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あたらしいよみかたのもさく。

最近、本を読めていない。

というか、自分の「読む」が変わってきたので、
書いてみる。

まず、ビフォーから。

よく読むジャンルは、
「読む」「書く」「考える」について
書かれた本だった。

他人がどのように読んでいるか、書いているか、考えているか知りたかった。

人間、なにをするにも
ことばがいる。

新書サイズ一冊読むのに1時間ちょっとかかる。
時間を作って、一気に読む。
気になった文に〇を付けながら。

そうしたら、A4ルーズリーフに
〇をつけた文章を抜き書きする。
書き出すのに、20分。

次に青いサインペンで
矢印や〇、□、△など
自分の思ったことを
書き込んでいく。30分。

ごちゃ付いたら、
ルーズリーフ2枚目。
白紙から。
1枚目から抜き書き。

料理でいうと、裏漉し。
何度やっても、
見た目はそんなに変わらないが
少しずつ、繊維質なものが取り除かれていく。

自分の琴線、感覚で漉す。

ことばの口当たりを良くしていく。


大体、その本に書いてあったことを
3つ
になるまで削っていく。

その3つの書かれているページには、
付箋を貼る。

最後、B6の読書ノートに
右ページが本の内容
左ページが自分の考え、背景知識など
と分けてまとめる。


このように
時間があるときにしかできない読み方を
本を読み始めた
2021年8月から最近まで続けてきた。

それで、アフター。
というか、今。

卒業研究で忙しいこともあり、

スキマ時間に少しだけ読むということが増えた。

集中力も大して残っていない。

時間もとれない。

新書ですら、文が長く感じる。

じゃあ、短くて、薄いの読めばいいか。

と、詩集・歌集・断片集を購入することが増えた。

文庫もあるけど、
詩集って、意外と高いんだねぇ。

余白だらけの紙束。
1ページに1行。
それが¥1980。

文庫などと一緒に
3冊買うと、あっという間に
4000円越え。

学生には手痛い出費。

それを読む。

〇もつけない。

良いな、と思ったものを
抜き書きすることもしない。

良いな、を
良いな、のままにする。

無理に記憶することもしない。
面白いもので、
そういうほうが良く記憶されたりする。

すこし前に読んだ
糸井重里さんの「ふたつめのボールのようなことば」

そこにあった、
谷川俊太郎さんからのことば。


孤独は前提


なぜか覚えている。

ルーズリーフにまとめたところで
大して、本の内容を覚えられるわけではなく
ほとんどを忘れている。

読書ノートが無駄だったとは、全く思わない。
振り返って、自分の書いた言葉を見る。
思い出す。

「読む」とは、思い出すことか?



あたらしいよみかたのもさく。


あなたらしい、よみかたのもさく。

あなたらしいよ、みかたのもさく。

「あなたらしいよ」と言われたくて、
自分の味方を模索。

それが読書。

でも、本当は
どの本も、見方によっては全員味方で。


それがいつかは

私が誰かに
「あなたらしいよ」、味方のも咲く。


岡潔「春宵十話」

スミレはスミレのように咲けば良い


を思い出す。



同じ本を読みなおすこともしない私。

今読んでいるのは、
リルケ「若き詩人への手紙」

まだ、途中だが、

なぜか、言い表せないような
手ごたえを感じている。

ずっと読むことになりそうな本。

手がかりをつかめそうな気でいる。


でも、ホントは

その手がかりも忘れているだけなのだろう。



詩。

poetry。

ことばに含まれる「try」の文字。

ためす。

poemが可算名詞で、poetryが不可算名詞らしい。

数えられない。

数えきれない思いをのせて。

書き散らす。

読み散らかす。








なさのや


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