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日本がデフレ脱却できない理由

30年続いている日本のデフレの原因は何んであるのか?
日銀の量的緩和でもデフレ脱却が進まないから、これは間違いだと主張する人、財政出動すればいいという主張。
量的緩和でマネーが供給されても、銀行に滞留するだけで市場にお金が回らないのが実情です。


誰も借金などしたくない日本社会


大企業は冬に備える蟻の如く貯蓄に励んでおり、そもそも借入をしたがっていません。
起業家は皆無に等しくなり、企業の数は3割近く減少してしまいました。
要するに、大企業も個人も中小零細企業も借金をしたくないんですよ。
また、金融機関も業績の良好な企業にしか融資はしません。
見る目が無いから、融資審査そのものが幼稚で融通がきかない、意味がないものになっています。
他方、キャリア官僚は倒産リスクゼロの行政に勤務し、民間よりも給与待遇が遥かに良く、局長まで我慢していればあとは生涯天下りが保証されます。
こんなのを見せつけられてきたのだから、誰だって努力などしないで就業先にしがみついていれば、それが最善だということになってしまう。
大企業経営者は、無理はしない。
借入をして投資すれば、失敗したら辞任になければならない。
会社を成長させたり、守ったりするより、自分の立場を守れば後はどうなっても構わない。
さらに、日本はいつしか人を信用しなくなってしまった。
だからエンジェルがいない。
懸命に起業しようという若者のスポンサーになってあげようという人は皆無です。
たまに、資金を投資しますという人がいると、そういうスポンサーを知っている人だけで抱え込んで旨い汁を吸おうという人ばかり。


日本の権威主義の弊害


例えば米国を見てください。
テクノクラシーで経営者や参謀はテクノクラートや実務家スペシャリストを起用して素早く対応してゆきます。
日本は権威主義だかれ、東大出身だとか、官僚出身だとか、家柄だとかで判断されてしまいます。
大企業の中でプロパーで出世する人は、誰にも好かれる無難な人です。
だから、サラリーマン経営者は無難な事しかしません。
それが大企業人事です。

何処かの銀行がATMトラブルを何度も起こしています。
その度に経営者が会見すると
「原因はよくわからない」という内容を繰り返しています。
今は銀行はコンピュータの基幹事業です。
テクノクラートが銀行の役員に一人もいないのです。
銀行はどこでも技術者は○○情報システムと子会社にしてしまっています。
役員は官僚の天下りや、プロパーならみんなに好かれる無難な人でしょう。

こんな状態で、若者が借金して会社を興せ!
経営者は借金して設備投資しろ!
こんな事いっても誰も振り向きもしないんですよ。

バブル崩壊直後の体質が大企業と金融機関を覆い尽くしたまま成長していないんです。
民間が大人しくなればなるほど、官僚の権威主義が増徴します。

日本は官僚資本主義の末期状態であるということ。

権威主義のあり方に間違いがある
権威主義が悪いわけではない。
ただ、上から下まで権威主義一辺倒だからビジネスマンは努力しても仕方がなくなっている。
ただ、職場の規則を守って、無難にしていればいい。
だから、大企業では仕事をしないで労働者になっている。


休日の多さは中小企業にシワ寄せが来る


土日祭日110日、一年の三分の一が休みです。
これに有給休暇や、いろいろな休みがある。
要するに時間労働はしても仕事なんてしていないんですよ。
中小零細企業では休みが多すぎることが負担になっています。
労働環境を良くしようと頑張っておられる方々は肝心な事を見失っています。

労働者環境改善が間違っている。

労働者の待遇を良くしようと努力されている団体、政治家、組合などがあります。

①最低賃金を上げる 
②非正規雇用に社会保険を完備する

これだけで、随分労働者環境を良くしたことになるんでしょう。
でも、非正規雇用はアルバイトです。
もし、病気で休んだから収入は無くなります。

昔のアルバイトは拘束時間に時給をしていたんですが、今は休憩時間は差し引くわけです。
労働環境は良くなっていますか?
非正規雇用はアルバイト、失業にカウントすべきではないでしょうか?

非正規雇用は特定業種と大企業しか扱わない

バブル崩壊後、大企業はリストラを断行するのに多くの負担をしました。
そうした中で非正規雇用、派遣社員が拡大しました。
中小企業にとっては派遣社員を採用すると派遣会社がピンハネしているので高いコスト負担になるので、社員採用で問題ないんです。
大企業は長期的に見てリストラする場合に高額な退職金などが不要で、すぐいにカットできる人件費です。
要するに非正規雇用は大企業のリストラ用にぴったり当て嵌まって成長してきました。
その他、訓練や資格化された警備や、限定的な時間労働の清掃といった仕事は非正規雇用の定番で、年金だけでは生活できない高齢者の職場と化しています。
逆に、正社員より月給与が高い技術を有するシステムエンジニアは派遣を好んでいる人も多数います。

30年物価は上昇しないけれど住宅だけ上昇した

今まで説明した要因以外に、日本は30年物価も賃金も上昇しませんでしたが、住宅価格だけは上昇してきました。

新卒者の給与が手取りで20万円で首都圏に来たとします。
給与         20万
ワンルームマンション 10万
スマホ        2万円
こんな感じで、消費なんてできるわけがない。
こうした若者たちが数年して結婚したら子供が欲しくても二人は無理なんです。

こういった背景を完全に無視して、マクロ経済論を論じても時代錯誤としか言いようがないわけです。

現実を見ている専門家は日本に皆無です。
だから、永遠にデフレと少子化が進んで行きます。



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