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「結果良ければ全て良しの考えで」蓋棺事定

棺を蓋いて事定まる
―蓋棺事定―

[原文](杜甫 君不見、簡蘇徯)
丈夫蓋棺事始定

[書き下し文]
丈夫は棺を蓋(おお)いて事始めて定まる

[原文の語訳]
丈夫(立派な男性)は棺に蓋をされてはじめて人物評価が定まる

[解釈]
由来は、人間の真の価値は死んでから決まる。君はまだ若くこれからでも評価される可能性があるのだから、こんな所で塞ぎ込んでいてはいけないと続きます。

最終的な評価は故人となってから、有名人であればメディアで偲びつつ「実はこんな人だった」と逸話などを紹介するのが良い例です。

死後に評価されるケースは芸術家に多いですよね。
スポーツ選手でも、引退時には入団時の評価よりも現役中の成績や記憶によって扱いが違ってきます。
野球であればドラフト1位の鳴り物入りで入団してもパッとしなければ2軍生活のままで戦力外通告を受けるかもしれません。逆にドラフトで指名されずトライアウトでの入団であっても大活躍をし、引退時にはセレモニーまで行われる選手もいるのです。

さて、われわれの人生において最期は一度きりですが、生きているうちには何度となく節目となる「終わり」を迎えます。卒業もそうですし、組織であれば退職・退任、より細かいところでは異動なども含んでもよいでしょう。「飛ぶ鳥跡を濁さず」ではないですが、汚点なく去れば悪評が立つことはないでしょう。学業であれば常に学年で上位、主席で卒業とか。

本当は他人の評価など一々気にする必要はないのですが、われわれはどうしても評価社会である以上、それを甘んじて受ける必要があります。

若い頃に素行が悪くても、更生し大事を成すと「若い頃は悪かったのに立派になって」と言われます(その逆もありますが)。
今は不遇であっても、いつチャンスが巡ってくるか分かりません。
目指す学校に入れなくても、別の学校で天職に繋がる機会と巡り合うかもしれません。確かに学歴は大事ではありますが、最終的には自分次第です。ひょっとすると在学中に起業することになり、後に上場企業にまで成長するかもしれません。

人生はまだまだこれから。
周囲の評価を気にならなければ「悔いのない人生」の考えで、気にするのであれば「結果良ければ全て良し」の考えをもって、来たるべき機会のために準備を整えておきましょう。

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