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【ショートショート】『怖いもの知らずの男【Z】』

Z氏は怖いもの知らずの男だった!

3メートル以上の巨大な身体で暴れ回るので、街のヤクザも警察さえも、Z氏には何も言えないのだ。街の商店街の人達は、Z氏の姿を見かけると急いでシャッターを閉めてしまう。

誰もがZ氏を恐れていた..

今日もZ氏は街中をやりたい放題に暴れ回り、一人で住んでいる街外れの豪邸に帰って来た。
そして、高級ソファーに座り、一人ぼやいた。
「まったく、どいつもコイツも骨のない奴らばかりだぜ。何処かに俺様の相手になる奴はいないのか..」
誰もがZ氏を恐れ、歯向かって来ないので、刺激が足りず、段々、つまらなくなってきてしまったのだ。

「くそっ、誰か、俺様を熱くさせてくれる奴はいないのか..」

Z氏は考えた...

そして、閃いた! 
「..ん!!!もしかして、アイツなら俺様の相手になるかもしれんぞ!」

Z氏はソファーからガバッと飛び起き、豪邸を飛び出して、街で一番の大きな神社に凄い勢いで駆け込んでいった!

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「どけ、どけ、どけ!ガッハッハッハッ!」

そして、拝殿の前に仁王立ちしたZ氏は、周りに大勢の参拝者がいる前で、いきなり賽銭箱を抱え上げ
「ガッハッハッハッ、これは俺様が貰っていく!神様とやら、悔しかったら俺様と勝負しろ!!」
と大声で叫びながら、賽銭箱を持ち帰ってしまった。
周りの人達はZ氏が怖すぎて、何も言えずに見ているだけだった。

豪邸に帰ったZ氏は、ソファーに座り、持ち帰った賽銭箱を見て満足そうに頷いた。
「どうだ!神様とやらでも、俺様には歯向かえまい。ガッハッハッハッ」

久しぶりに満足したZ氏は大酒を飲み、そのままソファーで寝てしまった。

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朝、ソファーで目を覚ましたZ氏は、爽快な気分だった。

「やはり神様とやらも、俺様を恐れて何もできなかったか!ガッハッハッハッ」

Z氏は、又、暴れ回る為、街へ繰り出そうと、上機嫌で玄関のドアを開けた。


その、Z氏の目の前には、見慣れない光景が広がっていた..



そこは...




火星だった..

Z氏は、豪邸もろ共、クレーターだらけの火星に飛ばされてしまったのだ..

Z氏は「ほう」と呟いた。

玄関前には、神様の御慈悲だろうか、宇宙服と大量の宇宙食が置かれていた。

人類が住むのに、一番適しているらしい火星に飛ばしたのも、恐らく神様の優しさだろう..

Z氏は、宇宙服を着ながらポツリと呟いた。

「なかなかやるじゃねえか..ライバルになりそうだぜ..」


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【劇終】

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監督.脚本/ミックジャギー/出演. Z氏役. カラー・キーン


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