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切られ者の小唄

今日は、ずいぶん前の記事の、補足記事をアップさせてもらった。

最近、よく記事を読んでくださり、律儀にイイネまでつけてくださっている方が、その記事の「リンクが切れていて読めません」という、なんとも有難いご指摘のコメントを寄せてくださったのだ。

まずは、リンク切れになっていた当該記事「非・日本人的な〈議論〉の実践: Amazon「6月問題」をめぐって」と、その補足記事「リンク切れ「論争ログ」の再録」のリンクを張っておこう。

で、「リンク切れ」のご指摘をいただき、「どれどれ、どんなことを書いたんだっけかな?」などと思いながら、頭から読み返していったところ、いつまで経っても肝心の「リンク箇所」に到達できない。

日頃のレビューでも、私はしばしば「前説が長くなってしまったが」などと書くのだが、この記事は、本当に肝心の「論争」記事へのリンクへ至るまでの、言うなれば「前説」が、やたらに長かった。

これはたぶん、こんな論争を読まされたら、嫌な気分になる人も多いだろうからと、「いや、こういう粘り強い議論が必要なのだ。たとえそれが、最後は喧嘩みたいになったとしても、日本人は、そこまで徹底的にやれないところが弱点なんだ」ということを、あらかじめ読者に言い含めておこうと、そう考えたからに違いない。

しかし、長い。
読んでいて、自分でもいささかウンザリしてきて「よくもこんなものを読む人がいるなあ」と、逆に感心させられてしまった。
だがまた、だからこそ、リンクの手前まできっちりと読んでくれ、さらにそのリンク先を「読みたい」と言ってくれたことに、私は書き手冥利に尽きるありがたさを感じ、「他に読む人なんて、この世に10人もいないんじゃないか」などと思いつつも、「読みたい」と言ってくれたその人のために、あの「リンク切れ「論争ログ」の再録」というページを作って、アップさせていただいたのである。

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ところがである、どうせ読んでくれるのはその人くらいだろうと思ってアップしてみると、最初の「通知」が、

『あなたのnoteリンク切れ「論争ログ」が、note「今、このnoterが…」に追加されました』

だったのである(!)。

記事の内容が内容だし、「ちゃんと読んでから、追加してくれたのかなあ?」と思いつつ、しばらくしてそのページをチェックしてみると、一一私の当該記事が無い…。

「やっぱり、タイトルだけを見て、面白そうだと追加したのはいいけど、中身を見て『これはヤバい!』と、あわてて削除したんだろうな」と、一抹の寂しさを覚えつつも、納得させられてしまった。

だから、その人を責めようとは思わないので、ここにリンクを張ることはしないが、証拠として画像だけはアップしておこうと思う。

(幻ではない)

ちなみに、そのページは「ユニークなノートの書き手を紹介する」という趣旨のコレクションページのようで、この記事には200を超えるイイねがついている。
たしかに、そんな「人気者」のためのページには、あっしのようなヤクザ者は似合わねえや、と、納得したのである。

だが、また「ところが」だ、そんなページ(「リンク切れ「論争ログ」の再録」)に、けっこう早々とイイねがつき始め、昨日の「ゴダール本」レビューより、ずいぶんそのペースが早かったものだから、それもまた「なんだかなあ…」という感じになってしまった。
まあ、たしかに「ゴダール本」レビューも、嫌な書き方はしているけれど、あっちはいちおう有名映画監督の本の書評なんだしと、どこか釈然としない想いにとらわれたのである。

もしかすると、一瞬とは言え、人気ページに紹介されたので、削除される前のそれを見て、中身も知らずにイイねを推したのかもしれないが…。
まあ、それにして、所詮そんな「にわか人気」など、すでに頭打ちになっているようではあるのだが。

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ともあれ、最後は無理やり「時事問題」に結びつけておく。

今年の新入社員は、まだ入社して1ヶ月も経っていないのに、あっさりと辞表を出す人が続出している、というニュースをやっていた。いかにも、今の若者らしいと感心する一方、いつまでも人材の「売り手市場」が続いて、転職も簡単だなんて思っていると偉い目に遭うから、「粘り気」も必要だよと言っておきたい。大きなお世話だろうが。

「期待したのとは違ったから辞めます」というのも間違いではないのだが、世の中には、そんなふうに簡単によそに行くわけにはいかないことだって、多々ある。
だから、嫌でもその場所に止まって、可能なかぎり、自分の望む環境に作り変えていかないことには、逃げ場なんてどこにもない、といったことも、当たり前にあるのだ。

「人がチヤホヤしてくれるのは若いうちだけだ」と、そん厳しい認識も持っておいた方が良いし、逆境に堪えて戦いぬく「根性」も、やはり必要な時はあるはずなのだ。

まあ「俺に手を出したら、火傷するぜ」ってとこまでやれとは言わないのだが。

(2024年4月23日)

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