解散ライブ

「今夜が俺たちタコスブラザーズのラストライブだ！最後まで盛り上がって行こうぜみんな！俺たちバンドを結成してからホントに色々あったよな！ありすぎてとてもじゃないけど語り尽くせないよ！まず高校時代にコイツらとたまたま同じクラスになったのが奇跡だったんだ！全員BUMPが好きだってわかって、じゃあ俺たちもバンドやろうぜって全員楽器も弾けねえのにスタジオ借りちャッてさぁ！今思えば無謀だったよな！ホントに若さしか……」
「俺ギター弾けたけど……」
「あん？弾けたってお前ブルーハーツのコピーも満足に出来なかったじゃねえか！それじゃ弾けたうちに入らねえんだよ！」
「いや……俺ギター上手いねってギターショップの人に褒められてフェンダー半額にしてもらったぐらいなんだけど……」
「それはお前が下手くそだけど下手くそなりに頑張ってる姿見て店員がお世辞言っただけだろ！大体お前ブルーハーツのコピー出来なかったじゃねえかよ！」
「それ、出来なかったんじゃなくてやりたくなかっただけだし……。この際ハッキリ言っとくけど俺BUMP別に好きじゃなかったしお前らと俺じゃレベル違いすぎだしこんな中学生以下のバンド早く辞めたかったし解散して嬉しいし俺海外でソロデビューするし10年以上付き合ってお前らクソすぎってホントわかったしお前ら絶対ソロじゃ成功しないと思ってるしお前らが金欠で苦しんでても俺助けないし……」
「テメエ！殺すぞ！」

「バカヤロー！お前ら最後までそれかよ！最後ぐらいまともに曲演奏しろよ！」