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「隙は突いても突かれるな」客星犯帝座

客星帝座を犯す
―客星犯帝座―

[原文](太平御覽 皇王部十五 後漢世祖光武皇帝)
客星犯帝座

[書き下し文]
客星(かくせい)帝座を犯す

[原文の語訳]
客星が帝の星座を犯す

客星
→いつもは見えず、一時的に見える星。

[解釈]
由来は突然現れた星(彗星など)が帝を表す星座に入り込んでくるということで、外部の人間がやって来て帝の地位を脅かすという意味です。

部外者を招き入れたら乗っ取られるということです。
われわれの身近なところでSNS内など入会自由のグループやサークルで、後から入ってきた人が主導権を握ってしまうという経験はありませんか?
演劇界では主演者の都合が悪くなった際に、たまたま代役となった演者がはまり役でその後の主役の座を射止めるという逸話を多く聞きます。それがエキストラであったり裏方さんだったりということも。
スポーツでも主力選手が怪我や出場停止などによって、代わりに出場した控えの選手が大活躍をし、そこから飛躍するということがあります。
先学の功績を直接教えを受けていない後学者に持っていかれたり、不特定多数の人がいるところで知人に話したアイデアを近くに居た人がたまたま耳にして先に行動を興され、それが大ヒットしてしまうなど。

商売であれば、いつもは手作りをしているのに事情により既製品を使用したら、そちらの方が評判が良かったという皮肉なこともあります。
取引で対応できないことを謝罪していたら、居合わせた別の業者が手を上げて、気がついたらそちらに取られていたなんてことも。
軒先を貸して母屋をとられるようではいけません。

あなた自身で当てはめてみると、勉強中にたまたま出てきた漫画を読んでしまったり、荷物を片付けしているときに出てきた思い出の品や古い新聞などを読んでしまうことはありませんか?偶然に出てきた物事にもともとの目的を忘れてしまうほど没頭してしまわないように注意しなくてはいけません。

主役の座を奪われるということはあなたに隙があるからです。
一方で相手の隙を突いてあなたが主役の座を奪うことも可能です。それには普段から役に耐えうる地力を培っておくことと、運もありますが隙を見つける嗅覚を鍛えておく必要があります。
隙は突いても突かれるなということです。

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