なっと@妄ツイ

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イベント友達 #01/01

『0101 お正月』 1月1日、0時0分、お正月。 美波:来年も……あ、あはは…先に年明けちゃったね 美波:あけましておめでとう、〇〇! カウントダウンが終わると同時に、神社に集まった人々は大きな声をあげた。 美波:来年もよろしくって言おうとしたのに先に年が明けちゃったよ〜 〇〇:すごい中途半端なタイミングだったな 美波:ほんと、上手くいかないな〜 美波の職場への迎えから始まったこの1日は、幾度となく遠回りや遅刻を繰り返していた。 しかし2人は悲しそうな表情

    • イベント友達 #12/31

      『1231 大晦日』 12月31日、14時40分、大晦日。 〇〇:つぁあー……終わっ……たぁ〜…… タバコの吸い殻を灰皿に擦り付けた後、自身のノートパソコンのエンターキーを強く叩きつけた〇〇は年内最後の大仕事を終えた。 〇〇:あー!頑張ったー!! デザインを生業に在宅ワークで休みなどの都合がつけやすい〇〇でも、毎年年末年始は大忙しだった。 〇〇:マジ……今年は多忙すぎるだろ…… 美波と遊んだ25日以降、毎晩3時間睡眠を行なってきた〇〇は今日の美波との予定のために

      • イベント友達 #12/25

        『1225 クリスマス』 12月25日、4時53分、クリスマス。 〇〇:はぁー……寒っ…… 肌寒い冬の朝、始発列車が走り出す前に最寄駅に着くために家を出ていた。 〇〇:ふぁ〜……ほんでめっちゃ眠…… 普段から生活リズムが破綻している〇〇にとって、早起きをすると言うのはとても珍しく、今日1日は欠伸に蝕まれる日なのだろう。 文句を言いながらも5時4分、彼は始発列車運行10分前に待ち合わせ場所についた。 美波の姿はなく、〇〇は右手に巻いた時計で時間を確認し、まだ美波に

        • イベント友達 #12/24

          『1224 クリスマスイブ』 12月24日、18時22分、クリスマスイブ。 〇〇:ふぅ……まだかよ美波の奴…… カップルばかりが蔓延る、喫茶店の中、1人ホットラテを片手に美波の到着を待っていた。 〇〇:明日の予定を決めるためにご飯食べようって言ったくせに遅刻かよ……相変わらずだな…… デザイン業を職業とする〇〇は、在宅ワーク中心の生活を送るため、市の行政に勤める美波とは対に、急な予定やタイミングで外に出る事は容易だった。 美波:ハァハァ……おまたせ!! パソコン

        イベント友達 #01/01

        マガジン

        • 『イベント友達』
          5本
        • 『全裸の王子様』
          37本

        記事

          イベント友達 #12/20

          『1220 始まりの日』 12月20日、何の変哲もないある日。 〇〇:んっ…… 夕陽が沈みかけ、外が暗くなり始めた頃、ベッドに仰向けになりながら漫画を読んでいた〇〇は、携帯の通知音に気が付き、体勢を起こした。 〇〇:美波から? 「後5日でクリスマスだね」「今年も〇〇は暇だろうから私が遊んであげるよ」「イルミネーションに行こう」 幼馴染の彼女から来たメッセージはその3件だった。 〇〇:何でこんなに上から目線なんだよ。彼氏も友達もろくにいないくせに… 皮肉のような

          イベント友達 #12/20

          小説オタクは死神と出会う

          「寿命なんてまやかしだよ」 さくらは窓の外で咲いた、桜の蕾を眺め、寂しそうな瞳でそう言った。 いつも通り『小説の読みすぎ』と言うと 「ふふっ、相変わらず〇〇は夢を見ないね」と笑った。 俺はなにも言い返す事が出来なかった。 ―――――――――― とある日のホームルーム。 〇〇:1年間、ありがとうございました 高校1年生の3月、あと1ヶ月が経てば2年生に進級すると言うのに、このタイミングで俺は通っていた高校を辞めた。 〇〇:みんなと話した事やクラスのみんなで行っ

          小説オタクは死神と出会う

          全裸の王子様 epilogue

          エピローグ&あとがき 少しずつ冷たくなっていく大好きな人の体に触れ、祐希は涙を流す。 祐希:〇〇様……どうして……どうして……私を…… 消えるはずだった自身の命は、次に繋ぐはずだった生命を糧に、新たな力を得て、蘇った。 祐希:私は……あなたがいなくては…… 全てを諦め、絶望もした。力を理解し、希望も抱いた。 しかし、その全てが無駄だと気がついた。 そして与田祐希は知る。 全ての未来と過去が交錯する"特異点"を。 祐希:行かなきゃ……〇〇様の元へ…… そして

          全裸の王子様 epilogue

          全裸の王子様 #30(終)

          30話 『立替』 少年:僕はね、最初の人格なんだ… 突然の暗転。暗闇の中で祐希が目を覚ました時隣には一人の少年が椅子に腰掛けていた。 その少年は目を覚ました祐希を心配したその後「時間がない」「全てを話す」と告げ、全てを語り明かした。 祐希:っ!〜っ!っ……!あぁっ……! 突如現れた少年の語りかけに応えようとするが、なぜか声が出なかった。 ――えっ、なんで?!声が出ない?! 少年:うん、やっぱり声が出ないんだね。だから君はそのまま聴いていてほしい… 少年:僕の話

          全裸の王子様 #30(終)

          全裸の王子様 #29 後編

          29話 『白が芽生えた日』 蒼乃:お前を殺す! 〇〇の剥き出しとなった殺意に、蒼乃薔薇もまた、挑発するようにそう答えた。 そして戦いは異次元へと。 〇〇:ああぁぁぁぁ!! 〇〇は自身の体に《治癒》を施し、五体満足となった体を使い、蒼乃薔薇目掛け思いっきり刀を振り下ろした。 蒼乃:ははっ!お前……やっぱ"化け物"だな 刀で受け止めた蒼乃は、一瞬にして自身の体を元の状態へと戻した〇〇に感心していた。 しかしそんな蒼乃薔薇の〇〇に対する関心も、次の瞬間に肉の裂ける音

          全裸の王子様 #29 後編

          全裸の王子様 #29 前編

          29話 『黒が生まれた日』 〇〇:はぁ……はぁ……はぁ…… 呼吸が苦しい。 息を切らし、多量の血を流しながらも、なんとか壁に自身の体の体重を支えてもらいながら少しずつ〇〇は屋敷へと向かっていた。 月下との激闘。奇跡の加護である〈拡大解釈〉と天然物の聖天、《立替》を持つ少年でも、月下満と呼ばれた男から勝利を得る事は容易では無かった。 目と鼻からは流れな血をこすり落とした痕。ブランと垂れ下がった左腕には大きな切り傷。右足に至っては壊死したとも言えるような奇妙な色合いを褪

          全裸の王子様 #29 前編

          全裸の王子様 #28

          28話 『重なる最後』 ??:うっわ…何なん今の技……えぐ…… 普段から関西弁を話さぬように心がけた、おっとりとした雰囲気を放つ少女は、瞳の前で丸めた親指と人差し指の間にある空間を片目で眺め、そう呟いた。 ??:ん?どうした?保乃? たまたま隣で話を聞いていた、未だ幼い少女のような顔立とスラっとした背の高い少女が、"保乃"と呼ばれた女性に声をかけた。 保乃:ねぇ!見てよ!天ちゃん!これ! そう言って、保乃は無邪気そうに自身が先程まで眺めていた丸めた指の間を覗き込ま

          全裸の王子様 #28

          全裸の王子様 #27

          27話 『我が身を授ける』 いつ頃からだろう。 他人から"ゾンビ"や"兵器"と呼ばれ、戦争に利用されるようになったのは。 彼の見た目は、およそ二十代後半くらいの男だった。 しかし、彼にあらゆる異名がついたのは、今からおよそ百五十年前に起きた二国間での戦争。 ただの戦争。火種がどちらとも区別はつかず、ただ国の頭の価値観が違うと言う理由から起きた戦争。 そんな名も必要性もない戦争。 そこで彼は生まれた。 首を刎ね、身体を切り刻み、脳や心臓、腹部等の致命傷目掛けての

          全裸の王子様 #27

          全裸の王子様 #26

          26話 『チェックメイト』 月下:蒼乃薔薇、君に話しておく事がある 継承戦が始まる前日、王宮襲撃を企てる月下達は作戦の最終確認の会議が終わった時、月下は蒼乃に声をかけていた。 月下:君の天能は確かに"無敵"だ 蒼乃:あ? 月下:でも気をつけてくれ、あの屋敷内で、君にとっての"脅威"、つまり"君を殺せる"人間が二人いる 蒼乃:っ?! 予想もしていなかった月下の発言に、会議中終始つまらなそうにしていた蒼乃薔薇は大きく反応を示した。 月下:君の《否定》を上回る強さじ

          全裸の王子様 #26

          全裸の王子様 #25

          25話 『進化を経て』 蒼乃:あー、全部思い出したよ 突如暗闇となった空間に閉じ込められた蒼乃は、動揺する様子も見せず、ただそう言った。 蒼乃:《領域》と《犠牲》…… 蒼乃:お前らあれだろ?六年前、月下が研究してた天能の進化技術の"実験体"だろ? それはまだ、佐藤楓と坂口珠美が、国の勝利ために作られた"兵器"と呼ばれた頃の話だった。 * 月下:君達兵器に私が求める物は"勝利"、それだけだ 遠い遠い記憶の中、博士と称されていた月下満は、あの暗い部屋で確かにそう言

          全裸の王子様 #25

          全裸の王子様 #24

          24話 『捨てられた兵器』 岩本家屋敷側の状況をしっかり把握出来ていない事と、美月に危険が迫ると直感した〇〇の行動は、どうやら間違いではなかったらしい。 空中をとてつもない勢いで降下する美波と史緒里ほ眼科には、大きく燃え盛る炎と岩本家屋敷の姿があった。 美波:なに…?あの炎の柱は…… 岩本家屋敷は全く持って無事だった。 壊れるどころか、屋敷自体には大した傷や汚れさえもなく、いつも通りの外観だった。 しかし、その屋敷のすぐ側、正面玄関の先にある大きな二重扉のすぐ近く

          全裸の王子様 #24

          全裸の王子様 #23

          23話 『殺意と楽しみ』 美月:絶対に……殺すっ…… 蒼乃:あははは!いいね……その勢いで来いよ!俺が殺してやるよぉ!! 美月の剥き出しとなった殺意に対し、幾度もの死を乗り越え、菅原光輝に勝利した蒼乃は応える。 そこからの戦いは、まさしくに異次元だった。 蒼乃:まずはお手並み拝見……だっ…あぁ……? 怒りに飲まれた美月の実力を測るため、「一度なら命を投げ打ってでも構わない」と踏ん切りをつけ、捨て身覚悟で蒼乃薔薇は剣を構えた。 しかし、彼の視界に映っていた山下美月

          全裸の王子様 #23