Nazori −ナゾリ−🌟140字小説家
読めば読むほど、どんどんツボにハマってく!? 大体コメディ、その他もろもろのオールジャンル140字小説・全366作品を収録予定! 2024年も笑い、足りてる? ※無断転載は原則禁止です。台本等、二次利用をご検討の方は、事前にコメント等にてナゾリまでご連絡くださいませ。(盗作・盗用の疑い等、万が一のトラブル防止の為)。
これまでに公開してきた140字小説の中で《実話》と名のつくシリーズをまとめてみました。事実は小説よりも奇なり。 ※無断転載は原則禁止です。台本等、二次利用をご検討の方は、事前にコメント等にてナゾリまでご連絡くださいませ。(盗作・盗用の疑い等、万が一のトラブル防止の為)。
ナゾリプレゼンツ、略して【なぞぷれ】こと、140字リレー小説企画の作品を収録しています。全25話+裏バージョン。《参加クリエイター︰ナゾリ・歩行者b様・スズムラ様・中西篤様》
1話につき140字、全7話で完結する連続短編小説。これは地に足をつけられなくなった一人の人間が、暗雲の切れ間に光を見出していく物語――。 ※この物語はフィクションです。 ※無断転載は原則禁止です。台本等、二次利用をご検討の方は、事前にコメント等にてナゾリまでご連絡くださいませ。(盗作・盗用の疑い等、万が一のトラブル防止の為)。
皆さんに『好き』とコメントをお寄せいただけた、いわば皆さんのお気に入りに、私のお気に入りも少しだけ織り交ぜた140字小説の特集です。みんなで《オキニ》を増やしていきましょう。 ※無断転載は原則禁止です。台本等、二次利用をご検討の方は、事前にコメント等にてナゾリまでご連絡くださいませ。(盗作・盗用の疑い等、万が一のトラブル防止の為)。
とあるアイドルの楽屋にて。 「ヤバい、このままじゃ留年確定……」 「面白い人生だねぇ」 「面白くねぇわっ!」 「まぁまぁ、考えてみなよ。人生、一つでも傷跡ある方が武勇伝として語れるでしょ?」 「そりゃそうだけど……ちなみに留年したことあるの?」 「ないよ」 「傷跡作ってやるから殴らせろぉ!」
「ご飯できたよ〜」 「う〜ん、いい匂い。腹減ったし、早く食べよう」 「はいはい。じゃあ、いただきます」 「いただきます」 「どう? 美味しい?」 「うん、相変わらず美味しい」 「よかった。じゃあ私も……」 「美味しい?」 「うん、味付けバッチリ」 ※ちなみにまだ食事には一切手をつけておりません。
「今日はアナタに大事な小噺があるの」 「こばなし? 何?」 「ここでは言えない。だからちょっと、今から外に出ない?」 「さすがに今すぐには無理かな。また今度にしてもらえる?」 「お願い! 今しかできない小噺なの! どうしてもアナタに聞いてほしいの!!」 「何か無性に気になるな……その小噺」
お料理教室にて。 「はい、じゃあ今日は皆さんに《ぶり大根》を作っていただきます。まずは皆さんのお手元にあります大根を洗って、各々切ってください」 スパッ! 「おっ、伝家の宝刀で居合い切り! いいですね〜」 バキャッ! 「膝で割るのもアリですね〜」 ……私は包丁を置いて、そっと帰った。
「何か消防署の前に人だかりができてるね」 「ん? ああ、訓練か点検か……消防車のハシゴが上がってるだけか。何が珍しいんだかねぇ」 「とか言って二度見してる奴」 「いやいや、俺のは一瞬チラ見して、それから確認がてらもう一回見ただけで、別に他意は……」 「わかったから、一旦スマホしまいなよ」
「あのさ……」 「何?」 「いや、何でもない。忘れて」 「ああ、うん」 「あっ、待って! う〜ん、でも……」 「何なの? 気になるじゃん」 「あ〜っ、もうダメ! やっぱり我慢できないから言わせて!」 「お、おう! かかってこいや!」 「……ステーキの捨て液」 俺はツッコみたいのを必死に我慢した。
さーてーはーアイスクリーム。
「へいお待ちっ!」 「美味しそう!」 「そうだろう、そうだろう! 何せこの料理は開発に一年もかかった、いわば俺の血と汗と涙の結晶だからなぁ!」 「血と汗と涙……ですか……」 「どうした? 何か気になることでもあるのかい?」 「失礼ですが血抜きとか、もう少し下処理された方がよろしいかと……」
妻は先立ってもういない。だからこれ以上、生きていたくない……そう思ったとき、突然空から半透明の階段が伸びてきた。 百段か? いや、千段? この階段を登った先に、お前はいるというのか……? 待ってろ、今すぐ俺もそっちへ行く! ハァッ、ハァッ―― ――すまん、ジジイにはキツすぎた。
「そろそろ夕食の準備するけど、何か食べたいものはある?」 「さっきCM見たから、しいて言うなら酢豚の気分かな」 「いいけどアンタ、豚肉食べれたっけ?」 「豚肉は苦手だから、抜きで」 「タケノコは?」 「タケノコも苦手だから、抜きで」 「玉ねぎ……」 「それも抜きで」 「今日は酢ニンジンでいい?」
最近はなるべく12:00手前で新作140字小説を公開するようにしていますが、基本的には毎日【固定記事】にしております。また、過去の140字小説を読まれたい方はマガジンの方をチェックしてみてくださいませ。
定食屋にて…… 「お漬物食べないの?」 「うん、あんまり好きじゃなくって」 「じゃあ貰っていい?」 「いいよ」 「ありがとう。へへっ、こういう《人から貰う漬物》って好きなんだよね。だって残してるものを貰うんだし、奢ってもらうよりは罪悪感ないじゃん?」 「食べ物を残さない、という意味でもね」
「《天国》と《地獄》の違いって、何だと思う?」 「そうだな……《天国》は召される所で、《地獄》は飛ばされる所、かな?」 「なるほど、そう聞くとまるで人事と一緒だな。ちなみに今度、証人喚問で国会に召されるんだが、これは《天国》と捉えてもいいものか?」 「行っても行かなくても《地獄》だな」
「お菓子ばかり食べてないで、少しは勉強したらどう?」 「お姉ちゃんも食べてるじゃん」 「お姉ちゃんは勉強してるからいいの! まったく……お姉ちゃんの爪の垢を煎じて飲ませたいわ。あとお姉ちゃんもいつも言ってるけど、ちゃんと手は洗ったの?」 「お姉ちゃんより私の方が爪垢キレイな自信あるわ」
「自分の爪の見方で、その人がS(サディスト)かM(マゾヒスト)か分かるんだって。だからやってみてよ」 「こう?」 「へぇ〜、外側から……えっ、内側? ちょっと、何で見方をコロコロ変えるの?」 「そりゃいろんな角度から見るでしょ」 「分からないことしないでよ!」 「分からないのはこっちだよ」
「このオシャレな空瓶、何か入れないの?」 「そこには空気を詰めてるんです」 「空気? ああ、富士山とかの?」 「いえ、父の空気です」 「チチ?」 「父は私が生まれてすぐに蒸発したんです。蒸発したってことは、今も空気としてこの世のどこかを漂ってると思うので、それで――何で泣いてるんですか?」