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ロゴTシャツと和解した話
ロゴTシャツが着れない。
話は19歳、大学1年生の時に遡る。
ロゴの入ったTシャツについて何も考えることなく、
「なんかアルファベットが書いてあってオシャレ」ぐらいのファッションレベルで意気揚々とロゴTを着てサークルに向かった私に、先輩が言った。
「Tシャツに"ユニバーシティ・カレッジ"って書いてある!!!!」
原宿竹下通りで買ったんだからまあオシャレやろ、
と思っていた私のTシャツには、
円形の模様を取り囲むように上半分に”UNIVERSITY”、
下半分に”COLLEGE”と書かれていた。
直訳すれば、「大学・大学」である。
ロゴを読まれるという発想がなかった私はたちどころに恥ずかしくなり、それからサークルに行くときはユニバーシティ・カレッジTシャツを着ることはなかった。
そして、あらゆるロゴものの服を避けるようになった。
ブランドロゴですらも「ブランドを象徴するものだから恥ずかしい」という価値観にもとづきNGとなった。(バンドTシャツを除いては)
話はちょっと変わるが、先日オシャレマスクに対して拗らせている気持ちを記事にしたところ、
心が軽くなり積極的にオシャレマスクを店で探すようになった。
40近くになっても人は変われるのだ。
そこでロゴTである。
そろそろロゴTを着てもいいんじゃないか、と思えたのだ。
私が辿り着いたのはECサイト『北欧、暮らしの道具店』で取り扱っている
『「夏の大人に、アクセント」なめらか素材のロゴTシャツ』という長い商品名のそれであった。
まず最大のポイントとして、ロゴが英語ではなかったのだ。
“HORISONT”、スウェーデン語で水平線という意味だそうだ。
これなら安易に読まれることもないし、意味もかっこいいので聞かれても堂々と答えられる。
なぜってそりゃ、水平線はいつだってかっこいいからだよ。
そして色も良かった。チャコールグレーの生地にブラックでロゴが書いてあり、遠目から見たらあまり存在感がない。
これだ、と思い購入した。(PR記事ではありません)
早速着てみるとなめらかな記事が心地よく、ロゴも目立たない。
英語が少しできる夫が目をギュッと細めながら「ほり…そんと?」と言っていたので、ロゴ読み星人もクリアである。おめでとう!
突拍子もないロゴにチャレンジする勇気はないが、たまにはこういうのもいいんじゃないかと思えた。
ロゴTとの和解である。
余談になるが、先に「バンドTシャツのロゴは除く」と書いた。
私はあるバンドのギターボーカル手書きのフォントで
「君に存在価値はあるのか」と
「美味しいお蕎麦屋さん見つけたから今度行こう」
と縦に日本語で書いてあるTシャツなら所持している。
これをさりげなく着こなすことができたら、それは真のロゴTとの和解になるのかもしれない。
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