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父の孤独死から得たもの。

皆様、こんにちは! natty(なてぃ)です。


さっそくですが、今回は題名の通り、
わたしが父の孤独死に直面した時の状況や
当時の気持ち、
父の死から何を感じたか‥を
書いていこうと思います。

父が今生きていれば、
ちょうど今日で70歳を迎えていました。

これから先の人生を歩んでいく上で
父の死をどう受け入れて進んでいくか。

自分の気持ちの整理として残そうと思います。

あまり生々しい表現や写真は使用していませんが、
苦手な方はスルーしてくださいね。

■孤独死とは?

「孤独死」
一度は聞いたことがあるという方が多いと思います。

主に一人暮らしの人が誰にも看取られることなく
住居内などで生活中の突発的な病気等によって死亡することです。
(Wikipediaから抜粋)

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孤独死の人数は年間で約3万人
単純計算でも、1日に80人以上は孤独死で亡くなっている計算です。

悲しいことに、これが現実。。

■孤独死になるケース

◉原因が病気の場合
症状が重篤化しても助けを呼べず死亡に至ったり、
脳出血等の突発的な症状により、ほぼ即死で死亡に至る。

◉病気以外の場合

ガス元栓からのガス漏れ、練炭などの不始末による事故や
自殺により自宅敷地内で死亡に至る。

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リストラや離婚、家族の死などの出来事をきっかけに
アルコール依存症となり、
セルフネグレクトによって孤独に至るケースも少なくはないそうです。

◉セルフネグレクトとは?
自己放任という意味で、ゴミ屋敷や、医療の拒否、過度な不摂生などで生活環境や栄養状態が悪化しているのに、それを改善しようという気力を失い、周囲に助けを求めない状態を指します。自らを追い込むことから“緩やかな自殺”とも呼ばれています。

同居している家族や
二世帯住宅で住んでいる家族であっても、
普段からコミュニケーションが薄い場合は
発見が遅れるケースもあるとか。

一緒に住んでいるからといって
孤独死に直面しないとは限らない
んです。

■父が孤独死したときの状況

父は、わたしの母と離婚後、
再婚せずに一人で暮らしていました。
幸いにも父はセルフネグレクトではありませんでした。

死因は『脳出血』

いつもと変わらない日を過ごしていたときに
突然 脳の血管が切れ、自宅で倒れて亡くなりました。

検死をして下さった医師曰く、
顔面から床に強打して倒れ、その時はすでに即死状態。
痛みも感じずに息を引き取ったそう。

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父が息を引き取ったのは2018年の12月中旬頃。
遺体が発見されたのは年明けの2019年1月下旬。
父は定年退職後でした。

最初に不審に思ったのは
同じアパートの住民の方でした。

父は冬になると昔から、
住居の周りを
誰よりも丁寧に雪かきする人だったので

『いつも雪かきをしてくれているあの人、
そういえば最近見かけないなぁ。』
『昼も夜も部屋の電気が付いてる。』
『玄関の前にも異常なくらい雪が積もってる。』
『どうしたんだろう・・・。』
と、疑問に思い
住民の方が管理人に連絡して下さったことで、
事態が発覚します。

私は2018年8月に前職から転職し、
新しい職場と業務に
悪戦苦闘する日々を過ごしており
父に連絡できていない状況が続いていました。

■死体が見つかってから火葬までの流れ

先に簡潔にお伝えすると、
遺体発見事情聴取・現場検証警察にて司法解剖警察から遺体引取火葬お葬式
という流れになります。

住民の方からアパートの管理人へ連絡が入ると
次に、管理人から連帯保証人へ連絡が入ります。

(わたしは父の連帯保証人ではなかったので
違う家族の元に連絡が入りました。)

連帯保証人・管理人・警察の3者が現場に揃ってから
部屋の鍵を開け、
警察だけが先に室内に入ります。

警察が父の死亡を確認し
「お亡くなりになってました」と伝えられるも
現場保存のため家族であろうとも部屋に入ることは許されず

そのままパトカーの中で事情聴取を受けつつ
現場検証が開始。

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事件性がないか調べる為に司法解剖が必要なので
父の遺体は、すぐにわたしたち家族の元へ返してはくれません。
(「解剖終了まで1週間くらいはかかる」と言われました)

なので、司法解剖が終わるまでは
葬儀も火葬もできないため、
警察から連絡があるまでは普段通りの生活。。
(いつもの日常と変わらないのに父の死だけがつきまとう。この期間が一番落ち着かず、辛い期間でした)

遺体発見から4日後、
司法解剖が終わった旨の連絡があり、
遺体を引き取りに行きました。

わたしは父の姿を最期に見れると思っていたのですが
全身を包帯でグルグル巻きにされていたので、
直接会うことは叶いませんでした。

ですが、
「どうしても会いたい」
「顔だけでも最期に見たい」

と、しつこく警察にお願いしました。


「お父さんの写真ならいいけど、
腐敗が進んでるから、、
見たら結構ショックだと思う」

「それでも見たい?」と聞かれ
「はい」と答え、見させてもらいました。

確かに、ショックでした。
一生頭から離れることはありません。

そして父を引き取ったあとは
そのまま火葬場へ。

火葬した後に、葬儀。といった流れでした。

通常であれば火葬する前に
葬儀をするのが一般的とされていますが
既に腐敗が進んでいる場合は
先に火葬することになるのです。

■父の孤独死から得たもの

家族の死に直面すると
悲しみと同時に「お金」と向き合うことになります。

孤独死は、通常かかる葬儀代の他にも
住んでいた住居の清掃代や、遺品整理等
業者に支払わないといけないお金がプラスされます。

「大事な人の死に、お金の話を持ち込むなんて・・」
と思われそうですが
(わたし自身もそう思っていました。)
しかし、顔を背けることができないのが現実。

亡くなった方が所有している財産によっては
更に手続きが必要となるので、
その方の死と向き合う事が
二の次になってしまう事もありそうです。。


父の死からは、
そんなことも学ばせてもらいました。

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そして何より
父の最期の姿が頭から離れません

司法解剖するための台の上に乗せられた父の姿。
父だと認識するのが難しいほど、
腐敗した顔、身体でした。

『こんな姿で死なせたのはわたしのせいだ』
『なんでもっと早く気付いてあげられなかったんだろう』
『なんでもっとマメに連絡していなかったんだろう』
『パパの人生は幸せだったかな』

と、今までの人生で一番後悔しました。

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そして納骨が終わり、
一通りのことは終わったのに
わたしの気持ちはなかなか晴れず。

『あの時に一言連絡していれば…』
『パパが好きだと伝えたかった』

これから父の事を思い出すと
後悔ばかりして、自分を責めそう。
一生心の傷として残るんだろうな。

本気でそう思いました。

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そんな時、看護師をしている知り合いの女性と会う機会があり
こんな事を言われました。

『看護師をしてて思う。
人の死には必ず意味がある』
と。

「世の中には色々な家族の形があるけど、
それぞれの人の死に、それぞれ意味がある

「なてぃのお父さんの死から
何を学んで進むかは、なてぃ次第だよ

彼女にそう言われました。


それを聞いて強く感じたのは、

『他の家族には父のような死なせ方をさせない』
『あの思いは一生繰り返さない』

彼女からの言葉と
強く湧き上がった自分の想いから
わたしの行動は変わりました。

今までは自分の仕事やプライベートを優先して
「忙しい」の一言で
家族に連絡をしていなかったり、
会いに行ったりもしていませんでした。

しかし父を亡くしてから
家族と頻繁に連絡を取り合うようになり
顔を見るだけでも会いに行くようになりました。

そして「ありがとう」という想いを込めて
毎回接しています。
今日も生きていてくれてありがとう と。


それが今では癖となっているので
家族を大切にしていないと感じると
父の最期の姿がフラッシュバックするのです。

家族を大切にできていると感じる時、
自分自身が幸せだと感じるようになりました。

明るさ3

父からは、

◉家族との普段のコミュニケーションの大切さ
大切な人の死は突然やってくるもの
◉明日死んでも後悔しないためにすべき事
◉残された遺族は意外とお金がかかる
大切な人は大切に送り出したい
人の死には意味がある
人の死から学ぶべきことがある

こんな事を学びました。

■最後に

暗くなってしまうお話でしたでしょうに
ここまで読んでいただいて、
本当にありがとうございます。


父は、自分の死を以って
わたしに色々なことを
伝えようとしていたのかもしれません。

父の孤独死をどう捉えて、
どう解釈して生きていくかは私次第です。

であれば、
父の死を「こんな最期だったね」だけで
終わらせたくはないのです。

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この世の中には色々な家族がいます。

仲の良い家族もあれば、そうでない家族も
血の繋がりのある家族もあれば、
血の繋がりのない家族もあります。

わたしには計り知れないような
家族の形もまだまだあるだろうと思っています。

ですが、
「戸籍上同じ」
「血縁関係がある」だけが家族ではないと思います。

自分にとって大切な人は誰なのか
家族と思いたい人は誰なのか
決めるのは自分の自由です。

そして
その大切な人とどう接していくか
それも自分で選択する事ができます。

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どうか、
皆さまが思い浮かべたその大切な人に
わたしのような思いをさせないように。。

そして、
皆さま自身も
わたしのような体験をする事のないように。。


一人でも多く
温かい気持ちでこの世を後にできますように。

父の孤独死から得た、わたしの体験談でした。


そしてパパ!
誕生日おめでと~う!(*^^*)

明るさ


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