ねむ子

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誰のタメにもならないつぶやき発信ステーション/ アラサーの乗り遅れブログ/ネコのこと/好きなモノ/素朴な疑問/感じたこと思ったこと/短編小説/fav:窪美澄.朝井リョウ.三秋縋.綾崎隼.ハライチのターン.DCガレージ.ソラニン.点と線クリエイティブセンター.ホラー.怪談etc…

最近の記事

猫が隣で寝ているうちは

猫が隣で寝ているうちは、私は生きていられるだろう。 この世界は、うまくいかないことの繰り返しだ。 どんなに愛した人でも、ある日突然いなくなったりするし、 どんなに大切にした人にも、棘のような言葉を吐く。 ままならないことの繰り返しだ。 この涙を止めることも、私には出来るのに。 全部忘れて、笑うことだって出来るのに。 大事にしていたものがこの手からこぼれ落ちる時、 ほんの少しだけ安渡する自分がいる。 これから先起こりうる悲しみも同時に手放すからだ。 言葉にして残すこと

    • 全部「ご時世」のせいにするか。

      私の中のネガティブが「私ごときの」「私ごときが」と囁いてくる今日この頃。それでいて自己愛は強いのが厄介。 「私は私のことが好き」なのに、1歩外に出た時「他人は私の事なんて…」と小さくなってしまう。 こんなにも私は私のことが大好きなのに。 内弁慶とはよく言ったものだ。 そんな私が定期的に更新を楽しみにしているコンテンツ、 SNSなりnoteなり配信なり色々あるけれど、その中には私と同じように「私ごときが」と思っている人がいる。 フォロワーの数でその人の感性の善し悪しが決ま

      • 思い出をハンガーにかけて

        私の部屋のクローゼットには、 一着だけ袖の通した事のない服が掛けてある。 これから先も着ることのないそれは、 私ではない誰かの匂いがする。 この服の持ち主が私の前から消えた時、 それから何年も経った今でも、 私はそれを捨てられないでいる。 その服は、一生私のものにはならない。 この服の持ち主も、一生私のものにはならない。 とはいえ、 あなたをもう一度私のものにしたいと思ったことはない。 何処か私とは別の世界で幸せになってくれたらいいと思う。   この服を私の部屋に置いて

        • 好きな人の本を読みながら、私は昔好きだった人のことを考えている。

          過去に付き合ったことのある、いわゆる元カレや元カノという存在は少なくとも一定期間の間、私やあなたの理解者だった。共通の趣味や、共通の話題があり気づけば口癖が似ていたり、相手から受ける影響が少なからずあっただろう。 だから、こんなことはあって然るべきなのだ。 インスタグラムで過去に交際していた男性のストーリーに綴られた日常の些細な出来事に、文章の秀逸さを感じてしまったり、「この言い回し好きだな。」と不本意にも思ってしまうのだって別段、特別でもなんでもない。 そんなところも

        猫が隣で寝ているうちは

          短編小説「forget」

          普通の人間がこのどうしようもない世界で生きていくためには、たくさんの感情を捨てなければならない。 誰かを愛すること、誰かに愛されること。 傷つかないために、傷つけないために。 いくつもの諦めや後悔や、悲しみの中で私たち人間は手放していく。もう二度と同じ事を繰り返さないようにと、大切な何かを手放していく。 ーそうして出来上がった人間が住む場所がここだ。 私はこの場所がとても嫌いだ。誰も笑うことも、泣くことも無い場所。唯一あるのは上辺の優しさだけ。それに虚しさを感じること

          短編小説「forget」

          「なんとなく」嫌いな人

          なんか嫌な気がする。 顔がキモイ声がキモイ。 話し方が、立ち振る舞いが、 なんか生理的に受け付けない。 そんなことするような人には……まあ見えるね。 人殺しそうだし、ああほんと無理。 あ、いや。なにかされた訳じゃないけどね。 本当に人を殺したかって? そんなの知らないし興味無い。 人殺してそうな顔してる奴が悪いじゃん? もしインタビュー受けたらそう答えよっかな。 だってウケんじゃん? あの子が嫌いって言ってた。 推しの嫌いは私の嫌い。 友達の嫌いは私の

          「なんとなく」嫌いな人

          他人への期待

          ある人は言う「勝手に他人に期待するから、勝手に裏切られた気になって悲しむのだ。だから初めから他人に期待してはいけないんだよ。」 だけどわたしはそれを、まだ消化出来ていない。 他人に期待するとは 例えばわたしが職場で誰かに「おはよう」と声をかけたとする、わたしは当たり前にその人から「おはよう」とかえってくることを期待する。 だが、その人は「…っす」と答えたとしよう。 わたしは「なぜ挨拶もまともにできないんだこの人は。嫌な気分だわ!」と若干の苛立ちをおぼえてしまう。 これ

          他人への期待

          噂ちゃんの冒険

          “噂は一人で歩いていく。“ レベル1初期装備の「噂ちゃん」は、歩いて歩いてたくさんの人に出会い、どんどんレベルアップして行く。 「噂ちゃん」の手に握られていた木の棒は、今では大きな剣に変わり、甲冑を身にまとい周りの音がどんどん聞こえにくくなった。 そんな「噂ちゃん」は、歩いて歩いてわたしの元に帰ってきた。帰ってきた時、わたしの知っている「噂ちゃん」では無くなっていた。 歩き始めた「噂ちゃん」を必死で引き止めたあの時、少しだけ振り向いた気がしたけれど、「もう、どうでもい

          噂ちゃんの冒険

          短編小説「彼女の魔法」

          ー「実は私、昔、魔法使えたんですよね。 信じてくれますか?」 僕は彼女の事を何も知らなかった。 付き合って3年目、未だに敬語で話す彼女は謎の多い人だった。待ち合わせはいつも最寄り駅のコインランドリーの前。1度も遅刻したことの無い僕より先に彼女はいつもそこに立っていて、そして決まって同じ曲を聴いている。 「貴方に会う日のオープニング曲みたいなものです。」 と恥ずかしそうに笑う彼女は、僕に気づくとイヤホンを外して手を振る。今日もいつもと同じ、人前

          短編小説「彼女の魔法」

          深夜に体験した恐怖

          ※実際わたしに起きた話です。 昨晩、「ギャーッギャーッギャーッギャーッ」という音で目が覚めた。時計を見る。深夜の1時38分だった。それは外からしているようだった。わたしの家は道路に面してたっているが、恐らくその道路を通り過ぎて行くように音は遠ざかって行った。 その音は、人間の叫び声のようでもあったし、猫や鳥の鳴き声にも聴こえた。それにしても凄い音量ではあった。しんと静まり返った街に響き渡り、目が覚めるほどである。その音は息継ぎの暇もなく「ギャーッギャーッギャ

          深夜に体験した恐怖

          「わたしは今、幸せか?」

          昨夜わたしは、約2時間程の残業を終えて帰宅した。制服を洗濯機に投げ入れ、ストーブをつける。 冷凍庫のご飯をレンジで温めながら、冷蔵庫から納豆を取り出した。3個パックのビニールを早々に捨ててしまい、賞味期限が定かではなかったが、納豆だしな…などとボーッと考えていたら、レンジが温め終わりを知らせるピピピッという機械的な音が鳴り、ふっと我に帰る。一食分がラップに包まれたご飯は持てない程熱くなっていてわたしは思わず「あつっ」と、それをキッチンカウンターに放った。 YouTubeで動

          「わたしは今、幸せか?」

          うちのねこ「スズ」

          わたしが初めて猫を飼うきっかけになった猫。 2018年、我が家にやってきた。 齢5歳にして最強で最高を更新し続けている。 わたしか務める動物病院にとても可愛らしいお姉さんが猫を連れてやってきた。 「お庭で餌をあげている子なんですが、飲食店をやっておりまして家の中で飼ってあげることができないんです。でも避妊手術だけはしてあげないと増えちゃうと思いまして…」 ああ!ええ!! なんて可愛いお姉さんなんだろう!!! わたしの頭はそれでいっぱいだった。 翌日に避妊手術の予約を入

          うちのねこ「スズ」

          小賢しいんだよ、お前。

          何年も前に、付き合っていた人と別れる時 「小賢しいんだよ、お前。」 と言われたことを何年経っても覚えている。 おそらく思い当たることが多すぎて言い返せなかったからだ。 きっと彼はそんなことすっかり忘れているだろうけど、(忘れていて欲しい)わたしはずっと気にして生きている。 あの頃のわたしは相手を貶めて被害者ぶったり、己の過ちを認められず悲劇のヒロインでいたがっていた。 刺激のない優しいゆりかごのような恋愛が、どんなに幸せな事か知らなかった。嫉妬させて傷付けてみたり、急

          小賢しいんだよ、お前。

          短編小説「僕のたったひとつの世界」

          ※下記に朗読動画あります。 ある朝 、僕はふかふかのベッドの上でふと思い出した。彼女に拾われた日のことを、それまでの僕の人生を。 まだ小さかった僕は、道路を渡るのも精一杯だった。「かあさん、かあさん…」そうやって手足を一生懸命動かして、母の背中を追いかけている。沢山いたはずの妹や弟が 、気づけば居なくなっていた。今晩食べる食事さえ 、見つけられない日もあった。 「つかれた…少しだけ…眠ろう…」 そうして起きた時 母の姿はなかった。 僕はその時、なぜか絶望はしなかった

          短編小説「僕のたったひとつの世界」

          短編小説「観察日記」

          ※下記に朗読動画有り 【12月4日】 今日は外に出た。私の住んでいる街の緊急会議に参加するためである。深夜に収集のかかったそれは、聞くところによると人間が関わっているらしい。どうせいつもの事だ。これまでも、あの店の店主には近づくなとか、屋根の上を走る時は音を出すなとか、そういう連絡ばかりだろうと思っていた。 しかし参加してみると、皆ピリピリした様子でいつもと違う。なんでも、 『最近人間が外を歩いていない』 というのだ。私たちには人間の言葉は分からない。すなわち人間の

          短編小説「観察日記」

          短編小説「ラブレター」

          真夜中にふと思い立った私は、タンスの奥にしまいこんでいたレターセットを引っ張りだし、1枚の便箋を目の前に置いた。そして、約2日間ほどかけて4枚の便箋が馴染みのある字で埋まった。 これを「ラブレター」と言ってしまって良いのか、私には分からなかったが、相手が異性であること、そして確かにその中には私の気持ちが書かれていた。 他人から見れば、それは立派な「ラブレター」だったのだと思う。 文頭はこう、 「私はずっと前から、あなたにこれを渡したいと思っていました。」 と始まったそ

          短編小説「ラブレター」