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「焦って自暴自棄にならない」倒行逆施

倒行し逆施す
―倒行逆施―

[原文](史記 平津侯主父列傳)
吾日暮途遠、故倒行暴施之

[書き下し文]
吾れ日暮れ途遠し、故に倒行してこれ暴を施すと

[原文の語訳]
日は暮れかかっているが前途はまだ遠い、それが故に順序に逆らった暴挙をしてしまう。

[解釈]
陽が傾いてきているが道のりはまだまだ長く、これまで通りの行程では到底間に合わないので乱暴でも急ぐ術を施す。例えば徒歩では遅いので馬を盗んでしまうということです。

順当な方法では手詰まりになってしまい、少々荒っぽい方法でも先に進めるのは、時に専横や横暴と非難されることもあります。

「大事のために小事を捨てる」という言葉がありますが、ここでは「小」事ではなく大に近い「中」、もしくは過ぎたるは及ばざるが如し「超大」なことかもしれません。

組織で入れば業績予想が下向きで回復に向けて改革を急がなければいけない。そこでいきなり人員削減するようなものです。また抵抗勢力を異動させるなど影響力を弱体化させたりも。

仕事や作業などではショートカットや簡略化など負担を軽くすることは大事ですが、その都度、安易に多額の資金をつぎ込むようではいけません。

テストは近いがまったく頭に入らない。だからといってカンニングなんていけませんし、自分を有利にと賄賂などもってのほかです。

ギャンブルでも、負けがこんでくるとなんとか取り戻したいという気持ちが大きくなり、その結果、有り金を全部つぎ込んでしまうという最悪の結果を招いてしまいます。

われわれは先が見えないと不安になり自暴自棄になりやすい生き物であり、そういった時に暴動を起こしてしまったりします。
また理論に押されたら力で対抗しようとします。

なんとか先を急ぎたい、黒闇から抜け出したいという焦りは禁物です。やみくもに動いた結果、うまくいかなかったらどうします?
焦りを増幅させるだけです。それが無限ループになってしまいかねません。

可能であれば、ここは開き直って現実を受け入れ、問題を正確に細分化して急がずに地道に一つずつ片付けていくことです。大きな問題も小分けすると解決しやすかったりします。

また、悩んでいる時に突然ふっと解決策が浮かぶこともあります。これは自分では意識していない時でも頭の中では四六時中考えている成果です。そのためにも脳に思考処理を集中させる睡眠も必要です。

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