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「ココア始めました」

ん?茶色い粉が落ちてる……

・・・
てんてんてん。

何かしらこれ?

これはもしや
まぁたあのふたりだなぁ~!

今度は一体何をするのやら…

***


「ねぇねぇ、こんな感じでいいかなぁ?」
「うんうん、いんじゃない!」

どこからともなく甘い香りが漂ってきます。
あらあら、おふたりさんは一体
何をしているのでしょうか?

「よし、できた~!」
「これでやっとお店を始められるね!」
「じゃあ早速…開店だ~!」


そしてふたりは待っていました…

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「ねぇねぇ?みんな、来てくれるかなぁ?」
「大丈夫だよ。だって、ちゃーんと看板出しておいたもん!」
「そうだね!あとは待つしかないね!」

ざわざわざわ…ざわざわざわ…

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「あ!ココア始めたんだって!」「え?どこどこ?」
「あ、ほんとだ!」「行きたい行きたい~」
「場所はどこかなぁ」「この先って書いてあるよ!」
「行こう行こう!」「みんなで一緒に行ってみよ~」

………

「あ!お客さんが来てくれたよっ!」
「本当だ!やった~!よし、早速ご案内しなきゃね~♪」

「こちらどうぞ~!ココア始めました~!」


ぞろぞろぞろ…
マシマロさんたちがみんなココアの方へ一斉に向かっていきます。

そうなのです。
ふたりは「ココア風呂」を始めたのです!

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「慌てないで押さないで~」
「大丈夫ですよ~ココアは逃げませんから~」
「ゆっくり浸かってくださいね~」

ふたりはマシマロさんたちをゆっくりと誘導します。

しかし思いのほかマシマロさんたちに大人気のココア風呂。
すぐにいっぱいになってしまいました。

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「これは時間を区切らないと厳しいなぁ…」

そう言ってふたりは一人一人に声をかけ、お願いをし始めました。

「有難いことに、ココア風呂は大盛況となっております!
しかしみなさんに安全に入っていただく為、これからは少し
時間を区切ってご案内させていただきます!」

マシマロさんたちは一言も文句を言わずに静かに頷きます。
そう。マシマロさんたちはみなさん
とっても理解のある優しい方たちなのです。

その後マシマロさんたちはみんなきちんとルールを守り
慌てず騒がず安全に
ココア風呂を楽しんでくれたのでした。

マシマロさんたちはみんな体がぽっかぽかです。
「いい湯だったなぁ~」「気持ちよかったね」
「もう眠くなってきたよぉ」「あとはもう寝るだけだ~」

マシマロさんたちは「いい顔」で帰っていきました。
それを見ていたふたりは顔を見合わせにっこり。
大大大満足です!

そしてマシマロさんたちを見送ったふたりは
お風呂のお掃除やお片付けをしました。

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あらあら、相棒さんは少しココア色に染まっちゃってますね。
それをねじりさんが優しく拭いてあげています。

「よーし、明日もまたココア風呂頑張るぞ~!」

ふたりはいい香りに包まれながら
そう決心するのでした。

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***


あ、また茶色い粉が落ちてる…
あらら、あっちにも。こっちにも。

一体これは何なのかしら?

ん?いい香りがするぞ。
これってもしかして…

寝ているふたりのお部屋からは
とっても甘い、いい香りがします。
さっきの茶色い粉の香りと一緒です。

「ココア始めました~!…むにゃむにゃ…」

そっか!なるほどね〜。

ふたりのお部屋を後にした私は
中身が減っているココア缶に
そっと、ココアを補充するのでした。

「どうぞめしあがれ~」


……あ、そうだ。
ココアのカップもあともう少しだけ
汚れ、落とさなきゃなぁ…


《おしまい》


***


最後まで読んでいただきありがとうございました!

今回は「ココア風呂」のお話でした。

これはもともと書こうと考えていたわけではなく
月さん(月山六太さん)の書いたこちらの物語を読んだのが
きっかけでした。↓

この中に「ココア&マシマロ」が出てくるのですが
ねじり、実はこれをセットで飲んだことがないんですよねぇ。
まぁお洒落な飲み物には基本縁がないという…(笑)
でもすごく美味しそうだなぁ~と思って
描いてみることにしました!(そこは飲むんじゃないんかいっ)

そして、実はこの月さんの物語にはもう一つお楽しみがありまして…
なんとなんと、「北風ココア」に出てくるマスターの日常を綴った
別のお話もあるんです~♪
私はこのマスターが大好きなのですが
こちらのマスターのお話もとーっても面白いんです!

皆さんも不思議な魅力のあるマスターを
ぜひ「味わって」みてはいかがでしょうか?

月さん、この度は素敵なきっかけをくださり
本当にありがとうございました~。


ではまた。





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