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物語の続きを書いてみた。

今回、小牧幸助さんの作品「怪獣の雨宿り」の続きを
私ねじりが、大切に大切に書かせていただきました。
もう少しわかりやすく言うと、小牧さんの物語の続きを
ねじりがオリジナルで考えて書いてみた、ということでございます。

まずはこちらの小牧さんの作品を読んでいただき、そのあと
今回書かせていただいた「続き」を楽しんでいただければと
思っております。
既に読んでいる方は、このまま続きをどうぞ。

ではここからは「怪獣の雨宿り」の「続き」の始まりです。
どうぞ読んでやってください。
どうぞ、よろしくお願い致します。

***

怪獣さんは雨を待っていた。
そうしたらまたみんなが頼ってくれるかもしれない。
また自分の下へ来て、雨宿りをしてくれるかもしれない。
そう思ったからです。
でも雨が降らないと、誰も自分の所へは来てはくれない…
そんなことはもう何度も経験してわかっていることでした。

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「はぁ…雨は降ってほしくないけど、降ってもほしい。うーん、淋しいなぁ。もっとみんなと仲良くしたいのに。どうして僕にはそれが難しいのかな…」
怪獣さんはため息をつきました。
すると頭にポツッと何かを感じました。
「あ、また雨だ…」
そのまま雨はまた、ザーッと降り始めました。
でももう誰も怪獣さんの所へは寄ってきません。
さっき雨が止んだ時、みんな急いで帰ってしまったからです。
ノラネコもハトもカラスも、もう誰もいません。
広場には怪獣さん一人だけです。
「雨が待ち遠しいなんて、前は思ったことなかったのにな…」
雨の中、怪獣さんはその場で腰を下ろしたままでいました。

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少したつと、雨はまた止みました。
誰も雨宿りに来なかったなぁ…と、怪獣さんはぼんやりと
しばらく空を見上げていました。
するとそこへある人が声をかけてきました。

「あの~、どうして濡れたままなんですか?大丈夫ですか?風邪ひいちゃいますよ。」
それはねじりさんと相棒さんでした。
ふたりは怪獣さんが雨に濡れたままだったのが気になりました。
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよ。僕はね、自分よりも大きいものがないから、雨が降っても雨宿りができないんだ。」
それを聞いたふたりは何やら話し合っています。
「そうだ。怪獣さん、ちょっとここで待ってて下さい。」
そう言うと、ふたりは急いでどこかへ行ってしまいました。
怪獣さんは、また一人ぼっちになってしまいました。
「あの子たちは一体どこへ行ったのだろう…」

しばらくすると、ふたりは戻ってきました。
「ごめんなさい遅くなって。用意に少し時間がかかってしまって。」
そしてにっこりと笑顔でこう言いました。
「はい、これどうぞ。」
ねじりさんが怪獣さんに何かを渡してきました。
怪獣さんは不思議な顔をしてそれを受け取りました。
(これは何だろう…?)

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それは何やら服のようなものでした。
広げてみると服ではなく、雨の絵が描かれた「カッパ」でした。
「え?カッパ…?」
「そうだよ~カッパ。雨宿りができないって聞いたから。これがあれば雨宿りができなくても大丈夫だよ~。」

怪獣さんはカッパをじっと見ていました。
怪獣さん、今までカッパなんてもらったことがありませんでした。
そもそも自分はあまりに大きくて、みんなから恐がられる存在です。
怪獣さんはずっと孤独でした。
そんな自分が、なんとプレゼントをもらったのです。
もう孤独じゃない、怪獣さんはそんな気がしました。
「ありがとう。早速着てみようかな。」
怪獣さんは少し照れながら、袖に腕を通しました。

「すごくよく似合ってるよ~。」
カッパを着た怪獣さんを見て、ふたりは大喜びです。
しかも自分たちも怪獣さんとお揃いの雨の絵が描かれたカッパを
用意していました。
「これで三人ともお揃いだよ~。」
三人は顔を見合わせにっこり笑いました。

そんな三人の所へ、先程去って行ったはずのネコやハトやカラスも
いつの間にか集まってきていました。
実は怪獣さんから去って行った後、本当はみんな怪獣さんのことが
気になっていたようなのです。
雨宿りをさせてもらったのに、何もお礼をしていない…と。
でも一人では恐くて、なかなか声がかけられなかったんだそうです。
だからみんなそれぞれ木や物陰に隠れて
ずっと怪獣さんを見ていたのでした。
そして三人が集まっておしゃべりしているのを見て
自分も勇気を出して歩み寄ってみようと、出てきてくれたのです。
みんな、本当はちゃんと心の中で思っていました。
怪獣さん、雨宿りさせてくれて、ありがとう、と。

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雨が嫌いだった怪獣さんは
雨宿りをしてもらえることで
雨が待ち遠しくなりましました。
そして今では雨の絵が描かれたお揃いのカッパを着て
みんなと仲良くなりました。
お友達も沢山できて
怪獣さんはもう孤独ではなくなりました。

そんな「続きの物語」でした。

おしまい。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

小牧さんの物語の続きをなぜ書くことになったかの経緯や
作者の方の大切な物語の続きを書くことの難しさや
そこから生まれた悩みや葛藤などについては
別の記事で説明しておりますので
もしよかったら読んでいただけると嬉しいです。

最後に、小牧幸助さん。
私ねじりに物語の続きを書くことを許してくださり
本当に本当にありがとうございました。

ではこれにて失礼させていただきます。


ではまた。






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