「成功する法則があるんだ!」

ある本を愛読者にしていた私の友人が言った。
聞くところによると『全ての分野における"プロフェッショナル"は大体1万時間の努力を費やしている』という内容だった。

「そうか、プロはめちゃくちゃ努力しているんだ!自分も1万時間を費やせば必ずその手の『プロ』になれるのだ!」

そう考えた彼が、ある夢を目指して自分のスマートフォンに『1万時間を計るアプリ』をインストールした。

例えばピアノを弾くことに1万時間費やしたい場合。
練習する前にアプリを起動してタイマーのスタートスイッチを押す。練習が終わったらタイマーをストップ。
すると1万時間に設定されたタイマーの時間が減る仕組み。
実にシンプルでわかりやすいアプリだ。
タイマーが0になった時には、プロになれるほどの技術が備わっているというのだから。

しかし彼は1万時間を達成してもプロにはなれなかったのだ。
ついにはその夢を追うことにも飽きてしまったのである。

彼の夢の始まりから終わりまでを見てきた私には、彼が大きな勘違いをしていたのではないかと気付いてしまった。
『プロの多くはおそらく1万時間を目指して努力をしてない』ということに。
きっと『好きなことや楽しいことに没頭してるうちに気付けば1万時間ぐらい経過している』のだ。

『1万時間を達成したい』というモチベーションで1万時間費やすのと、『楽しい』というモチベーションで1万時間費やすこと。
これには大きな違いがある。

彼は夢への近道を通るつもりが、全く別の道を歩いてしまったのだ。1万時間も。

もし夢に向かって頑張ってるのに満足な結果が出ないと悩む人がいたら、私はこうたずねるだろう。

あなたが頑張る目的は何ですか?

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