なっと@妄ツイ
5月31日、仕事を始めおよそ1年と3ヶ月目に突入しようとしたその日の会議の事だった。 ??:う〜ん、山家くんどう思う? フロアが1つ下の課に所属する4年先輩の山下さんこと山下美月さんは俺の2期先の松岡さんが提示したパワーポイントの企画案を指差して俺にそう言った。 〇〇:僕は…少し準備期間と計画が見合ってない気がしますね… 不意に声をかけられた事に動揺しつつも、具体的かつ重要な意見をうまく述べる。 松岡:なるほど、確かにそこは否めないな… 美月:まずはそこもだね。で
5月21日、一人暮らしもいよいよ余裕が生まれ、自炊をする気力がなくなった日。 〇〇:アイス……食べたいかもなぁ…… 夜ご飯を買うために来たはずのコンビニは、いつものようにデザートコーナーが魅力的だった。 〇〇:プリンもいいし、シュークリームもいいし、ケーキもいいなぁ…… 残業終わり、最近推している昆布握りと各コンビニ限定チキンとファンタを食い、その後の一服に至福のひとときを感じる俺はある日閃いた。 「スイーツ革命」「タバコ革命」の二大革命を。 本日はそんな革命的な
4月9日、一人暮らしを始め2ヶ月と少しが経ち、仕事に勤しむ昼間の事だった。 事務仕事を処理するため、キーボードを必死に打ち付ける最中にパソコンの横に置いた携帯がメッセージが来た事を通知した。 「今東京いるんだけど、夜ご飯どう?」 「もちろん大企業の〇〇持ちで」 と、高校時代からの友人からの連絡だった。 〇〇:今月金ないから絶対割り勘…… 金を持ち出してから金遣いがやり荒くなった俺は、自制心を保ちながら真佑に返信する。 〇〇:そういや会うの久々だな… 思い出に浸
おはようございます、こんにちは、こんばんは、おやすみなさい、なとなとのなっとです。 そろそろこの挨拶も定着してきたかな?と思うこの頃です。はい。 まず、改めて「くだらないと君を物語に乗せて」の1話を読んでいただきありがとうございます。そしてこの前書きも読んでいただきありがとうございます。 普段あまり前書きなどはしませんが、当作品に関しましては少し話したい事があり、この場を設けて少しだけ話をさせていただこうと思います。 まず、最初は、当作品は"展開に盛り上がりが欠ける部
10月25日、彼女と付き合って半年と2日を迎えた日の夜。 彼女を助手席に乗せた車が、点滅を繰り返し、路肩で停止している事を示していた。 ??:ごめん、ここ数日の間…何度も何度も、ずっと考えたんだけど…やっぱり…無理だった… 2週間に1回の食事が終わり、いつも通り彼女の自宅の家の近くで少し話し、そして解散をする。 そしてつまらない話が終わり、明日の仕事のために解散をしようとした時、さくらは言った。 〇〇:無理だった……って? 深刻そうにさくらが言うから、何か嫌な予感
『あとがき×その他諸々』 こんばんは、こんにちは、なとなとのなっとです。 ようやく完結しましたねぇ、妄想死神。略称の感じがなんかキモいけど終わりましたよ、妄想死神。 マジで最初から最後まで書きたい物を書きたいメンバーでしか描かなかった自慰作品。 そんな感じで自分でも自虐するほど自由奔放にしてましたが、なんとか最後まで走り切りました。 それもこれも読んでくださった皆さんのおかげです。読んでいただき、いいねをしてくださり、本当にありがとうございました。 どうでした?面
『後継者×真実』 ??:あーすっ……かさーん!! 白く黒く。淡く濃い。清く濁り。白くて黒い。 そんな対を成す、矛盾と呼ばれる事象の全てが行き交う世界で1人の少女は走り出す。 そして目の前に現れた女性に飛びつき、抱きしめた。 飛鳥:おぶっ… 飛鳥:帰ってきて早々やめてよ、さくら… さくら:えへへ、おかえりあすかさん! 抱きつきながら頭を撫でられたさくらと呼ばれる少女は満遍の笑みで飛鳥を見つめる。 さくら:今回も……どうしたの?泣いてたの? 飛鳥:げっ、めんど
『死神×現実』 〇〇:っ…知らない天井だ…… 目を覚ました瞬間、有名アニメの名シーンを呟いた〇〇は本当に見覚えのない場所で目を覚ましていた。 ??:ふふふっ、ほんと…流石オタク野郎だね笑 目覚め早々、オタク野郎と罵ったのは、あの時、血に染まった教室で最後に見た少女だった。 〇〇:久しぶりだね、飛鳥ちゃん…… 長い間眠っていたからか、枯れたように弱々しくなった声で〇〇はその少女の名前を呼んだ。 飛鳥:や、6週間ぶりだね。〇〇…… 〇〇:6週間……そんな長い間も寝
『好きな人×テロリスト』 蓮加:ねぇ、起きてよ…〇〇くん… 〇〇:…… 蓮加:嫌だよ、そんなのやだよ!早く起きてよ! 〇〇:…… 蓮加:ねぇ!〇〇くん!! …… 〇〇:はぁ〜……今日もつまんないなぁ〜… 窓際の席で頬杖をつきながら、窓の外に映る何の変哲もない景色を眺め〇〇は呟いた。 空の中に〇〇は壮大な想いを巡らせる。 〇〇:今日も空には何の変哲もなくペンギンが空を飛ぶぅ〜… まるで生きる屍のような瞳で〇〇は空を飛ぶペンギンたちの群れの行く末を眺める。
『逃走者×ライブ』 茉央: 私……上手くできてるかな? 切れた息を整えながら、茉央は5本の弦を自由自在に操りながら背中合わせになった〇〇にそう訊ねた。 〇〇:うん!逃げ出した割に……上出来っ!! 負けじと〇〇も茉央と彩と美空の奏でる音に共存するように自身の音を生み出す。 茉央:大丈夫……もう怖くない!行ってくる! その一言を残し、ベース担当である美空が3歩下がり、同じ列に立った瞬間、自身の目の前にあるマイクを握り、声を轟かす。 〇〇:いけ!!五百城ちゃん!!
『後輩×文化祭デート』 奈央:み、見てください!先輩!たこ焼き屋さんです! 緊張のせいか、どこかぎこちない奈央は、遠くにあるたこ焼き屋さんを指差した。 奈央:あ、あそこ……い、行きません……か? 〇〇:うん!いいね!俺もたこ焼き食べたい!あ、でも焼きそばも食べたいな… 奈央:じゃ、じゃあ…やっぱり…焼きそば屋さんに… 〇〇:あのさ!焼きそばとたこ焼き、1個ずつ買って2人でシェアして食べようよ! 自身の意見と奈央の意見、どちらも殺さず、どちらをも尊重し、〇〇は無邪
『他クラス×買い出し』 祐希:ねぇ、ガムテープって1個だけで良かったっけ? DIYコーナーにしゃがみ込んだ祐希は、ガムテープを一つ持ち上げすぐ隣で接着剤を吟味する〇〇に話しかけた。 〇〇:てかガムテープメモに書いてたっけ? 祐希:あれいらなかったっけ? そう言って祐希は手元にある携帯のメモを見た。 祐希:あ、ほんとだ…もうめんどくさいな。〇〇くん残り頼んだよ〜 〇〇:ちょ!急に投げやり?!それに買い出しに行こうって言い出したの与田ちゃんじゃん! 〇〇:そっちの
『来訪者×ギャンブル』 沙耶香:さぁ!黒川くん!尋常に……勝負!! 勝負の掛け声と共にコントローラーを手に持ち、〇〇に向ってコントローラーを手渡した。 〇〇:君の得意ゲームなら尋常じゃないよ? 沙耶香:さぁ!早くキャラを選びたまえ!そして私に負けて部室を明け渡したまえ! 〇〇:話聞いてんの?!俺部長じゃないからそんな権限… 沙耶香:いざ!!勝負!! 〇〇:ゲーム好きな人って本当話聞かない… …… 〇〇:お疲れ様で〜す 放課後、長かった1週間の終わりを迎える
『知人×放課後』 美月:ねぇ!ほら!お姉さんに話しなさいよ!! そう言って、胸元の空いた部屋着のような服装を纏った女性は、〇〇を追い詰める。 〇〇:だから違います!あと見えそうです!! 美月:へぇ〜、君はスケベくんだね〜笑 〇〇:あんたの格好に問題があるんじゃないか!! ―― 〇〇:ハァハァ……やべぇ…… 真っ暗な闇に覆われた夜。息を切らしながら〇〇は自宅へと走っていた。 〇〇:もう19時じゃん……美波ちゃんに殺される! 現在の黒川家には1つのルールが存在
『先輩×部活』 真佑:んで!結局どうするの?入るの?入らないの?! 高校入学から今まで全くの面識のない3年生の先輩は、〇〇に顔をグッと近づけ、迫る。 〇〇:い、いや…でも…… 真佑:へ〜、じゃあいいんだ?この子と君が付き合ってることをみんなにバラしても〜笑 そう言って、一枚の写真をチラつかせる。 〇〇:いや!だからそれは違っ…… 真佑:じゃあバラしちゃおうかな?? ―― 〇〇:うぁー、今日は……体が軽いなっ…… 地獄の1週間の始まりである月曜日の朝、〇〇は
『モデル×休日』 和:いやー、面白かったぁ!本当に迫力すごかったですね! とある休日、映画館に1人足を運んでいた〇〇は、ひょんな事から1人の女性に声をかけられていた。 〇〇:ですね、マジで神作画でしたね! そう、気軽な感じで返事しようとした時、目の前の女性が深く被っていたはずの帽子から綺麗な瞳と目が合う。 和:ふふっ、じゃあ約束通り次はご飯に行きましょう! ―― 〇〇:よしっ!そろそろ行くか!! 日曜日の朝10時頃、休日と言うのに〇〇は珍しく午前中に起きていた