生き延びるために、バナナの絵を枕の下に敷いていた話
俳人の池田澄子氏が、思春期に石川啄木の短歌に感動し「夢で逢えますように」と本を枕の下に入れて眠ったーーというなんとも微笑ましいエピソードがある。
良い初夢を見るために、回文の書かれた七福神の宝船の絵を枕に敷くなどという古いおまじないもあるように、どうやら枕の下には昔から人を惹きつけるなにかがあったのだろう。
ところで、私も枕の下に半強制的にあるものを敷いて寝なければならない状況に陥ったことがある。
幼い私が自分で描いた、拙いバナナの絵である。
小学校低学年ごろだったか、ス