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命を大切に扱うために始めた鹿肉ジャーキーが、大切なペットとの時間を豊かにする/島田 暢さんインタビュー

4/23(土)新・朝市についてはこちら

こんにちは!新・夜市朝市編集スタッフの小玉です。
今回の新・夜市朝市出店者インタビューは島田 暢さんです。

宮城県石巻市の牡鹿半島にある限界集落、蛤浜で、猟師として鹿肉の捕獲をしている島田さん。害獣としてほとんどが処分されている鹿肉を大切に活用し、家族の一員であるペットとの豊かな暮らしに寄り添う鹿肉ジャーキーを作っていらっしゃいます。鹿肉ジャーキーの魅力と、島田さんご自身について詳しく伺いました。

島田 暢さん

島田さんのプロフィールを教えてください

私は鹿児島県の種子島出身で、以前は種子島の農業法人に勤めていました。東日本大震災の発生後、震災ボランティアとして石巻に来て、約1年間ボランティア活動をしていたんです。大型重機の運転免許も持っているため、その資格と経験を活かせないかと。震災から1ヶ月ほどで種子島に帰る予定だったのですが、がれきの撤去作業をやっていたこともあり、貯金を切り崩しながら長く続けました。元々ボランティアとかやったことはなかったんですけど、やらないといけない、という正義感でやっていましたね。
その後ETIC.の右腕派遣プロジェクトで、牡鹿半島の蛤浜という場所を拠点に、限界集落を再生する活動を始めました。環境活動や交流人口を増やすためのカフェ事業を行っていたんです。プロジェクトの1つで、蛤浜の山にまつわる社会課題の解決も進めていました。

なぜ山に注目したんですか?

震災で発生した土砂災害の解決策として林業を始めたところ、獣害被害について知りました。牡鹿半島は人より鹿が多いと予測されており、実際に獣害被害が絶えない場所なんです。捕獲した鹿をそのまま捨てている状況に疑問を感じ、命を余すことなく活用したいと強く思うようになり、レーザークラフトにしたり、食肉にしたりして命をいただいています。

今回出店する商品について詳しく教えてください

人が食べることのできる品質で作られたペット用の鹿肉ジャーキーです。ペットフードって雑貨扱いなので、何が入っているかわからないものを食べさせたくない、口にする物の品質を気にしたいという飼い主さんの声をよく聞いていました。周囲からの声を受け、添加物一切不使用の鹿肉ジャーキーを作り始めたんです。
このジャーキーは鹿の捕獲から解体、製造、出荷までの生産にかかわる工程を全て1人で担っている、日本でも数少ないの商品なんです。一人で6次産業※をしているんですよ。そうすることで、どこの素材を使用しているのか、どこで作られているかが検索できるし知ることができます。実はこの鹿の加工施設も自分の手で作りました。このジャーキーを買われる方が安心できることが強みだと思います。
※6次産業:生産者(1次産業者)が加工(2次産業)と流通・販売(3次産業)も行っていること

添加物一切不使用 鹿肉ジャーキー

全て1人で、となるとかなり大変かと思いますが、なぜ1人で作られているのでしょうか?

自分の手の届く範囲内でやりたいという気持ちが強いからです。実際に手に取ってくださる方と近い距離でいたいんですよね。お客さんから、「このジャーキーをあげるとペットがいつもより喜んでる」と言った声をいただいたりすると、自分のやる気にもなるし、手をかけて作った分喜びもひとしおで。鹿肉を捕獲して卸すことをしたいわけではなく、生活者(消費者)のそばに寄り添いたいと思っています。

今、日本の林業にはどんな課題があるんでしょうか?

ウッドショックで木材が高騰しているのですが、日本の森林は長年放置されてきて、結局のところ売れる木材が少なく、国産材を販売する波に乗れていないという問題があります。日本の国土の3/4は森林なのに、もったいないなぁって。それに、日本の森林って多くが杉の木ですよね。私は日本の森林に多様性を持たせたいと思っていて、木の苗を植える活動も行っているんです。特にウリハダカエデの葉は鹿か好んで食べないので、将来的にメープルシロップも採取できる実りの多い山にもできるのではないかと思っています。今後もこういった日本の森林にある課題の解決につながることをしていきたいですね。

出店されるジャーキーを通して、提案したい価値や暮らしは何ですか?

ペットとの関係性に更なる豊かさを添えられたら、と思っています。食べることと、共に長く暮らすことって切り離せないものですよね。このジャーキーが特別な日のご褒美になって、大切なペットとの生活に豊かさをプラスしていきたいです。

島田さんの将来の理想も教えてください!

10年15年かけて自然環境や食に関して関心のある猟師を増やしてお互い切磋琢磨していきたいです。
今はその間口を広げるために、捕獲頭数や収入など数字で結果を出しつつ、アーティストへの素材提供や就労支援施設へのアプローチなど色々なことに挑戦しています。

ありがとうございました!

インタビュアーあとがき

島田さんが穏やかで優しい空気をまとい、消費者に寄り添った目線を持っているからこそ、ペットとの豊かな時間を提供する鹿肉ジャーキーが生まれたのだと感じました。山と真摯に向き合い、様々な活動を行う島田さんの今後の活躍が楽しみです。


島田さんは4/23開催の『新・夜市朝市』に出店します。皆さんも直接島田さんに想いを聞いてみませんか。


新・夜市朝市とは?

新・夜市朝市は、作り手から商品の誕生秘話や込めた想いを直接聞き、
気になった点は質問できるオンラインマーケット。

普段とは少し異なる購買を体感することで、買い物上手への第一歩になるはずです。

参加費無料・オンライン開催(Zoom)
次回は 2022/ 4 / 23(土)9:00より開催!

入場(無料)のお申し込みはこちら
新・夜市朝市について詳しくはこちら


URL:https://dallfreelife.handcrafted.jp
新・朝市での販売商品:添加物一切不使用 鹿肉ジャーキー
Instagram:https://www.instagram.com/creartive_hunter/?hl=ja
twitter:https://twitter.com/bricoleur_1006

<NPO法人ETIC.とは>
ETIC.は、社会の未来をつくる⼈を育むNPO法⼈です。1993年の創業以来、私たちの⼿がける実践型インターン シップ や起業⽀援プログラムへの参加を通して、1600⼈以上が起業しました。これからも企業・⾏政・NPOといった多様なセクターを巻き込みながら、挑戦したい⼈を⽀える仕組みづくりを続けていきます。

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