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夏の短歌2024①【短歌】-煙草-

ゴミ捨て場 野に放たれた 従業員
星の降る夜に 煙昇る

一服と 走って向かい 汗だくで
忙しくよく吸い 走り去る

チャッカマン 命を吹き込む 夏の夜に
灯は消え カチリと鳴らす


ワケもなく 席を立てる 特権が
ふらっと夜の 街を歩ける


まだ帰らないと言うから 仕方ない
そう言ってライターで 火をつける


波に襲われた足元 それよりも
空が青いな 気づく喫煙者


息をのむ 幽玄な美 花火咲く
喫煙所で 息を吹き返す


外階段 覗く街が 小さくて
溶けてしまいそう シガーキス

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