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〈書評〉 それは令和のことでした、歌野晶午著

はじめに


8編の令和ならではの短編ミステリ。怖いよ。SNSや引きこもりなど現代の世相が作り出す犯罪だったり冤罪だったり。どの短編もひねりがきいていて「そういうことだったのか…」と驚きあり。絶望あり。ブラックな感じを楽しめます。


※以下8つの短編と簡単な内容(ネタバレと感じる方もいらっしゃるかもしれません。読み進める場合はご注意ください)

1.彼の名は

43歳のワンピースを着た女性の死の謎。君の名はならぬ彼の名は…

2.有情無情

偽りの名前と経歴で仕事を探す岩切。妻が死んでから人生が狂いだす。人と人との関わりが希薄になった現在の無常…

3.わたしが告発する!

引きこもりの姉と弟との関係。両親の死をきっかけに不穏さを増す。そこで巻き起こる事件。告発者は一体だれか?


4.君は認知障害で

眠気覚ましにゲームアプリを開き、日が暮れるまでそれに没頭する日々を繰り返す竜騎。ある日、おばあさんに出会い…

5.死にゆく母にできること

母と娘の歪な関係。タイトルが最高にブラックです。

6.無実が二人を分かつまで

比良(ひよし)が上野公園の炊き出しで出会った三田一(みた はじめ)は、犯罪者なのか違うのか…。
(※ひとり言。この作品は、I先生のあの作品を思い出しました。万が一、同じ感想を持たれた方がいたら嬉しいです)

7.彼女の煙が晴れるとき

ウイルス性の感染症の後遺症に悩む陽菜をケアする駒音の楽しみは、将棋。将棋を打っている時が彼女が自分らしくいられる唯一の時間だ。

8.花火大会

花火大会で集まった5人での写真撮影。一番短い話だけど心に残った。

さいごに

ミステリ好きのあなたにおすすめ!どの話も面白かったです。私たちの固定観念がうまく利用されて、話がひっくり返っていくのが爽快です。(ミステリ好きの個人の感想です)

では、また!











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