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資金調達からまちづくりまで!?宇宙スタートアップに求められるのは「アジャイル広報」だった

こんにちは、インターステラテクノロジズ(以下IST)広報です。
今回は広報チームのお二人にお話を聞いてきました!

宇宙ベンチャーの広報はどんなことをしているのか?仕事に取り組む姿勢などを深掘りしていきます!

今回インタビューしたお二人が登壇するMeetupの情報も最後にご案内します!


中神美佳(なかがみ みか)

北海道大樹町生まれ。日産自動車株式会社に入社。主にマーケティング・調査分析をおこなう。大樹町へUターン(1回目)し、地域おこし協力隊として、ふるさと納税や野外フェス(宇宙の森フェス)の企画運営などに携わる。任期終了後は、再び東京へ戻り、株式会社スマイルズのクリエイティブチームにて広報やプロジェクトマネージャーを経験。2019年、2回目のUターンを経てインターステラテクノロジズに入社。コーポレート広報やロケットのビジネスディベロップメント・営業等を担当。2021年から、宇宙港「北海道スペースポート」の事業推進会社SPACE COTANの取締役兼CMOも兼業。

高橋聡実(たかはし さとみ)

北海道本別町生まれ。大学卒業後、新卒で十勝エリアで最多の発行部数を持つ十勝毎日新聞社に入社。本社社会部、札幌支社で記者として勤務。自社発行のフリーマガジン編集者を経て、本社販売部門で企画販売や販売店担当、子会社の新規事業開発などに携わる。2021年7月、インターステラテクノロジズに入社。ビジネスディベロップメント部広報として、リリース作成やメディアを含むステークホルダー対応、営業等幅広く担当している。プライベートでは小学2年生と3歳の男の子の子育て中。

ーIST入社の経緯は?

中神:
私は2017年のMOMO初号機が最初の接点ですね。

当時、私は大樹町の地域おこし協力隊で、そのときにISTから「ロケット打上げ見学イベントの企画を一緒にやってほしい」という相談を受け、SKY-HILLS(IST公式の打上げ見学イベント)を立ち上げました。
それから約2年間は、東京で働きながらSKY-HILLSの運営をプロボノとしてお手伝いしていました。当時ISTには広報のキャリアを積んだ専任がおらず、いろんなことをやりながら全員で広報もやっている状態でした。私はもともと自動車会社ではマーケティング、東京のスマイルズという会社では広報・ビジネスプロデューサーとして働いていたので、メディア対応やプレスリリース配信などのメディアリレーションからブランドマネージャーの視点での施策、自治体のシティプロモーション等、幅広いPR業務をやっていました。その経験を生かして、2019年からはISTのPRも週1業務委託でお手伝いして、2020年の9月から一人目専任広報として社員になりました。

高橋:
私は新卒で地元の新聞社に就職して、ISTの活躍をずっと紙面上で見ていました。前職ではいろんな経験を積ませてもらったのですが、個人的に次のステップを考えたとき、次にチャレンジする場所も会社自体が挑戦していて、自分の大好きな地元の活性化に具体的に貢献しているところがよいと思ったんです。ISTは地方に雇用も産業も生み出そうとしているところに共感していて、広報の募集を見つけたときに直観的に「ここだ」と思いましたね。
だから私も美佳さんもロケットに興味があったわけでもないし、宇宙の知識はなかったんです。

▲射場から4kmほど離れたSKY-HILLS

ーISTの広報業務とは?

中神:
ステークホルダーとの関係をコミュニケーションによって構築していくのですが、ISTの場合はステークホルダーが多いのがIST広報の特徴ですね。投資家、スポンサー、政治家、行政、取引先、採用候補者、地元の方、ファンの方など、私たちは多くの方と一緒に宇宙を目指しているので。経営に伴走しながらありたい姿に到達するための道筋、ストーリーを作る。それをコミュニケーションという領域で担当していく仕事だなと私は思っています。

たとえばMOMOやZEROでこれからやりたいことや、会社としての目指している方向を打ち出していくことも広報の仕事ですし、一言では言えないくらい多岐に渡ります。宇宙が新たな産業なので法整備や経済的な支援などを国に要望するロビー活動も重要。政治家や官公庁、自治体の方との接点が多いのも特徴かな。

▲北海道発でグローバルな成長が期待される「J-Startup HOKKAIDO」に選定されました

​​

高橋:
ISTの広報は「広報」の定義を広げていますね。会社が今重要なことにフォーカスして、そのために必要なことをPRの側面からすべて実行していく。「いわゆる広報」じゃないから、広報パーソンじゃなかった私でもできることがあるし、自ら仕事の幅を広げるって大きい会社だとなかなかできることではないと思います。

中神:
そうそう。PRだけど、ときに事業開発、マーケティング、ブランドマネージャーの要素もあるし、採用広報だったら人事でもある。そういう意味で、広報チームがビジネスディベロップメント部の中にあるのもこだわりです。

ISTには広報として入社したけど、元々人事にも興味がありました。
人事担当がいなかったので会社説明会を企画したり、オンライン説明会、note、Meetup、リファラル採用制度など、色んなことを仕込んでいったんですよね。試行錯誤を繰り返して人事のノウハウが一気に溜まっていきました。大きい会社だと広報をやりながら人事もやるってなかなか難しいですけど、手を上げればやりたいことができるのは面白いですね。

▲会社説明会には代表の稲川や、ファウンダーの堀江も登壇

高橋:
PDCAを高速で繰り返しながら前に進んでいくサイクルが、私のやりたかったスピード感に近い。それはこのくらいの規模感の会社だからできることですね。

中神:
なんでもやってみるっていうのはISTのロケット開発と同じ。ISTの前身「なつのロケット団」時代からのDNAだと思います。打上げ見学イベントも、クラウドファンディングも、「北海道宇宙サミット」というシンポジウムも、誰もやったことがないけど「価値になりそうだからやってみる」。そういうマインドが私には心地よかったです。

髙橋:
計画と実行を短期間で繰り返すのは、「アジャイル開発」ならぬ「アジャイル広報」と言えますね!

※アジャイル開発とは
計画・設計・実装・テストといった開発工程を機能単位の小規模なサイクルで繰り返す開発手法で、従来の手法に比べて開発期間が短縮でき、開発途中の仕様や要件変更にも柔軟に対応できるのが特徴

▲2021年11月に行われた「北海道宇宙サミット2021」

ーISTで働いてみて感じたことを教えてください

高橋:
私が感じることは、社外の方と関わる機会が圧倒的に多いこと。すべてが形になるわけではないですが、「こんな面白いことが一緒にできそう」と外の方との価値づくりにフォーカスして働けるというのは、他の会社ではなかなか経験できないことだと思います。

中神:
たしかに。例えばサツドラさんとは、サツドラさんの人気商品である超炭酸水を1本買うと1円がロケット開発に寄付される、還元型商品(コーズリレーテッドマーケティング)の仕組みを一緒に作りました。富山社長がISTに興味を持ってたことをきっかけに、社員の方たちをISTの工場や射場をご案内して、そのままディスカッションする中で生まれた仕組み。ISTの企業コラボのスキームの実例になって、他の企業さんともお話がしやすくなりました。ロケットや宇宙というなじみのないものを、どうやってなじみアリに変えていくかにおいて、みなさんがイメージしやすい実例を作ることを意識してます。

お客様と何度も会えるわけではないので、初回のミーティングとか視察の数時間で、なんとしてでも何かを生み出すようにしてますね。「ISTと一緒に何かやりたい」というところまで熱量をグッと引き上げていくことが重要です。

高橋:
広報で大事にしていることは、期待値や熱量をあげること。ISTは大樹町の地方創生やまちづくり、次の日本の成長産業を支えるものづくりだとか、宇宙文脈以外のストーリーと、宇宙輸送にとどまらない可能性を秘めている。これからの日本を担う会社になると私たちは信じてやっています。それをいかに伝えるかですよね。

前職でお世話になった方からも「広報というのは外と中をつなぐ仕事。外の視点を忘れるな」と教えてもらって、実際に入ってから「こういうことか」と納得した。お客様でもメディアの方でも、来てくれた人の熱量を上げることは私も意識しています。

中神:
今後やりたいこともたくさんあるし、もっと一つひとつの施策の質を上げたいと思っているんです。今のチームのリソースでは精一杯やっていると思っているけど、もっと仲間がいれば今やっていることの価値を上げられる。なので、仲間を増やしたいですね。

ー広報の面白さとはどこにありますか?

中神:
広報の面白さを改めて感じたのは、ISTの子会社で⼈⼯衛星事業に参⼊する「Our Stars株式会社」を発表したときでした。

2020年12月、北海道大樹町にMOMOの量産やZEROを見据えて新工場や新本社をつくり、その竣工式を行いました。これは会社としてステップアップのタイミングで、これまでお世話になった方をお呼びする内覧会や、元・JAXA宇宙飛行士の山崎直子さんと堀江さん、稲川さんで宇宙ビジネスの展望についてのトークセッションを企画しました。そのタイミングで堀江さんが「竣工式で人工衛星の子会社設立を発表しよう」とおっしゃったんです。

▲Our starsを設立し、ロケットと衛星の統合サービスを日本で初めて提供すると発表

ロケットと人工衛星の垂直統合サービスはSpace XやBlue Originなどが世界でも取り組んでいるところは少ないですし、ロケットを持っているからこそできるビジネスモデル。国内でこの垂直統合サービスをやっているのはISTグループだけ。PR方法を短時間で考えるのは大変でしたが、発表後は反響がとても大きくて!「ISTの次の一手はこれでしたか」とさらなる期待と評価をいただきました。世の中からのISTの見え方が、「日本のロケット会社」から、「世界で闘える宇宙のプラットフォーマー」に変わった瞬間でしたね。そのときに「あ、堀江さんってやっぱりすごいな」と。PRって期待値をつくる仕事だと思っているのですが、このタイミングで発表することで、世の中の期待値を上げていくことができるんだなと勉強になりました。

高橋:
会社の成長を体感できるのはベンチャーの醍醐味ですよね。私は2021年7月入社なのでロケットの打上げがすごく衝撃的でした。「ねじのロケット(MOMO7号機)」の打上げ当日は入社3日目で、さらに、その3週間後の「TENGAロケット(MOMO6号機)」の打上げではメインでメディア対応をしました。

特に、打上げ後の記者会見は、スポンサーのTENGAの方々と会見の段取りをすり合わせて、会見資料とリリースを作るまで4時間という、かなりシビれる仕事でした。ある程度準備はしておくのですが、打上げ結果がどうなるかはやってみないと分からないので。当時は「新しい仕事で楽しいな」という感じでしたけど、今振り返るとよくやったなと思います(笑)

▲打上げから4時間後に行われた会見

ー広報チーム内の関係性はどんな感じ?

高橋:
美佳さんと私の関係性でいうと、すごくお互いが補い合っているなと思います。美佳さんは0→1が得意で、私は1→10や10をさらに増やすのが得意。二人で話している中で、ぽっとでたワードから「じゃあこうしたらどうだろう」みたいに膨らむことが日常的にある。最近だと昨年末に資金調達に関するリリースを出したのですが、リリースだけで終わらせず、さらに盛り上がりを作るにはどうしたらよいかをあれこれ考えて、出資してくれた方々とのオンライン対談を仕込みました。特に、堀江さんとサイバーエージェント藤田社長の対談は反響がすごくて、昨年の打上げ時配信を超える再生回数を記録しました。仲間が増えたらもっと大きい化学反応が起きるなと思っています。

中神:
花びら形のチームを目指したいですね。たとえば高橋さんはメディアとか記者さん視点を持っている。なつのロケット団から関わっている小林さんは技術のことが分かるし、創業時からのカルチャーを受け継いでいる。私はマーケティングやローカル文脈は得意。それぞれの強みや個性を花びらに見立てて、でき上がる一つの花がチームの形になると思います。

ロケットが企業のブランディングやPRに活用される事例やマーケティング担当の方とのお話、まちづくり文脈でのコラボレーションも増えているので、例えばこれからは、広告代理店のキャリアがある人や、プランナーとしての力や経験がある人がいると、できることがすごく増えるなと思います。

高橋:
あとは、広報アシスタントも募集していますね!メディア対応や採用広報、イベント企画など本当に幅広く経験できるから、新卒・第二新卒など若い方で「なんでもやってみたい!」という方はぴったりだし、未経験も大歓迎!仕事に取り組む姿勢としては、常に新しいことにチャレンジしたいという志があって、前向きな姿勢で仕事をしてきた人を求めています。ISTで働いているといろんなことが起きるんですけど、それすら面白がれる人が入社してくれたらうれしいですね。

ーベンチャー広報って大変そうですが、お二人は楽しそうに働いていますよね

高橋:
忙しいですが、子どもがまだ小さいので家庭との両立は意識しています。オンラインでも問題なく仕事ができるので、集中したい時や家庭の都合で在宅勤務したりととても働きやすいですね。社風として、家庭の事情や体調理由でのお休みにも優しい会社だなと感じます。子育てで時間的にはどうしてもコミットできないことがあるのですが、その分、与えられた業務に関してフルコミットすることにはこだわっています。

子どもに見せたい自分でいるというのも私の価値観としては大きいので、かっこいい背中を見せたいし、誇れる会社でありたいと思いながら働いています。下の子が「お母さんのロケット」って言ってくれるのがうれしいですね。

中神:
一般的に仕事の大変な部分っていくつかあるけど、やっぱりしんどいのは人間関係や社内調整だと思うんです。たとえば、社内調整に時間がかかり過ぎて本当の価値作りができないだとか。でもISTは純度の高い人たちの集まりだから、人間関係でストレスは感じません。みんながこんなに純粋にやりたいことに一生懸命なことが素晴らしいなと横で見ていて思うんです。

広報で大事なことをいろいろと言いましたが、やはり一番は会社のことがすごく好きであることが重要だと思います。推せる会社、メンバー、商品であること。心から推せてないと、外の人に100%の熱量で薦められない。会社のために、どうやったらもっと魅力を伝えられるんだろうとか、共感してもらえるんだろうと私たちはずっと考えているし、会社や働いている人、事業、会社の未来とか全部含めて好きなんだと思います。好きということが原動力ですね。なんか高校生の恋バナみたいになっちゃった(笑)

高橋:
私も面白がって仕事をするというのを大切にしています。純度の高い人の隣で働いていると自分のモチベーションも上がります。開発部が圧倒的なチャレンジをしているから、置いていかれないように自分たちもチャレンジし続けないとと思っています。

もっと話を聞いてみたい!という人のためにMeetupを開催!

広報のお二人の熱量が伝わるインタビューとなりました!
今回の記事によってみなさんの中の期待値が上がっていましたら幸いです。

インタビュー中でもありましたが、広報チームでは採用強化中です!
ISTの広報が少しでも気になったという方はぜひお気軽にお問い合わせください!

▼お問い合わせ、ご応募はこちらから
https://www.istellartech.com/recruit

また、今回のインタビュー、実は二人はもっと話したいことがあったようなんです・・・!

話したい二人&「もっと話を聞いてみたい!」という方のために、Meetupを開催することが決定しました!!

ISTへの転職に興味がある方、他業界で広報を担当している方、これから広報に興味を持つ方・・・
などどなたでもご参加OKです!

ぜひ情報交換しましょう!

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