マガジンのカバー画像

『全裸の王子様』

37
運営しているクリエイター

#与田祐希

『全裸の王子様』用語解説、設定(仮)

『全裸の王子様』用語解説、設定(仮)

全裸の王子様 設定集
様々な設定と、その他諸々。

〜時代設定、舞台
 
この作品は、西暦約600年頃のアラビアあたりをモチーフになっております。

分かりやすく言えば、"マギ"や"Re:ゼロ"のように、上裸の上にルフィのようなひらひらの上着を羽織るのが許されるような時代です。

街並みも平たく言えば洋風です。
煉瓦造りの家、竜車、などが出がちです。

〜用語解説、設定一覧

・天能
これは個人が

もっとみる
全裸の王子様 #00

全裸の王子様 #00

0話 『条件は満たした』

"祐希、愛してる"

母の言葉を目覚ましがわりに、祐希は目を覚まし、精神的に重い身体を起きあげる。

祐希:おはよう、お母さん

その一言と共に、窓の外の太陽を眺め、体全体で光を浴びる。

祐希:お母さん、私ね、もう諦めるよ…

祐希:ごめんね

祐希:もう…待てないんだ…だから…

祐希:あっ、やばい、もう行くね!じゃあまた明日、明日ようやく会えるからね…

その一言

もっとみる
『全裸の王子様』を読む前に皆様へ。

『全裸の王子様』を読む前に皆様へ。

前書き

おはようございます、こんにちは、こんばんは、なとなとのなっとです。

今、新たに"俺と言えばこんな挨拶だな"と言うのを確立しようとチョケましたが、今回は異能系作品を更新するにあたり、前書き&noteの使用感について探りを入れてみました。

まずは、この前書きと、プロローグ(0話)を読んでいただきありがとうございます。

初めての異能系、そしてめんどくさい前書きをも目を通していただき、大変

もっとみる
全裸の王子様 #01

全裸の王子様 #01

1話 『最悪な登場』

私を助けてくれた人…それは――、



普通、"暴力"なんて、人気のない場所か、その行為自体が許される場所で行う物だ。

しかし、人で溢れ返った街の真ん中で、その愚行は行われていた。

長男:おいっ!俺が受け取る前にさっさと荷物持てやっ!こんの…ノロマがぁっ!

上品とはかけ離れた言葉遣いを使う男は、勢いのまま、前方を歩く荷物待ちの少女の背中を強く蹴っ飛ばした。

??:

もっとみる
全裸の王子様 #02

全裸の王子様 #02

2話 『全裸無双』

時が止まる、というはこういう事だろうか。

騒がしく群がる群衆の囲いの中に、突然、一人の少年が飛び込んできた。

綺麗な顔立ちをした少年だった。

艶の行き届いた少し長めの黒髪、中世的だが凛々しい瞳。何よりも笑顔が似合いそうな柔ら面構え。鍛え上げられた肉体美。そして、年相応に成長した彼自身の彼。

先ほどまで絶望の淵にいたはずの祐希は、目を手で覆い隠し普段通りの乙女な一面を見

もっとみる
全裸の王子様 #03

全裸の王子様 #03

3話 『相対する盗っ人達』

〇〇:見せてやんよ…俺の天能…《立替》をよぉ!

長男:た…《立替》…?

得体の知れない全裸少年の、明かされた天能にフロックは反応を示す。

しかし、〇〇の行動は天能を使用する者では、ありえないほどの愚行を行う。

自身の天能の"テーマ"を明かす事。それは天能使用者同士の戦闘中において"圧倒的不利"もしくは"敗北への一手"と呼ばれるほどの物だった。

しかし、少年は

もっとみる
全裸の王子様 #04

全裸の王子様 #04

4話 『拠点帰り』

からからからと、晴れ渡る空の下で馬車は、軽快な音を立て街道の道を進む。

白くまとまった毛並みが特徴な馬は、背に一人の人間、荷台には二人も載せるにも関わらず、ペースを落とす事なく進み続ける。

〇〇:ごめんなさい、無理言って一緒に乗せてもらっちゃって…

荷台の"入り口"と言うべきなのか?青いカーテンで仕切りを作られた場所から〇〇は顔だけを外に出し、覗き込むよう運転手に話しか

もっとみる
全裸の王子様 #05

全裸の王子様 #05

5話 『新たな家族達』

朝、目が覚めると、毎日のように絶望していた。

恐る恐る、瞼を開くと、目前に飛びこんでくるのは、まだ明けきっていない暗い空だった。

重い瞼、なかなか起き上がらない体と気持ち、そして絶望する自分自身。

奴隷として生きていた祐希の朝は、"生きたまま訪れた地獄"そのものだった。

しかし、今日、彼女の朝は、一変した。

あやめ:あ、起きた…うふふ、おはようございます、祐希さ

もっとみる
全裸の王子様 #8.5

全裸の王子様 #8.5

8.5話 『それぞれの持つ力』

祐希:皆さん…本当に大丈夫でしょうか…

蓮加とあやめにより保護された祐希は、戦場に出向いた四人の身を案じながらバルコニーからその勇姿を眺めていた。

あやめ:祐希ちゃん…

蓮加:大丈夫だよ、あの四人は簡単に死んだりなんかしない…絶対に…

まるで蓮加自身にも不安な気持ちがあるのか、自分に言い聞かせるよう噛み締めながらそう言った。

蓮加:あっ、そういえば、私ま

もっとみる
全裸の王子様 #13

全裸の王子様 #13

13話 『戦争のその後…』

国王:なぁ、岩本家の王子様よ、貴様は一体この事態をどう責任とるつもりなのだ?

グラドビース国、中心部。現国王が住まう王宮の一室。真っ暗で奇妙な部屋。

そこに、一人の老人の声が響く。

国王:バーナー家は、貴様ら廃れた王族とは違い、下級王族と言えども、グラドビース諸国内の南区域を任せた王族代表じゃ

国王:そんな国を代表とする王族とたった一人の"奴隷"を巡って戦争を

もっとみる
全裸の王子様 #29 後編

全裸の王子様 #29 後編

29話 『白が芽生えた日』

蒼乃:お前を殺す!

〇〇の剥き出しとなった殺意に、蒼乃薔薇もまた、挑発するようにそう答えた。

そして戦いは異次元へと。

〇〇:ああぁぁぁぁ!!

〇〇は自身の体に《治癒》を施し、五体満足となった体を使い、蒼乃薔薇目掛け思いっきり刀を振り下ろした。

蒼乃:ははっ!お前……やっぱ"化け物"だな

刀で受け止めた蒼乃は、一瞬にして自身の体を元の状態へと戻した〇〇に感

もっとみる
全裸の王子様 #30(終)

全裸の王子様 #30(終)

30話 『立替』

少年:僕はね、最初の人格なんだ…

突然の暗転。暗闇の中で祐希が目を覚ました時隣には一人の少年が椅子に腰掛けていた。

その少年は目を覚ました祐希を心配したその後「時間がない」「全てを話す」と告げ、全てを語り明かした。

祐希:っ!〜っ!っ……!あぁっ……!

突如現れた少年の語りかけに応えようとするが、なぜか声が出なかった。

――えっ、なんで?!声が出ない?!

少年:うん

もっとみる
全裸の王子様 epilogue

全裸の王子様 epilogue

エピローグ&あとがき

少しずつ冷たくなっていく大好きな人の体に触れ、祐希は涙を流す。

祐希:〇〇様……どうして……どうして……私を……

消えるはずだった自身の命は、次に繋ぐはずだった生命を糧に、新たな力を得て、蘇った。

祐希:私は……あなたがいなくては……

全てを諦め、絶望もした。力を理解し、希望も抱いた。

しかし、その全てが無駄だと気がついた。

そして与田祐希は知る。

全ての未来

もっとみる