レプトスピラ症について 宮古島のきわめて健康コラム
レプトスピラ症が、西表島で4人発症しました。
ネズミやマングースなどが持つ細菌で、汚染された土や水に触れることで感染し、3日から2週間程度の潜伏期間を経たあと、高熱や頭痛、筋肉痛などの症状が出るほか、重症化すると腎機能障害などで死に至るリスクもあります。
レプトスピラ症は、レプトスピラという細菌によって引き起こされる感染症です。
この病気は、ネズミや野生動物が感染源となり、人間に感染することがあります。
主な症状には高熱、筋肉痛、頭痛、吐き気、黄疸などがあります。
早期に診断と治療が重要で、抗生物質が一般的に使用されます。
感染を予防するためには、野外での活動時に適切な予防策を取ることが大切です。
ワクチンも一部の国で利用可能で、特定のリスク群に推奨されています。
レプトスピラ症は放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早めの医療ケアが不可欠です。
高熱: 発熱が急激に現れ、38℃以上の体温が続くことがあります。
筋肉痛: 特に大腿部や腓腹部の筋肉が痛むことがよくあります。
頭痛: 中等度から重度の頭痛が現れ、持続的な不快感を引き起こします。
吐き気と嘔吐: 食欲不振、吐き気、嘔吐があります。
腹痛: 腹部不快感や痛みが起こることがあります。
黄疸: 皮膚や白目が黄色く変色することがあり、肝機能の障害を示すことがあります。
全身の倦怠感: 体力の急激な低下や全身のだるさがみられます。
〇治療方法は?
レプトスピラ症は急性に症状が悪化してしまう病気のため、疑った段階で抗生剤による治療を開始します。また、急性腎不全や肝不全、症状に伴う全身状態の悪化に対して点滴治療などで改善を図っていきます。
しかし、レプトスピラ症は適切な治療を行ったとしても死亡率の高い病気です。そのため、レプトスピラに感染しないための予防が重要といえます。
ペットへの感染について
公園やドッグランなどで犬同士の交流があり、その交流の際に飼い犬が感染している可能性も考えられています。
病原性レプトスピラは尿と共に排菌されるため、犬はレプトスピラを含む尿や土壌、水と接触することで経皮的、経粘膜的に感染します。
レプトスピラの保菌動物として重要な役割を果たしているのがネズミ等のげっ歯類とされ、届出が散発的に続く原因に都市部のドブネズミの生息率が高いことが考えられています。
台風や洪水によるもの
海外では、洪水後にレプトスピラ症の大発生が起きており、国内でも台風の通過とそれに伴う洪水の後に人でのレプトスピラ症患者が発生しています。
台風通過後や洪水が起きた後、汚染されている可能性のある水や土壌と接触する場合には、注意が必要です。
犬のレプトスピラ症の治療法
レプトスピラ症の治療は、感染犬に対する抗菌薬治療とともに、腎不全への対症療法を行う必要があります。
犬のレプトスピラ症の予防法
ワクチンは、血清型が同じものであれば発症または重症化の予防として有効な手段であり、さらに、感染犬から人や同居犬への伝播を予防することも期待できます。
発生地域では、公園やドッグランでの犬同士の交流、台風通過後や洪水後の汚染水や汚染された土壌との接触にも注意することが予防となります。
治療時の注意事項
治療中は同居感染を防ぐため、特に妊娠中の人や免疫不全の人は感染犬との濃厚接触を避ける
感染犬の排尿は消毒可能な場所で行う
高温多湿な場所を避け、水田や下水などへ排尿しないように注意する
感染犬の尿や血液が付着するものはゴム手袋などを用いて直接触れないようにして、作業後は消毒や洗浄を行う
One Point レプトスピラは熱や乾燥、酸に弱いため「次亜塩素酸ナトリウム溶液」や「ヨード剤」「逆性石鹸」などで消毒することができます。
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