マガジンのカバー画像

短編

1,190
短編小説を集めました
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

演劇都市東京

 東京に来てから役三年。もうすぐ僕は就活を始めなければならなかった。周りのみんなはいち早…

23

転生ものを書きました。

 僕は学校のトイレで死んだ。うんこをしようと気張りすぎて心臓が止まってしまったのが原因だ…

27

残業

 残業だね。君はそうやって毎日頑張るけどたまにはゆっくりしていいんだよ。毎日家に帰ってす…

12

異種格闘技戦

赤コーナーに登場したのは文学の帝王ドストエフスキーだった。ドストエフスキーといえば今さら…

9

さおり

 まったくイヤなやつだった。過去の僕はゾッとするぐらいイヤなやつだった。当時の僕は女を性…

12

知り合いの知り合い

 先日京都に出張に行った時の話である。私は暇ができたのでとある料亭で食事をしようとしたの…

10

仕事くれ

 ロバート・グレイクは今日も職安にいた。彼は先ほどからパイプ椅子に座って、入るときにもらった整理番号が呼ばれるのをずっと待っていた。待っている間クレイグは事務所の中を見渡したが、その立て付けの古さとそこで働いている連中の姿を見て自分がなおさら惨めに思えて来た。職安の連中は自分よりも半分ぐらいの年に見えた。こんなガキに品定めされるなんて耐えられないと思った。しかし仕方がないのだ。もう家賃の支払いも滞り、とうとう電気代もガス代も払えないような状態になってしまった。  全く昔の自分

文学大王

 私の昔の知り合いに文学大王という人がいた。文学に関することならまずこの人に聞けと言われ…

18

涼しくなりました

 涼しくなったね。あなたは今何をしていますか?私は今寝る前に少しお酒を飲んでます。昔お酒…

18

文学的裏切り

 裏山ナボ子はその名前でわかるように作家ウラジミール・ナボコフの信者であった。ナボコフと…

32

名文ってなに?

 まぁ、時間がないのでざっくり簡潔にまとめます。人気のあるエッセイをいくつか読むと、やっ…

46

織姫と彦星

もう終わりだね。君が遠く見えるの歌通りの結末だった。毎年膨張してゆく宇宙はついに二人の間…

28

歯ぎしりロック

「大丈夫さ。オマエなら無事にやり遂げるさ」とスタッフやわざわざこのライブに駆けつけてくれ…

27

豊臣秀頼

 大阪城は家康の軍勢に完全に取り囲まれていた。豊臣軍はもはや敗北寸前で奇跡の到来を待つしかなかった。猛将真田幸村、毛利勝永はすでに倒れ、後は家康軍の総攻撃を待つのみとなった。豊臣秀頼とその母の淀殿はもはや敗北は必至と覚悟して死出の旅路の支度を整え始めた。その二人を見て家来は思わず涙した。この美熟女の母とイケメンの眩いばかりの親子。特に秀頼は光GENJIすら霞むほどの美丈夫でとてもあの毛だらけで全身真っ黒な猿の子供とは思えなかった。母の淀殿は立ち上がると秀頼にさあ一緒に来てたも