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アレクサンドリア図書館にて

 アレクサンドリア

 古代の瞑想

 すでに焼き払われた場所

 だが想像の中では

 永遠に存在する

 私は古代の瞑想に

 誘われるように

 ここまで来た

 時の流れに集められた

 本たちは静かに

 私を待つ

 古びた本たちは

 自らの存在を

 語り継ぐ人々を

 静かに待つ

 本たちの間を

 通り過ぎる私

 その私の足元に

 一冊の本が

 落ちてくる

 まるで私を待っていたように

 つけていたように

 足元に落ちてきた本

 私は静かに取り上げる

 本は油のようなもので

 固く我が身を守っていた

 人肌の温もりさえ

 感じられそうな本

 その中には古代の人の

 感情が赤裸々に綴られている

「長い時ずっと君を待っていたんだ。死んでも本になれば本好きの君がここに来てくれるんじゃないかと思って」

 私はハッとしてあたりを見渡す。しかし誰もいない。この本ってまるでずっと私をつけ回していたストーカーが書いた文章みたいじゃない。と思っていたら、本がモゴモゴ動き出して活字が勝手に浮き出してきた。

「やっと逢えたね。もう離さないよ。君にとっておきの秘密を教えてあげるよ。実はこの図書館僕そのものなんだ。そして本は僕の……。フフ、これ以上恥ずかしい事言わさないでおくれ。とにかく君を離さないよ。永遠にこのアレクサンドリア図書館で愛し合うんだ!」

 私はなんとか脱出して近くの店からダイナマイトやガソリンを持って来た。そしてそれらを全部図書館に投げて叫んだ。

「こんなストーカー図書館なんか歴史の外に葬り去ってやる!地獄の業火に呪われてしまえ!」

 

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