2000年生まれ 23歳大卒1年目フリーター       芸人 クレープ屋バイター で…

2000年生まれ 23歳大卒1年目フリーター       芸人 クレープ屋バイター です!!!  詩/エッセイ/短歌 夏と恋愛が好きです。今年は花火大会20回目標です。

最近の記事

曇天【詩】

15年の間机の上に棲んでいる。 粘土でよく練られていて、型取られて身勝手に生き物にされた。 ネームプレートがワイヤーで縫い付けられてある。 ペットにしては残酷だ。 家畜にしては大人しい。 題名:月の魚 〜〜〜〜 目の中は真っ黒な空洞。 どこまでも吸い込まれてしまうような。 ブラックホール。 鱗はない。 深い藍色で塗られている。 ニスの生臭さはもうなくなってしまっている。 干物。 腹面はぺったんこ。 卵を蓄えることもできそうにない。 〜〜〜〜 生殖原理を知る由もない頃。

    • 夏の短歌2024⑦【短歌】-ゲームセンター-

      暑い日も また今年も 暑い日も いつもの君と GIGOラウワン 横並び 昼下がりの端と端 休日の相棒 架空競馬 粒々の アイスを一目 齧ったら アクリルの中 助け出そうと 墓地裏の 山林の中の カブトムシ 羨ましくないよ 100円のカブト 初めての ドキドキはこの リズムかな 君に連れられ リズムゲーム 瓶コーラ ここにしかない 秘密でね ジャングルの中で 隠れるように かっこいい ここで一番 輝ける カゲロウの奥で ゆらりと華麗に 100円で カシャリと鳴らす

      • 夏の短歌2024⑥【短歌】-風邪-

        シャワールーム もう明けた夜 鏡前で 熱気を帯びた 頬を触る 麻布団 38度4分を 冷やしてくれる? 君の声と ご老人 元気にしている 待合室 夏の日差しに 嫌気が差す邪 ガサガサと ビニール袋の 優しい声 スポーツドリンク おかゆとゼリーと 大輪の 花火が咲くのは ラブホテル 気怠い身体が 心地良くなる 校長の あいさつの声 夏の空 保健室の 静けさ咳で埋める はじめては 君を看病するベット 今は僕が 看病される方 海の中 塩の味で 目が覚めて 喉が辛いと 痛

        • 夏の短歌2024⑤【短歌】-踏切-

          すれ違う 夏の日差しに 憚れて 振り返っても 車窓の雲 生き急ぐ この先の予定 シミュレーション 踏切の前 垂れる汗 群衆が 集まる目的 人任せ ここでは皆 列車に煽られて 位置について、よーい、ドン!あの夏 苦い記憶で 通過待ち あと少し 線路で切られる この距離を 煩わしくって 手をフライング 信号機 けたたましく鳴る カンカンカン 凛々しく咲いてる アジサイは白 逢いたくて 帰り道はこの 線路だね 線路は続くよどこまでも 赤・青・白 空が闇を集めてきて 隙

        曇天【詩】

          夏の短歌2024④【短歌】-銭湯-

          入相の ダークモードの Googleで 路地裏から 銭湯を探す 500円 握りしめる手 湿らせて 気怠い体を 湿らせに行く 最近の サウナブームを 遠ざけて 大衆浴場 体育座り 盆来たる せっかくだからと ゾロゾロと 湯船の中で 成長を知る セミが抜け ヒトが入るは 露天風呂 押して返さず 宵の声 目的は 会って寄り添う この一瞬 1人で湯船と アイスクリーム 燦々と 海水浴場 凛々と 稲村ヶ崎の 湯をすくう 溺れる恋が終わるのはいつも夏 溺れずに見る 朧げな月

          夏の短歌2024④【短歌】-銭湯-

          夏の短歌2024③【短歌】-映画-

          感情を 余すことなく エンドロール 明るみ出して 瞳を合わせる 梅雨が過ぎ 青空の下 映画館 儚く切ない 一夏の恋 二時間半 長くて短い この時間 外に出ると 仄かに夏明 Lサイズ コーラを二つ ポップコーン 好きな味は キャラメル?同じ 半券は 隣同士の チケットで いつも二人で 持ち歩いている 絡まり合う 思い出たちの 甘い匂い 生暖かい風で また混ざり合う 感想を 共有したくて コンビニの アイスを買って 真似してみたり レイトショー 私はそこに住んでいて

          夏の短歌2024③【短歌】-映画-

          夏の短歌2024②【短歌】-三人-

          これからも 三人きりと 錯覚が 四、五、六と 増えて減る ブルーハワイ 一番好きではないけれど 余った色が それだっただけ 二人きり 二人の時間は 囲われる 三人きり とはいかないみたい 三角食べ 町中華で 指摘され お前らの分も 食べさせてよ 海に向かって走っていくその背中 私は一人で 眺めるのが好き 寂しい夜 少し涼しく なってきて 両手繋いで 走った朝を つめた〜い 季節が変わって あったか〜い 三人だけの 自販機にした 夏祭り 音楽フェスも 三人で 溜ま

          夏の短歌2024②【短歌】-三人-

          自転車の上で【詩】

          忘れたくない 忘れてはいけない景色 放課後 校舎の窓が開いていて フルートの音が響き渡る 寂しげな表情の校舎 夕方 四時半のチャイムが鳴り 茜色に染まった空と ご近所さんの夕飯の香りを盗みながら帰る 深夜 思いつきで飛び乗った電車に揺られて 海まで行って好きな音楽を垂れ流す 朝になって帰りたくなくて 出てきた太陽 昔 車で連れてきてもらった そう思い出したのは自転車の上 自分の力でどこまで行けるのか試してみた 隣町の展望デッキ きっといつかは消えて泡になってしまう

          自転車の上で【詩】

          キスマークよりも【詩】

          ツるんと剥き出しになった白い肩に九つの粒が、 と気づいたら、 あなたに触れてみたいと思ってた。 未だ今日が終わらないでって、 二十二時過ぎの沖縄料亭。 海ぶどうを見ていた。 この小魚はずっと私と目が合っているけど、 眠たそうな君は目を閉じて海の中。 溺れてしまいそうで、 袖を掴んで起こしていた。 まだそんな暑くなかったな。 終電飛び乗った日でも、 林道通り抜けた時も、 UFOキャッチャー小熊を獲っても、 自転車かっ飛ばして、 なんでか小指から血が噴き出していても、 触れて

          キスマークよりも【詩】

          夏の昼と冬の夜【詩】

          常に太陽と共に向日葵は上を向く 強い日差しを浴びても凛々しさを忘れない 豆腐屋さんの笛が夕日に木霊する 茜の空を首を傾げて眺めている 我慢していても強く生きたい 見えていなければ上を向かなくてもいい 疑問を持って生きていてもいい 夜の向日葵を撫でたい 枯れて朽ち果てる秋 そんな顔をしているのかと 夏の思い出の中で今日も泳いでいる 水に潜るのが怖くなった カラスの声が物憂げになって 人気のない帰路が冷たく感じる あったか〜いのが好まれて 自販機と会

          夏の昼と冬の夜【詩】

          夏の短歌2024①【短歌】-煙草-

          ゴミ捨て場 野に放たれた 従業員 星の降る夜に 煙昇る 一服と 走って向かい 汗だくで 忙しくよく吸い 走り去る チャッカマン 命を吹き込む 夏の夜に 灯は消え カチリと鳴らす ワケもなく 席を立てる 特権が ふらっと夜の 街を歩ける まだ帰らないと言うから 仕方ない そう言ってライターで 火をつける 波に襲われた足元 それよりも 空が青いな 気づく喫煙者 息をのむ 幽玄な美 花火咲く 喫煙所で 息を吹き返す 外階段 覗く街が 小さくて 溶けてしまいそう シガー

          夏の短歌2024①【短歌】-煙草-

          孤高の店員さん【詩】

          コンビニの店員さん。 昔、駅前のコンビニで見かけたことのあるような気がする店員さん。 今は、住宅街の真ん中で、スーパーのお隣、深夜帯で働いている。 暇な夜勤中に、真っ直ぐ何かを見ている。 私は、あなたの視線の先には何があるのか、気になる。 視線の一番根本にある記憶を辿っているのかもしれない。 長いまつげと、感情が薄いその表情に惹かれる。 店員さん、コンビニの店員さん。 ショーケースの中、ホットスナックを悩んでいる時は、夜なりの夜に馴染んだ微笑みで。 心は温かそうな店員さ

          孤高の店員さん【詩】

          写真【詩】

          写真を一枚貰ったことがある。 お土産で買った絶景が写った一枚ではない。 あなたがピアノを演奏している、アルバムの中に仕舞われていた一枚。 俯いてピアノを弾くあなたの顔は、ずっと変わらないままで。 今ではこの顔をあなたとして記憶している。 捨てることのできない傷を、一枚の写真で植え付けることができるようだ。 私はいつか世界で一番愛している人にインスタントカメラを渡す。 ほんの僅かな時間を切り取った私の笑顔は、二度と消えない傷となるか、それとも走馬灯を超えて来世まで残る記

          写真【詩】

          冷凍庫の中には、北極と南極がある。【詩】

          冷凍庫の中には、 北極と南極がある。 とっても寒いこの中は、どんな世界なのだろう。 扉が閉まっている夜に、眠れぬペンギンは住んでいるのだろうか。 ペンギンが住んでいないのならば、寒い必要はないだろう。 保冷剤の氷河の下に眠る未知の生物たちよ。 頼むから目を覚さないで。 深夜2時過ぎ、オレンジのランプで顔が湿っぽくなる。 パピコも雪見だいふくも、恐竜の時代のウイルスだと思う。 化石になったかな。 生きていて、また侵してくるかもしれない。 南極旅行に行く人は、心が冷たい

          冷凍庫の中には、北極と南極がある。【詩】

          昼過ぎのデスゲーム【詩】

          本当なら14:30 今は机に向かって閉じ込められている そんな時間 たまにはね、と 飛び出してみたけれど やることも行くあてもない サボっている訳ではない せっかくデスゲームで人が減らされた昼過ぎがあるのだから カランとした空気を味わうことも大事だろう この白い壁に沿って 裏へ裏へ進んできて この場所に来ればもう安心だと フラグを少し立てておくけれど きっと回収されることはない 高い所に柵 ここは檻の中 目の前の喫茶店 カランコロンカラン 鳴っていないかもしれない 掻き

          昼過ぎのデスゲーム【詩】

          終わらない夏【詩】

          寒くなってきたねと腕を組んで、偉そうにして、 身体を丸めていると少し暖かく感じる。 ビルの上から振り下ろされた強い風が、二人の間を割って入ってくるようで、触れかけた指先がまたかけ離れていく。 立ち寄ったコンビニで買った肉まんが温かすぎて、おれは少し恨めしく思うけど、一緒に買った氷菓でリセットされるのは策士だろうか。 寒い日に食べるアイスも悪くないねと、真顔で君が放った言葉が少し熱を帯びていた。 夏が始まる頃に約束した。 今年は花火たくさんやりたいねって。 一回きりの花

          終わらない夏【詩】