

そうするとたった一人の新入社員であった私への愛情も、新しい新入社員へと移りつつあり、さみしくなるお年頃。

人って、さみしいと色々考えちゃうよね。

私のやりたかったことってこれ?
とか、
夢って叶えるためにあるんじゃないの?
とか、
私の人生は私のもの!誰のものでもないわ!
とか、

そう。
私がやりたかったこととは、何度も言うが

「CMを作ること」

そうなると、止められないのがしし座のB型。
やめときゃいいのに即行動。
東京本部で一番偉い、東京本部長にすぐ相談。

前回も述べたように、
私のことを娘のようにかわいがってくれていた本部長。

「CMが作りたいです!!」

と、
「お昼はパスタが食べたいです!」
のノリで言ってみたところ

「大阪のクリエイティブではTV-CM作っとるで。
ほな大阪いくか?」

えーーーー

大阪に異動?!
いいんですか?!
え?
いいんですか?!

いや、ちょっと待て。

大阪かぁ。
大阪でTV-CM?
なんか、コテッコテなの作らないかんとちゃうん?(偏見)

最後にみんなでズコーーってすべったり
もうええわー!って言ってみたり

ちがうの?
CMではそんなことしなくていいの?
オチがないとCMとして成り立たないとかないの?

めっちゃ悩んだ挙句

「うち、やっぱ東京がええねん」

と東京で自分で転職活動をすることに。

それを知った本部長。
なななんと、私の父親に手紙を送るという行動に!!!!
びつくり。

こんな入社1年目のぺーぺーのために
本部長が手紙を(涙)

手紙の内容は、ざっくりいうと
「とってもいい子だから、お父さんからも辞めないよう説得してくれ」
(ざっくり)という内容。

これを読んだ私の父親。
それはそれは大感動!!
こんな氷河期に娘を採ってくれた挙句、引き留めようとしてくれている!!
なんて素晴らしい上司に恵まれたのか!!

と、同じ娘を持つ父親同士、なんだか結託。

えー?

とりあえず、W父親からのもう少し頑張りなさい攻撃に
はい。はい。と、うなずきながら
転職活動開始(ひどい娘だ)

しかし、やっぱり厳しいマスコミへの転職。
新卒以外は即戦力が求められる。

ってか、CM制作ってそもそもなに?

私は何をしたいのか???
調べると

代理店
制作会社
ディレクター
プロデューサー
プロダクションマネージャー
ヘアメイク
スタイリスト
カメラマン
照明
音声
編集

え~なんかいっぱいある~。
私は代理店に行きたいわけではない、というのはわかる。
なんとなく。

あんなことしたり、こんなことしたり
実際に制作したいのだ!!

というわけで、なるべく小さい制作会社を探すことに。
大きいと、永遠にアシスタントなんちゃらで終わっていきそうだ。

小さい所なら、人がいないから何から何までやらなければいけなさそうなイメージ(勝手に)

そして見つけた小さな制作会社。
さっそく履歴書を送ると、面接へどうぞと連絡が!!

向かってみると、そこは青山のとある一軒家。
面接の前に、一軒家の前で3匹の黒猫に遭遇。

こ、これは!!!!

私は黒猫を見るといいことがあるのだよ。

もういい予感しかしない。

玄関で靴を脱ぎ、階段を上がって2階へ。
リビングのようなところがオフィスで面接会場らしい。
今まで、ザ・オフィスでしか働いたことがないので新鮮!

が、靴を脱いだところで衝撃が。

階段にはすでに10人くらいの若者が!
しかもみんなクリエーターみたいな顔してる!!(どんな?)
しかもなんか作品みたいなのみんな持ってる!!!

いい予感が消えていく。。。

どうする?どうする?

ええ、もうどうしようもありませんよ。
私には作品なんてありませんよ。

現職は広告代理店の総務で
特技は「移動交通費」をいかに早くシステムに入力できるか
「idoukoutuuhi !!!!」
ってね。

どうするよ?

もう、私はとにかくCMが作りたい
ラッキーガールで私さえ採用したら
会社もラッキーになるという、根拠のない
歩くパワースポット説をとなえるしかない。

そんなこと考えてるうちにもう私の番です。

「〇〇〇子です!よろしくお願いいたします!!」

ざわざわ・・・
ざわ・・ざわ・・・ざわ・・・

「いやぁ~履歴書見てびっくりしましたよ~笑
うちの会社は〇〇〇美のCMをいまメインで作ってましてね。
名前が一文字しか違わないなんてことあるのかって
みんなで話してたんですよ~笑
すごい偶然ですよね~
これ、あなた採用したら面白いだろうなぁ~笑」

という事で、

私が採用されたら現場が面白い

という理由で、採用になりました。

え?笑

実は現職の面接でも、社長面接当日、他の子は社長面接を済ませたのだが
私の番になったら、社長に緊急案件が入り、私ひとりの面接を残したまま帰ってしまうという緊急事態。

そこへたまたま東京に出張(遊び?)に来ていた会長が
「僕がやりまひょうか?」
と、、、

ええ??
会長が?!
面接を?!

と、社内騒然の中、面接なんかしたことない会長の今ではNGである

「お父さんはなにしてはりますのん?」
という質問からスタート。

「あ、父は〇〇という会社をフランチャイズチェーンで経営しております。」

「なんと!
そうですか、そうですか!
実は昨日は〇〇の会長と芸者であそんどったんですわぁ!
奇遇ですなぁ~
じゃあ、あなた、4月からうちに来ればよろしいですわぁ。
うん、それがいいですわぁ」

というわけで、あっという間に採用。

あぁ、なんという珍事。
ありがたやぁ~。

というわけで、夢だったCM制作会社への転職を
無事に果たしたのである。

まずは転職1回目のお話。
こののち、転職はなんと13回繰り返されるのである。




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