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140字小説【実話︰思い出に蓋はできない】

 娯楽が限られた小学校において、ときに牛乳瓶の蓋は立派な娯楽へと昇華する。
 当時子どもだった私も例に漏れず日々いろんなデザインの蓋を求め、そしてついにお気に入りと呼べる一枚を手に入れた。
 しかしクラスメートには蓋に印字された文字ばかり注目され、私のお気に入りは《殺菌》と呼ばれた。

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