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野生の熊との一番最初のニアミス体験

わたしは10年くらい前に北海道で野生の熊とニアミスしたことがあります。季節は秋。ちょうど鮭が産卵のために川を遡上していて、鮭を見に行った際に熊の親子とニアミスしました。

当日は雨。森に足を踏み入れると、道にはクマの糞。樹々には熊の爪あとが残り、絶対に熊がいるよね、という雰囲気。それでも普段、都会にいると鮭の遡上はめったにみれないので、勇気を出して森の奥に足を踏み入れていきました。

森の中の小さな川では鮭たちが遡上していて、すぐそばには、弱った鮭を狙う鳥たちが待ち構えている。まさに弱肉強食の世界。

それでも命がけで遡上する鮭の姿は美しい。そして川登りの最中に、命つきた鮭が次々と下流に流されていき、真っ先に、それを食べる鳥たちの群れ。

ふと、ぷーんと何かが匂う。たぶん、これは熊の匂い・・。熊の匂いは独特。野生のイノシシのくさい匂いとは、ちょっと違う。人間食べててもおかしくないよね?というくらい、野性味の強い体臭が熊の特徴。

ふと前方の木々のしげみから、フーフーという呼吸の音が聞こえる。大きな獣らしき呼吸音と、もうひとつは、小さな獣らしい音がする。

これはたぶん、熊の親子。大きなのは熊のお母さんで、小さい呼吸音が熊の子供かも?きっと冬眠前に栄養をつけるため、鮭を食べに川近くに降りてきたんだな。

どうしよう・・。なんだかドキドキする。

でもこちらを襲うつもりなら、最初から襲ってる。それをしていないということは、隠れてやり過ごすつもりかもしれない。

こういう時は気づかないふり。気づかいフリで熊が、潜んでいるらしい場所を何気なく通り過ぎる。

でもちょっと緊張した。ほんとうは怖かった・・。

わたしは熊がいない森よりも、熊がいる森のほうが好き。熊は森の生態系で一番上に立つ王者。熊が存在するということは、その森が豊かであるという証拠。逆に熊がいない森は、人間がつくりかえた自然であるということ。

森は好き。森を歩く時は都会にいる時と違って深呼吸できる。ただ無心に歩いていると。不思議と野生動物と出会う。動物もわたしを人間と思わないようで、逃げないことも多い。最近森に行っていないけど、また行きたい。







過去、訪れたところも書いています。どうぞよろしくお願いします。