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自転車の上で【詩】

忘れたくない
忘れてはいけない景色

放課後
校舎の窓が開いていて
フルートの音が響き渡る
寂しげな表情の校舎

夕方
四時半のチャイムが鳴り
茜色に染まった空と
ご近所さんの夕飯の香りを盗みながら帰る

深夜
思いつきで飛び乗った電車に揺られて
海まで行って好きな音楽を垂れ流す
朝になって帰りたくなくて
出てきた太陽


車で連れてきてもらった
そう思い出したのは自転車の上
自分の力でどこまで行けるのか試してみた
隣町の展望デッキ

きっといつかは消えて泡になってしまう
毎日違う景色で上書きされていく
だから

忘れたくない
忘れてはいけない景色

心に刻む
そしたら誰かがまた
掘り出してくれるかもしれない

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